OCEANS

SHARE

  1. トップ
  2. あそぶ
  3. 木・金属etc…何でもあり! ハイテク機器でアイデアをカタチにする「テックショップ」

2019.04.23

あそぶ

木・金属etc…何でもあり! ハイテク機器でアイデアをカタチにする「テックショップ」

連載「テクが手土産、日帰りDIY」
「Do It Yourself.」 第二次大戦直後にイギリスから始まった復興目的のムーブメントも、今や定番ホビーのひとつ。DIYテクニック習得を狙えるワークショップを開催しているスポットも少なからず存在する。未経験者からベテランまで、行けば必ず何かを得られるはず!
>連載「テクが手土産、日帰りDIY」を読む
テックショップ
都内一等地であることを忘れてしまうほど、広々としたワークスペース。天井も最大高8mでドローンを飛ばす会員もいるとか。
大企業からベンチャーまでさまざまな会社が拠点とし、夜は多くの人が訪れる繁華街。日本の経済と文化を牽引する都市のひとつである六本木にて、「TechShop(テックショップ)」は2014年にオープンした。
元々はサンフランシスコ・ベイエリア発祥の会員制オープンアクセス型DIY工房で、東京でも本国同様のシステムを採用。メンバーとなりプランを選べば、営業時間内なら出入り自由かつ設備も使い放題となる。
圧巻なのが3Dプリンターやレーザーカッター、UVプリンターといったハイテク機器の充実ぶり。さらには、日本では4台しか稼働していないというCNCターニングマシンまで。木工はもちろん、各種金属加工、テキスタイル作成なども可能であり、もはや出来ない作業のほうが少ないほどだ。
テックショップ
自動で木工旋盤加工を行う稀少なCNCターニングマシン。国内で個人使用できるのはテックショップのみ。
お馴染みの木工用マシンならともかく、樹脂や金属を加工するような非日常的機械が相手では腰が引けてしまう……。そんな人も多いだろうがご安心を。各マシンの安全な基本操作をマスターできる講座、SBU(Safety and Basic Use)が受けられるのだ。
特定の機器を扱うためには必修であり、非会員でも受講可能。また、スタッフによるショップツアーも毎日開催されている。参加すれば、どんな機械が使えて何を作れるのかだけでなく、雰囲気も飲み込めるはず。だから、いきなり入会せずともOKというわけ。随時開催されている単発のワークショップに申し込むのもありだ。
テックショップ
休憩所ではいつもでポップコーンとコーヒーが楽しめる。掲示板も自由に使え、さまざまな告知や情報交換が行われている。
テックショップの魅力は、群を抜いて豊富な工作機械のバリエーションに限らない。開放感あるオープンスペースだからこそ生まれる、もの作りに興味があるメンバー同士の触れ合いもポイント。
ポップコーンとホットコーヒーが自由に味わえる休憩所や、作品を美しく撮影できる簡易スタジオ、共有のストレージエリア、イベント告知ができる掲示板など、コミュニケーションが取りやすい環境まで整っている。
入会するには初回のみ手数料3000円が必要。その後はプランに応じて料金が変動し、すべての機器を扱えるもっともベーシックなプランで月間1万8500円。前述のSBUが必要ならば、会員価格での受講が可能となる。家族会員や土日限定会員など、幅広く設定されているので、詳細はホームページで確認を。
店長・藤森さん
店長の藤森さんは、『MAKERS』(NHK出版)の著者であるクリス・アンダーソンによって定義された、メイカームーブメントに触発されてテックショップへ参加。
「法人会員も受け付けています。新規事業や社内ワークショップなどにご利用なさる企業様が多く、上下の交流が盛んになったと好評です。また、個人のクリエイターさんたちと接する機会を得ることで、新しいアイデアが得られたという声も」と、教えてくれたのは店長の藤森さん。
「テックショップでは本当にさまざまなプロトタイピングが可能です。職業用刺繍ミシンを使えばお気に入りの帽子に自分だけのロゴが入れられて、オリジナルのスカジャン作りだって難しくない。UVプリンターでアイフォンケース、レーザーカッターでレザー製ネームプレート……。やってみたいを実現できるのがココなんです」。
ハイテク機器
自動で複雑な刺繍を入れてくれる職業用刺繍ミシンのほか、革漉き機やデジタル捺染機なども完備。「その気になれば革ジャンすら自作できます」。
ハイテク機器が揃っているからといって、何も難しいことにチャレンジする必要はない。「プラモデル作りの場所にしたって良いんです。エアブラシもありますから、きっと子供時代より完成度の高い逸品ができるでしょう。実際、何も作らずコーヒーだけ飲んだり、仕事をしたりするだけで帰られるメンバーさんもいらっしゃいますから」。
逆に制作期間が長い、複雑な作品にもとりかかりやすいという。「アクセスしやすい立地とはいえ、制作中の作品を持って移動するのは面倒です。ロッカー型と大型のストレージがありますから、完成するまでご利用ください」。
土地柄、ベンチャーキャピタルが多く、チャンスを得やすい環境といえるテックショップ。いずれ大きなイノベーションが生まれるかもしれない。
テックショップ
さて、これだけ出来ることがあると目移りしてしまうが、次回は3Dプリンターやレーザーカッターなど、常設されているハイテクマシンの簡単な使用方法をレクチャーしてもらう。アイデアをカタチにする下地をまずは身に付けよう。
 
[ショップデータ]
テックショップ
住所:東京都港区赤坂1-12-32アーク森ビル3階
電話:03-5797-7110
営業:10:00〜23:00(土日10:00〜21:00)
定休日:不定休(年末年始、ビル休館日など)
www.techshop.jp
藤巻 健治=撮影 金井幸男=取材・文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。