妻からの「キツイひと言」読解講座 Vol.3
2019.03.14
LIFE STYLE

「もっと頭を使いなさいよ!」家事・育児の場面で、妻はなぜそんなに厳しい?

皿洗い

>連載「妻からの『キツいひと言』読解講座」をはじめから読む

夫たちが妻から言われた「キツいひと言」の裏側を、現役ママでもある筆者がひもとく本連載。第3回は、育児や家事の場面で妻から発せられた厳しいひと言をご紹介します。

妻たちには、夫がぼーっとしているように見えてしまう

「駐車場で遠い場所に車を止めており、車に向かって歩き始めたときに、妻から、自分だけ車を取りに行き、近くまで車を回してくるように言われた。そのときに、『もっと頭を使いなさいよ!』と言われショック」(42歳)

「僕が赤ちゃんをお風呂に入れたときに、傍らで見ていた妻から『いつもぼさっと見てるからできないんだよ』と言われた」(43歳)

最近のパパたちは、私たちの親世代に比べると、家事・育児に積極的な男性がとても増えていると思います。まったく家事も育児も妻に任せているという男性のほうが珍しいくらいですよね。それなのに、なぜか妻たちの夫に対する「家事・育児」の評価は低い。私の周りでも、そのことで自分の夫にイライラしているママたちは多いです。

それには、女性ならではの2つの特徴が関係しているように思います。

[1]女性は、身の回りのものを注意深く見て、細かい変化にもよく気がつく
[2]女性は常に最悪の事態を想定して、先々まで予測して行動を決める

まず、[1]のほうから、具体的に例を挙げて解説してみたいと思います。ママ友から先日こんな話を聞きました。

「夫に子供の着替えを頼むと、上の子と下の子の洋服をよく間違えるんです。2歳違いで確かに大きさは近いのですが、性別も違うし、下の子の服を上の子に着せれば、明らかにパツパツ。なのに、気づかず保育園に連れて行ってしまうんです」(7歳女子と5歳男子のママ)

また、よくママたちから聞く話として「夫に食器洗いをしてもらうと、汚れがいつも残っているので洗い直している」というのもあります。女性の場合、目に見えない油汚れが残っていないかなどは、常に注意して見ながら洗い物をしている人が多いと思いますが、男性にはその視点がない人が多いかもしれません。

子育て以外のシーンでは、例えば、相手の服装や髪型が少し変わっただけでも女性は気づくということもあります。「その服新しいねー」なんて、職場の女性同士で話しているシーンを見たことがあるでしょう。逆に、夫は妻たちの髪型が変わっても、新しい服を着ていても気がつかない人が多いですよね。

このように身の回りの細かいことに気がつく能力は、女性のほうが格段に高いと思います。それによって、子供が赤ちゃんの頃には、表情や泣き方で体調の変化などを察することができるのかもしれません。

これが、女性にもともと備わっていたものなのか、あるいは、子育てをする中でそういった能力がさらに磨かれていったのかはわかりませんが、この点において男女差があることは明らかです。

NEXT PAGE /

ママたちは瞬時に先の先まで考えている

次に、「[2]女性は常に最悪の事態を想定して、先々まで予測して行動を決める」について考えてみたいと思います。

例えば、よく聞くのが「夫が子供を外遊びに連れ出してくれたのはいいんだけど、まだまだ寒いのにTシャツ1枚で出かけちゃって。上着を持って行かなくて、夕方寒くなって、それが理由かはわからないけど、その夜熱を出した」といった話。

季節の変わり目で昼間と朝夕の気温差がある場合、女性は、まず天気予報を見て、夕方の気温をチェックしたり、カーディガンや上着などを必ず準備したりします。そして、もし夕方冷えてきたら、子供がまだ遊びたいと行っても、早めに帰ろうとすると思います。

また、子供の体調もよく見ているので、「ちょっと鼻水が出ているから風邪気味かもしれない」といったことにいち早く気がつき、今日は早めに帰ろうなどと考えたりするもの。さらには、今週の自分の仕事の予定も考えて、万が一月曜日に熱を出しても休めないから、今から母にヘルプを頼む手配をしておこうなどと、先の先まで考えて行動しているママは多いです。

冒頭で挙げた駐車場でのエピソードも、子供が何歳なのかはわかりませんが、例えば、子供が2歳くらいの男子で、買い物帰りでママがたくさんの荷物を持っていたとしたら、駐車場の中を遠くまで歩くことによって、車が行き交う中で子供が急に走り出すと危ないとか、そのときに自分は荷物をたくさん持っているから即座に止められないなとか、いろいろなことが瞬時に頭の中を駆け巡っているんです。

その結果、妻たちは夫の行動を「気が利かないな」と感じて、「もっと頭使いなさいよ!」という言葉が出てくるだと思います。とはいえ、男性側からすれば、一生懸命やっているのに急に怒られたと感じてしまいますね。

私も、子供を持つまでは、こうした男女の差を感じたことはあまりありませんでした。しかし、子育てというのは、より動物的な部分が発揮されるのか、男女の差がより見えてくるのかもしれません。

さて、この男女差は、おそらく埋めることができないので、諦めるしかないのですが、こういう言葉を妻からかけられた場合、どうしたらいいか。ママたちも、子供を守ろうという気持ちから出てきている言葉なので、多少キツイ言葉をかけられても受け流していただけると幸いです。

「ごめんね、気が利かなくて」とか「次から気をつけるよ」くらいの返事をするのがいいのではないかと思います。間違っても、ママに対抗意識を燃やしたり、理屈で返したりするのは、火に油なのでやめていただきたいと思います。

相馬由子=取材・文
編集者、ライター。合同会社ディライトフル代表。雑誌、ウェブ、書籍などの企画・編集・執筆を手掛ける。会社員の夫と、もうすぐ小学校に入学する娘の3人家族。ここ数年は、子育てをテーマにした仕事を数多く手掛けている。

MIYU=イラスト

ネオ・マーケティング=アンケート協力
※調査対象:35〜45歳、子持ちの既婚男性200人

# 喧嘩# 夫婦# 妻からの「キツイひと言」読解講座# 家事# 育児
更に読み込む