妻からの「キツイひと言」読解講座 Vol.6
2019.05.17
FAMILY

「仕事ラクでいいね」と言われるのは、家事の大変さを夫が理解していない証拠

>連載「妻からの『キツイひと言』読解講座」をはじめから読む

イメージイラスト

夫たちが妻から言われた「キツいひと言」の裏側を、現役ママでもある筆者が紐解く本連載。前回に引き続き「家事分担」にまつわるひと言を解説します。今回解説するのは、週末にゆっくりしているときなどに妻の口から聞かれるフレーズです。

 

妻が仕事の大変さをわかっていないわけではない

「仕事ラクでいいよね」(38歳)
「あなたは仕事だけでいいよね」(38歳)
「主婦には休みがないのよ」(39歳)

週末や平日の帰宅後、家でゆっくりしているときに妻の口から出るのがこれらのセリフ。

「あなたは仕事だけでいいね」と「主婦には休みがないのよ」は、まだわかるとして、「仕事ラクでいいよね」なんて言われたら、カチンと来ますよね。「ラクなわけないだろ」と言い返したくもなるもの。

でも、このセリフを妻から言われたからといって、妻が外で働く大変さをわかっていない、というわけではありません。

外で働いて収入を得るのと、家事・育児を一手に担うのと、どちらが大変かというのは不毛な議論ですよね。両方それぞれに違った大変さがあります。

ではなぜ妻がこのようなセリフを言ってしまうのでしょうか。妻からこういうセリフが出た場合、妻のことを「外で働く大変さをわかっていない!」と批判する前に、まず、自分が家事・育児を担う妻の大変さを理解しているか、考えてみてください。

夫が主婦という仕事の大変さに対して理解が無いと感じている妻は意外と多いです。

私の周囲のママ友たちからは「日々の家事について、夫から感謝されたことなどない」とか「週末になると『俺、疲れてるから』と言って家のことを何もしない。こっちだって毎日の家事・育児で疲れているのは同じなのに」などという声を聞くことがあります。

妻が専業主婦の場合のみならず、共働きでも、家事はすべて妻が担っているという家庭も少なくないようです。特に妻が時短やパートで働いている場合、収入のメインが夫であるという理由から、仕事もしつつ家事・育児は妻がほとんどひとりでやるということになっていたりします。

とはいえ、きっちり半分ずつ、夫に家事を分担してほしいと思っているかどうかは人それぞれ。それは夫婦間でよく話し合う必要があります。それよりもまず大切なのは、エンドレスに続く家事・育児の仕事に理解を示し、ねぎらうことだと思います。

そのためには、日頃から言葉で感謝の気持ちを伝えるのはもちろんのこと、週末には、妻がリフレッシュする時間を作ることが大切。例えば、ひとりで買い物や美容院、あるいはマッサージやネイルサロンに行くなど。そういった時間があると、女性の心は潤います。

NEXT PAGE /

家事・育児が仕事より大変な理由とは

ちなみに、私自身のことを改めて考えてみると、私個人としての正直なところは「家事・育児より仕事のほうがラク」です(笑)。

私の場合、自分で小さな会社をやっているので、たぶん、会社員の方よりも時間は自由になるということと、好きなことを仕事にしているというふたつの理由でそう感じるのかもしれません。しかし、働き方としてはかなりハードなほうだと思います。なんといっても日々締め切りに追われる仕事なので。

そんな中でも「仕事のほうがラク」と感じる理由として、子育てよりも仕事のほうが理不尽なことが起こりにくいということがあります。

仕事で関わる相手は、少なくとも言葉は通じますし、共通の常識の元で仕事を進めているので、そこまでの理不尽なことは起こりにくいです(稀に起こりますが)。一方、特に子育てでは、理不尽なことが起こりやすいですよね(特に子供がまだ乳幼児の場合には)。

しかし、私の場合、家事・育児と仕事の両方があってバランスが取れていますし、子育てにまつわる理不尽な出来事は、子供の可愛さで帳消しになっているのですが。

また、主婦の仕事が大変なもうひとつの理由として、仕事の成果を評価されにくいということもあると感じています。

外で働く場合、会社員にしても自営業にしても、人から何らかの評価を得たり、感謝されたりして、そのことにより自分が仕事をすることの意義を感じることができ、充実感を得るものだと思います。

具体的に言えば、売上が伸びたからボーナスが出たり、昇給したり、自営業だったら継続して仕事を受注したりするなど、自分の頑張りが周りに認められているかどうかの指標がありますよね。これが仕事のモチベーションにもなるわけですが、主婦の仕事はこういった具体的な評価がほとんどありません。モチベーションは、家族からの感謝の言葉のみということになるわけです。

さらに、仕事だったら毎日の就業時間が決まっていたり、納品日が決まっているなどの区切りがありますが、家事・育児はそれがなく、エンドレスに続きます。その点も、家事・育児が仕事よりも大変だと感じる理由のひとつです。

こういった点から考えても、夫が感謝の気持ちを日頃から言葉で伝えたり、たまには、ひとりで好きな場所にお出かけできるようにすることが、妻の気持ちを前向きにするためには、とても大切なのではないでしょうか。

 

相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

MIYU=イラスト
ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人

■妻たちの言葉、どんな事情が潜んでいる?
第5回「夫への感謝と苛立ちが入り混じる言葉『それ、触らないでいいから』
# 夫婦# 妻からの「キツイひと言」読解講座# 家事# 育児
更に読み込む