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2019.02.17

あそぶ

冬こそラウンドして上手くなる。ゴルフ好きが目指すは宮崎だ 【後編】

【前編】の記事はこちらから。

ゴルフ旅に打ってつけの巨大リゾート

宮崎市の東岸に位置し、太平洋に面した南北11km、700ヘクタールの黒松林に囲まれたリゾートの総称が「フェニックス・シーガイア・リゾート」(以下、シーガイア)である。宿泊施設、ゴルフコース、テニスクラブのほか、国際規模のコンベンション施設などを擁する巨大リゾートだ。ガチで広いよ。
そう、先の記事でレポートした名門コース「フェニックスカントリークラブ」は、シーガイアのなかにあるのだ。となれば当然、宿泊も同じリゾート内の「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」(以下、シェラトン)をチョイスするのが自然である。というか、ここ以外の選択肢はないと思う。
「フェニックス・シーガイア・リゾート」の中心部に立つ「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」。
「フェニックス・シーガイア・リゾート」の中心に立つ「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」。地上43階建て、高さはなんと154メートルだ。
シェラトンには多彩なゴルフプレー付き宿泊プランが用意されているという、実質的利点もある。しかしそれ以上に「ゴルフに打ってつけ」と勧める理由は2つある。
①ラウンド前の心を穏やかに整えてくれる宿泊施設
②プレーの余韻を長く、深く楽しむための大人の食事
もちろんシェラトンを含むシーガイアというリゾートには、ゴルフ以外の楽しみも多々ある。というよりこの巨大リゾートにないものはない、と言っても過言ではない。家族で来ても楽しい。もちろん冬以外の季節に来ても楽しい。
だが今回はあくまでゴルファー目線で、このリゾートの魅力について伝えていきたいと思う。本記事では上の2つの理由について明らかにし、みなさまのゴルフマインドに火を灯そうと目論んでいる。

全室オーシャンビューの圧倒的開放感

宮崎空港からタクシーで25分。美しい黒松林のなかにそびえ立つのが目指すシェラトンである。いやはや間近で見ると圧倒的。
1994年に創業したシーガイアは今年25周年を迎えた。
開業25周年を迎えたフェニックス・シーガイア・リゾート。もはや宮崎の顔的存在。2017年10月に大規模リニューアルが完了し、ますますその価値を高めている。
その36階以上のフロアは、今回のリニューアルで「クラブフロア」に一新。 宿泊客は36階の専用ラウンジ「シェラトンクラブ」 でチェックインを済ませることができる。うん、こういうゆったりした感じは実にいいね。プレミアム感極まるね。

クラブフロア専用ラウンジ「シェラトンクラブ」。奥にはダイニングスペースがある。
シェラトンクラブのダイニングスペースではAM6:30〜10:00まで、宮崎の良質な食材を中心に使用したブッフェ形式の朝食を用意。また時間によってティータイム、カクテルタイム、バータイムとその装いを変え、クラブフロアの宿泊客に寛ぎの時間を提供してくれる。いずれの時間も料金はフリー(宿泊費に含まれる)。滞在中はぜひこの「シェラトンクラブ」での時間も楽しんでもらいたい。
チェックインを済ませて部屋へ。宿泊するのは「クラブツイン・グランド」というタイプの部屋である。
今回宿泊した「クラブツイン・グランド」。
う〜ん広い! ツインていうかスイート感すらあるし。南国らしいイエローの壁は宮崎のフルーツ、マンゴーをイメージしたものだそう。圧倒的開放感の理由はこの広さと、窓から望む日向灘、すなわち太平洋の雄大さにある。
全室東向きのオーシャンビューというのがシェラトンの特筆すべき点ではあるが、高層階の部屋から眺める海の景色はまた格別。目の前の海から日が昇る。また夜も満月の前後5日間ほどは、ひとすじの月光が海面に映る“月の道”も見られるという。
あくせくとした日常はどこへやら。この部屋に用意されている回転式ソファに身を委ね海を眺めれば、静かな時間に包まれる。チェックインしただけで心が穏やかになるのだ。それが、ラウンドを控えた我々にとっていちばんのメリットであることは言うまでもない。
 

極上の宮崎牛を最も楽しく味わう方法

ゴルフが旅の目的ではあるが、宮崎は食の宝庫でもある。この地の味を楽しまないという手はない。魚も野菜もいい。だがしかし、宮崎グルメのチャンピオンは肉だと断言したい。肉=宮崎牛だ。
5年に一度開催される「全国和牛能力共進会」。“和牛のオリンピック”と称されるこの大会において、宮崎牛は最高賞である内閣総理大臣賞を3大会連続、通算4度受賞している。これは全国最多の数字。つまり、文字通り和牛のチャンピオンなのである。
この宮崎牛を最高に楽しく味わう方法として、オーシャンズは鉄板焼を推奨したいと思う。シェラトン1階の「ふかみ」を予約。さて、宮崎牛と対面しますかね。
右がミスジ、左がロース。
こちらはシャトーブリアン(ヒレの芯)。この希少部位を、 前編の記事に登場するブルックス・ケプカは1kg(!) 食べたという。
これは何? 宝石? 美しい赤身に霜降りがきめ細かく…… いや、本当に輝いてるんですけど。これが鉄板焼を勧める理由のひとつだ。「うわ〜」と素直に声を上げてOK。まずは食材そのものを目で楽しむというわけだ。
フォアグラもまずは目で楽しむと。
美しくカットされた地元野菜も良き。
この極上の素材を調理してくれるのは川原祐一シェフだ。軽妙なトークで場を盛り上げてくれる川原シェフは人柄もナイス。まずはフォアグラのグリルから。てかフォアグラが前菜って贅沢すぎ。

コクの深いマデラソースによりフォアグラの濃厚さが増し増しに。
……うまい。そうか、フォアグラって熱々だとこんなにうまいのか。シェフが扱う、鉄板焼専門のナイフとフォークの見た目は豪壮である。しかしながら、そのナイフ&フォークで巧みに焼き上げられた食材は、盛り付けも味わいも繊細そのもの。これが熟練の技か。
最初のひと皿ですでにノックアウト気味だが、主役は肉だ。宮崎牛だ。シェフは見事な手さばきでガーリックスライスを炒め、その香りを移したオイルで肉を焼いていく。

えーっとシェフ、肉が立ってまーす。そう、肉のサイドピラー(クルマかよ)にもじっくりと火を通していくのである。焼き上がりはこちら。
左はガーリックチップ、肉の下は薄切りの食パンだ。食パンはのちほど中にチーズと細かく刻んだ肉を挟み、両面をこんがりと焼く。名付けるなら“宮崎牛ホットサンド”か。言わずもがなそちらも絶品である。
ミディアムで頼んだロースを、アンデスの岩塩でいただく。……うまい。赤身の甘やかな香り、霜降りのコク。やっぱり肉って素晴らしい。少しもしつこいところがなく、あと口は爽やかですらある。恐るべきは宮崎牛、恐るべきはシェフの腕前である。
締めはガーリックライスか、名物の黒カレーをセレクト。どちらも甲乙つけがたいうまさであるが、オーシャンズはグルメ雑誌でもないのでこれ以上味について語るのはやめておこう。ぜひ貴兄の舌にて確認されたし。

先に書いたとおり、ここ宮崎でいちばん味わってほしいのは“楽しさ”である。「ふかみ」での食事はラウンドの前夜祭と位置付けてもいいし、もちろんプレーのあとに腹ペコで訪れてもいい。いずれにしても、気心知れたゴルフ仲間とともに賑やかに食べる宮崎牛こそ、最高の味であるに違いない。


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