オーシャンズとレジャー 37.5歳から始める大人の趣味入門 Vol.89
2019.01.29
LIFE STYLE

極寒をぬくぬく過ごすために。冬キャンプのプロに防寒着のコツを学ぶ

連載「キャンプは、冬がいい。」
アウトドア・ラバー諸君、キャンプは夏のレジャーだと思っていないか? 玄人たちは、口を揃えてこう言うものだ。「キャンプは、冬がいい」。極寒の世界で特別なレジャーに挑んでみよう。

夏、秋と経験を積んだキャンパーにとって、スノーキャンプは憧れのひとつ。白銀世界を目の前に焚き火にあたったり、熱々グルメで体を温めたり、その感動はひとしおだ。

とはいえ、極寒のフィールドで凍えて震えてしまうなんてナンセンス。“寒さを楽しむ”とはいえ、せっかくの楽しみが半減してしまう。はたしてスノーキャンプビギナーはどのような対策をして、最大限遊びに興じるべきか? 答えを探すために訪れたのが、スノーキャンパーが押し寄せるという「北軽井沢スウィートグラス」だ。

キャンプ場

連載1回目、マネジャーの玉井宏和さんに魅力と基礎的な注意点を聞いたが、今回は「防寒のための服装とギア」について。

浅間山を望む北軽井沢スウィートグラスは、例年冬は最高気温0℃前後、寒い時には−20℃に達するという。家族を連れてのキャンプを失敗させないためにも、万全の準備を整える基礎を身につけよう。


空気を溜め込むレイヤードは必須、“濡れない”工夫も大切

先人の知恵を借りるのが一番。ということで、極寒のフィールドでの服装は何に気をつければいいのでしょうか?

「僕は北海道出身で寒さに強いので、それは差し引いて受け取ってほしいのですが(笑)」と言いつつ、玉井さんが見せてくれた全身コーデはコチラ。

極寒のフィールドでは、レイヤードで空気の層を作って保温をするのが基本中の基本。

パッと見だと薄着に見えるが、これでもトップスは5枚、ボトムスは3枚を重ね着している(ちなみにこの時、気温は−2℃)。「スタッフの中には、トップスは7枚、ボトムスに5枚着込む人もいます」。レイヤードで空気の層を作って保温をするのは基本中の基本。降雪の少ない関東圏では、ダウン1枚で事足りることもあるが過信は禁物だ。

玉井さんが、トップスでとくに注意しているのは肌着。汗を溜め込まないアンダーウエアの上に長袖2枚を重ね、さらにライトダウン、高い防風性を誇るアウターを羽織っている。

スノーキャンプ2-1
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肌着には、高い保温性と汗の吸湿性を誇る、ポリエステル100%のジオライン(モンベル)を着用。
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空気の層を作ってくれるライトダウンを着込み、そのうえでアウターを着用している。
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また、ボトムスはティートンブロスのパンツの上に、防風仕様のシャカシャカパンツ、そしてノースフェイスのレインテックスクラウドパンツを重ねる。また、−35℃でも対応しているというテバのブーツは足先からの冷えを防止する。

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パンツは三層構造。アクリル80%、ナイロン10%、ウール10%のティートンブロスのディーバモンペパンツで暖かさを担保。こちらも見事に空気の層を作る構造だ。
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スポサンのイメージの強いテバだが、こちらは本ブランドの名作スノーシューズ。取り外し可能な断熱材インナー搭載で、濡れたら乾かすことができるのもメリット。
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さらに気をつけるのは“蒸れによる濡れ”だそう。零下の環境とはいえ、テント張りや焚き火、さらにテント内で暖房器具を使えば、気づかないうちに汗をかく。着込みつつも、効率的に汗を排出することが求められる。体温調整ができるようなレイヤード、そして濡れたら着替えられ準備を周到に行うことが大切なのだ。

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テントはコットン素材がベター。普通のテントも可だが、暖かさが違う

続いて聞いたのは、ギア選び。夏・秋と使ってきたキャンプ用具をそのまま使う……なんてことは難しい? と思っていたが、降雪や寒さに対応する4シーズン用ではなくとも、普段のテントでもできるのだという。

「ただ、快適性という意味ではシャカシャカしたポリエステルのテントよりも、コットン素材やポリエステルとコットンを混紡したポリコットン素材のテントが向いています。理由は2つ。コットン素材は、熱を貯めこみ、熱に強いから。保温性が高いのはもちろん、テント内で暖房器具を使うため、万が一のときに火がつきづらいこともポイントです」。

「テクニカルコットン」という名称の素材を使った、ノルディスクのテント「アスガルド」の生地。
今回取材で使用したノルディスクのテント「アスガルド」の生地。「テクニカルコットン」という名称の素材で、ポリエステル65%、コットン35%が混紡されている。

コットン生地といえば、ノルディスク、テンティピ、テンマクデザインといったブランドがメジャーだ。


暖房器具はどれを使う? ビギナーは背伸びせず、電気カーペット&電気毛布を

とはいえ、テントをコットン製にしただけでは、暖かさは知れたもの(というより、保温性が高いだけなので、零下のままだ)。ここで登場するのが、暖房器具というわけ。

暖房器具は主に3種類。①火事の心配の少ない「電気カーペットや電気毛布」、②十分な暖かさが得られる「石油ストーブ」、③暖房力の高い「薪ストーブ」だ。極寒となると①だけでは心許ないが、キャンプ場によって②③が禁止されている場合もある。

エクストリームな環境だけに、それ相応の覚悟は必要だが、無理は禁物。気持ちをビシッと整えて、次回からいよいよベースキャンプの設営を開始する! はたして、初めて雪上でテントを立てるのには、どんなコツが必要か? 待て、次回!


>1回「スノーキャンプの魅力と注意点」を読む

【取材協力】
北軽井沢スウィートグラス
住所:群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢1990-579
電話:0279-84-2512(予約センター)※水曜定休
※営業時間・定休は季節により変更
https://sweetgrass.jp

芋川 健=取材・文 澤田聖司=撮影

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