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2019.03.20

ライフ

工業製品的デザインがイカすビーバイオが覆す「エコ洗剤は汚れが落ちない」説

楽しい「日“洋”品」案内
その名の通り日々の「用」をこなすための日用品。それが、日本では見られないデザインや機能を備えた“洋モノ”になると気分が上がる。男にとって日用品ってそういうもん。春の新生活に向けて集めてきました、世界の役立つ「日“洋”品」。
可愛らしい花柄のデザインも、ファンシーな色使いも一切ないこちらは、この冬日本デビューを果たしたカナダのブランド「ビーバイオ」の洗剤。

プロっぽいインダストリアルなパッケージデザインは、オッサンの物欲をピクピクっとくすぐる格好良さがある。しかもその正体は世界最高峰にエコな洗剤だという。
さらに、エコな洗剤って一般的に「汚れが落ちない」という定説があるが、海外のさまざまな一流ホテルや病院でも採用されるビーバイオは、日本ではまだ一般的ではないある“秘密”によってその定説も覆すというから、気になって詳しい話を聞いてきた!
 

ほかの洗剤とは「洗い方」から違う!

一般的に洗剤が汚れを落とすメカニズムは大きく3つ。
1:アルカリ性の汚れは酸性洗剤を、酸性の汚れにはアルカリ性洗剤を使って中和し、いわばプラスマイナス・ゼロにすることで強固に結びついている汚れをほぐす(分解する)。
2:さらに石油系の界面活性剤(※1)で、例えばトイレの表面から浮かせたところを水で流し落とす。
3:それでもダメなら洗剤に含まれている石油系の溶剤が強制的に汚れを分解する。
現在販売されているほとんどの家庭向け洗剤には上記のような石油由来の成分が含まれている。だから人体にも環境にも負担がかかるわけで、成分を強くすれば負担は高まり、優しい成分にすれば洗浄力は低くなる。
しかし、それらの洗剤とまったく違うメカニズムで「人や環境への負担は低く、しかし洗浄力は高く」を実現しているのが、カナダで主にプロ向けの洗剤を製造するビーバイオの「D-Cleanly(ディ クレインリー)」と「W-Cleanly(ダブル クレインリー)」だ。
[左]ディ クレンリー[右]ダブル クレンリー ともに250ml 各980円/ともにビーバイオ https://secure.shop-pro.jp/
この洗剤は環境に悪影響を及ぼす石油由来の成分は使っておらず、PH値も無害な中性。しかも石油由来の溶剤も使っていない。
では、いったいどうやって汚れを落とすのか?
 

「汚れが落ちる」と「家族に安心」を両立する微生物のチカラ

聞けば、天然由来の界面活性剤で汚れを浮かし、酵素で分解し、そして洗剤の中で生きるバイオ(微生物)が分解した汚れを「食べる」というのだ。
*再生可能資源で作られ、生分解性が高く&毒性が低い界面活性剤。
そんな都合のいい酵素やバイオがあるの?と思うかもしれないが、2015年にノーベル賞を受賞した大村 智教授は、有益な微生物を求めて出かけるときはいつもポケットに小さなビニール袋を忍ばせていた、というのは有名な話。つまり探せばあるのだ。
そして、世界の湖の半分以上があり、海岸線が世界一長いと言われるカナダは、世界有数の微生物の宝庫でもある。
それゆえにカナダのバイオ生物学は世界一進んでいると言われ、ビーバイオを立ち上げたイニュサイエンス社も、カナダの大自然から発見した3000種以上もの微生物を保有している。
 

カナダとヨーロッパでは超有名。しかし日本で無名なワケは

EU圏内で流通・販売するために必要な取得が必要な「EU エコラベル」。
この微生物を使った各種洗剤は世界一厳しい基準と言われているEUの「EU エコラベル」を全製品でクリア、それどころか多くの製品でEU エコラベルの基準を大きく上回り、その技術力がカナダ政府から表彰されるほどのエコ企業なのだ。
微生物を使った洗剤開発の功績が認められ、カナダの政府機関であるカナダ自然工学研究機関より「2018イノベーション協同賞」を受賞し、カナダ総督・ジュリー・ペイエット氏と握手するイニュサイエンス社のアリ・カデミ医学博士[写真左]。
そんなカナダの有名企業の洗剤がなぜ日本で知られていないかといえば、微生物を使った製品であり、洗剤としての高い安定性(洗浄力とその持続性)を保つのが難しく、大量生産に向いていないため。
これまで日本に入っておらず、北米やヨーロッパでも主にB to B、つまりプロ向けにしか販売されていないことにある。
膨大な研究期間と試験を経て開発されるビーバイオ製品。高い洗浄力と環境性の両立を求められる北米やヨーロッパのプロ向けの洗剤開発を主に行う。
プロが使うにあたって洗浄力が高いことは必須条件、そのうえで、人体への影響も細心の注意を払うさまざまな場所で使用されているのだ。
カナダ国内では70%の公立学校と50%の公共機関に納入しており、イギリスの名門ホテル「ザ リッツ ロンドン」や「ヒルトングループ」、さらにイギリスの国会議事堂やフランスの大手スーパーであるカルフールでも導入されるなど、世界62カ国の国と地域で彼らの製品が流通している。

国内で買えるのは1ショップのみ、使えるのは3週間限定

そんなイニュサイエンス社の洗剤が、ようやく日本でも販売開始したのは昨年末。とはいえ基本はB to B。一部の「どうしても」という声に応えて、ビーバイオのブランドサイトと、それ以外ではECサイト「うさマート」でのみ個人向けの250mlサイズが販売されているのだ。
そうそう、この洗剤は水で10倍から20倍に薄めて使うが、中で微生物が生きているので、水道水で薄めたら3週間以内に使うのがブランドのオススメ(薄める前は4〜5年使用可能)。バイオテクノロジーゆえのタイムリミット付きとはいえ、除菌や防臭機能もあるので、排水溝にもトイレにも、いろんな所に“シュッ”とできる。
カナダの最新のバイオ技術が使われ、ヒルトングループでも使っているプロ御用達の洗剤と聞けば否応なく気分はアガるし、何よりその汚れの落ち具合に驚くこと間違いなしだ。
オッサンたちよ、こんな話を聞いたらもう、掃除をしない言い訳は、できませんよ?
[問い合わせ]
ビーバイオ
https://secure.shop-pro.jp/
[商品の購入]
うさマート
https://usamart.shop/ pages/lp_be-baiosale_2019.html
※1:互いに弾き合う水系と油系を混ぜ合わせる、つまり汚れをほぐす成分。
籠島康弘=取材・文


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