>連載「いま乗りたい、俺たちのチャリ」をはじめから読むオッサンの今の気分に合った自転車を探す本連載。
ラクして洒落るeバイク、肩の力の抜けた
クルーザー風のピストバイクの次にフォーカスするのは、ストリート好きなら覚えているであろう、あのブランドである。
BROOKLYN MACHINE WORKS(ブルックリンマシンワークス)。1996年、NYのブルックリンで産声をあげた自転車ブランドで、世界中にコレクターを有している。日本でも、90年代後半から2000年代にかけて原宿界隈でクルーザーとしていわゆる憧れの存在だった。
懐に余裕のできた30〜40代が改めて求めているという事実「最初に日本に入れたのはNIGO君だと思います。それから原宿界隈の著名人らが次々と乗り出し、憧れの自転車になりましたね。98年頃、今の社長が輸入業をやっていたのでお願いして輸入してもらいました。それから代理店になった感じですね。(ブルックリンマシンワークスのビルダー)Joeとはもう20年以上の付き合いです」。
こう教えてくれたのが、ブルックリンマシンワークスを日本でいち早く取り扱っていたサイクルショップ「W-BASE(ダブルベース)」のストアマネージャー・田中元章さん。
日本ではかつてセレブバイクとして大切に街乗りするイメージがあったが、その造りはホンモノ。なぜならそのルーツは、MTBに熱中していた創立者・Joeが作り上げた間違いのないモデルだから。その美しさはもちろん、ちゃんと乗れる自転車なのは言うまでもない。
「クロモリ(鉄素材)好きのビルダー・Joeの美学が詰まった、1台1台がオリジナルのフレームです。その魅力はなんと言っても、その無骨さ。溶接跡を残す角張ったデザインに、フロントフォークなどのディテールも特徴的。一般的にフレームは年数を重ねると価値が落ちていきますが、自転車作りの常識を打ち破るユニークなスタイルのモデルは、ボロボロになっていても欲しがる人がいる貴重なものです」。
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溶接でシリアルナンバーが付けられている。こんなハンドメイド感も魅力のひとつ。
最初期の貴重なフレーム。角張った無骨なデザインは男心をそそるが、じつは工房に曲げる機械がなかったからだそう。
ちなみに現在の購入層は、「マニアの方のほか、かつて憧れていた30代後半〜40代前半が多いですね」とのこと。当時は高嶺の花で手が出なかったが、現実的に購入を検討できるほどに年を重ねた今、ちょっと考えてもいいかもしれない。
なお、ブルックリンマシンワークスはフレームからの組み上げが基本。実際に入手したい場合には、ダブルベースなどのショップに相談するか、自分でフレームを入手してからショップに依頼することになる。
ブルックリンマシンワークスはここ数年活動休止していたが、今年目玉となるアイテムを引っさげて復活。「これはきっと話題になりますよ」。田中さんがニヤリと笑い教えてくれた。そんな今注目のアイテムを含めて、ブランドのフレームを用いて組み上げたモデルをいくつか紹介しよう。
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