オーシャンズとレジャー 37.5歳から始める大人の趣味入門 Vol.90
2019.01.30
LIFE STYLE

雪があるときどうすれば? スノーキャンプ、テント設営の正解例はコレ!

連載「キャンプは、冬がいい。」
アウトドア・ラバー諸君、キャンプは夏のレジャーだと思っていないか? 玄人たちは、口を揃えてこう言うものだ。「キャンプは、冬がいい」。極寒の世界で特別なレジャーに挑んでみよう。

北軽井沢スウィートグラスのマネジャー・玉井宏和さんから、連載1回目では「冬キャンプの魅力」、2回目は「防寒着とギア選び」を学んだ我々。いよいよ実践編に突入だ。


真っ白なフィールドにテントを広げ、ベースキャンプ作りを開始

ぬくぬくしたカフェスペース「アサマ・ヒュッテ」を出発し、テントサイトへ。天候に恵まれた快晴のなか、玉井さんから電源付きのスペースをすすめられた。お天気といっても、このときの気温は2℃ほど。例年よりはかなり暖かいが、東京に暮らす我々には慣れない寒さだ。

真っ白いフィールドのなかで、いよいよベースキャンプの設営が始まる。さて、玉井さん、何からはじめましょうか?

玉井さん

「今回利用する暖房器具は、ホットカーペットです。ストーブを使うときも同じですが、雪上で暖房器具を用いると、熱で雪が解けて、翌朝には水たまりになってしまうことがあります。断熱材をしっかり引きましょう。うちの施設では、テントの下に敷くスノコを1フィールド4枚まで貸し出していますよ」。

スノコ
ただし、今回はテントのサイズが大きく(ノルディスク アスガルド 12.6m)、翌朝の気温が下がることも見込んでスノコは不使用。まずはグランドシートを敷いてから、テントを組み立てる。氷点下の寒さにも関わらず、汗がじわじわと湧き出てくる。

テント設営

「うちのキャンプ場では、アドバイスはいくらでもするのですが、実際に手を貸すことはほぼありません。キャンプは自分の手で行うことが楽しいですからね。進めてみてください」。

そんな玉井さんの言葉を受けて、自分たちだけ黙々と作業に没頭する。


スノーキャンプの難点になるのは、ペグ打ち

夏キャンプと違いを感じたのは、ペグ打ちの大変さだ。冬の北軽井沢は-20℃近くまで下がる(この時はまだ最低気温が-5℃前後だったが)。土に含まれる水分も凍るため、地面はガッチガチ。さらにアイスバーンのように凍りついた氷もあり、なかなかペグが入っていかない。用意していたハンマーでは遅々として進まないのだ。

そこですかさず玉井さんは、薪割り用の1kgもあろうかというハンマーを貸してくれた。これが抜群に効果的。ハンマーを変えてから、作業はスイスイ進む。

スノーキャンプ3-1
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夏〜秋なら十分に打ち込める重さのハンマーなのに、ペグがなかなか入っていかない。
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薪割り用のハンマーに変えたら、たちどころに打ち込めるようになった。
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スタッフ2人掛かりでテント張りは1時間ほどかかった。夏のおよそ倍の時間である。苦労して建てたテントを眺めながらひとやすみ。

テント完成

付け加えておくと、撤収時のペグの引き抜きも苦労するポイントとなる。夜から朝にかけて気温が下がり、地面が凍りつくとペグがかなり抜きにくい。ピンタイプではなく、V字タイプがおすすめだ。ガッチガチに固まってしまった時は、余っているペグを使って、ねじりながら抜くようにしよう。

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翌日水没しないために。テント内の熱を地面に伝えない工夫

ひと仕事を終えると、氷点下だというのに体はカッカと暑くなる。汗をかきすぎないよう、1枚長袖を脱いだら、次はテント内の整備にかかる。

「水没しないように、断熱材はできるだけしっかりと」。

そんな玉井さんのアドバイスを受けて、準備していた断熱材をドバッと投入。まずは厚さ1.5cmもある市販の断熱材のうえに、コールマンのマットレス、さらに普通のカーペットをプラス。その上にホットカーペットを敷き、マットを被せれば完成だ。

スノーキャンプ3-2v3
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まずは厚めの断熱材……
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次に、連結できるコールマンのフォールディング マットレス……
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カーペットを敷いて……
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ここで電気カーペットを導入……
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最後にカーペットを敷いたら……
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計5枚を利用して……完成!!
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テントを入り口から向かって左右に分けてレイアウト。右はリビングスペース、左はコット(組み立て型の簡易ベッド)を置くスペースにした。

テント内レイアウト

足先が冷えないようにテントシューズを履いて、リビングに上がる。

テントシューズ
もこもこのテントシューズ。寝る時の足先の冷えも防いでくれる。

こ、これは超気持ちいい……! 断熱材を重ねたことで、クッションが出来上がり、さらに電気カーペットの暖かさが体に染みる。

その後、タープを立てて、キッチンを設置。焚き火台は、水平を保てるスペースを選んだうえで、テントとタープから離して置けば、テントサイトが完成した! 計2時間ほどを費やした作業。夏キャンプに比べると、手間がかかるが、それゆえに真っ白なフィールドに自分のベースキャンプが出来上がったときの達成感はひとしおだった。

テントサイト完成

「あくまで電気カーペットを利用した一例にすぎません。改善点を見つけて、工夫していくのも楽しいはずです」と玉井さん。確かに夏キャンプより一筋縄ではいかない分だけ、改良の余地がかなり多い。寒さ対策をいかに成功させるか、リビングをいかに快適にできるか。そんなカスタム感もスノーキャンプの醍醐味のひとつなのだと実感した。

さて、ここで時間は12:00を回ったところ(なお、通常北軽井沢スウィートグラスのアーリーチェックインは9:00〜〈有料〉、通常は13:00〜。取材時は早めに設営を始めた)。

次回は、スノーキャンプならではのアソビを体験。雪山の中にいる動物たちの痕跡を辿る「アニマルハンター」に参加する。手順を知っていれば、自分たちでも試せるアクテビティである。乞うご期待!


>1回目「スノーキャンプの魅力と注意点」を読む
>2回目「防寒着とギア選び」を読む

【取材協力】
北軽井沢スウィートグラス
住所:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1990-579
電話番号:0279-84-2512(予約センター)※水曜定休
※営業時間・定休は季節により変更
https://sweetgrass.jp

芋川 健=取材・文 澤田聖司=撮影

# オーシャンズとレジャー# スノーキャンプ# テント# 断熱材
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