2018.12.22
LIFE STYLE

ハワイ島で世界の自然を“ほぼ全部”味わう2019年ハワイの旅。ついでに宇宙も……

“じゃないほう”のハワイに、40代が旅に出る理由
正月×芸能人=ハワイ。それに憧れるわけじゃないが、三が日くらい日常から離れて静かに過ごしたい気持ちはよくわかる。ならばいつものオアフではなく「ハワイ島」を目指すがいい。
通称「ビッグアイランド」には、ほかでは味わえないメローな時間が流れているから。そんなハワイ島の魅力を3回にわたってお届け。第2回は「全身で地球を感じる自然」の紹介だ。行けない人は、来年に向けた妄想の材料に……。

>ハワイ島 第1回「リゾート編」はこちら

初めてハワイ島を訪れる人は、着陸時、窓から広がる滑走路周辺の風景に驚くだろう。真っ黒な大地は、この島が溶岩という自然の営みによって創られていることを物語る。

そして、この雄大な自然こそ、ハワイ島の大きな魅力なのだ。

ハワイ島の別名は「ビッグアイランド」。その面積はハワイ諸島のほかの主要7島の総面積よりも大きい1万432㎢。四国の半分に匹敵する。島内一周ドライブは丸1日かかると見ておいたほうがいい。

ハワイ島では年に一度、アイアンマン世界選手権が行われる。雄大な自然を背景に、ランやバイク、スイムで極限にチャレンジ。
ハワイ島では年に1度、アイアンマン世界選手権が行われる。雄大な自然を味わいに世界中から人が訪れ、ランやバイク、スイムで極限にチャレンジする。

しかし、1日かけてハワイ島の自然を堪能するだけの価値はある。なぜなら、ハワイ島の自然は、まさに地球をまるごと感じられるものだから。オーバーと言うなかれ。世界には大別して13の気候区分が存在すると言われるが、ハワイ島にはそのうちの砂漠気候と氷雪気候を除く11の気候が存在しているのだ。

ハワイ島の大自然を巡っていると、1日で晴天や雨、寒暖の差などを体感することができる。当然、その気候区分に応じた多様な自然が顔を覗かせる。

そんなハワイ島の大自然を満喫するために、押さえておきたい4つのスポットを紹介しよう。


■ワイピオ渓谷
歴史と神秘を感じる、王家も愛した緑の谷

まず訪れてほしいのが、崖に囲まれて海に面したワイピオ渓谷。カメハメハ大王が幼少期を過ごし、洞窟には古代の王が埋葬される聖地で、「王家の谷」とも呼ばれている。

ワイピオ渓谷では、ハワイの主食であるタロイモが栽培されている。
ワイピオ渓谷では、ハワイの主食であるタロイモが栽培されている。

「マナ」と呼ばれる神秘の力に守られた土地とされ、ハワイ島では「双子が生まれた、片方はワイピオ渓谷で育ち、片方は別の場所で育った。大人になったとき、ワイピオ渓谷で育ったほうが、体つきも大きく、立派になっていた」という伝説があるほどのパワースポットだ。

展望台から眺めると、その雄大な景色に圧倒される。11の気候区分が存在するハワイ島の中でも雨が多い地域で、緑が豊かな土地。晴れた日も素晴らしいが、少し雨が降ってモヤがかかった瞬間は、聖地らしい神秘的なパワーを感じることができる。渓谷に降りることもできるので、全身で瑞々しいハワイの緑とマナを感じてほしい。


■アカカ滝
熱帯雨林を抜けた先にある、130mの大滝

前述したとおり、ハワイ島は11の気候区分が存在する火山島。場所によっては雨が少ない火山大地で、植物がまったく育たない場所もあれば、雨の恵みで豊かな自然を育む土地もある。ハワイ島で最も有名な滝「アカカ滝」は、後者の代表だ。

アカカ滝州立公園の駐車場料金は5ドル、人の入場料金は1ドル。
アカカ滝州立公園の入場料金は1人1ドル(駐車場代は1台5ドル)。

アカカ滝の周辺は「アカカ滝州立公園」となっており、駐車場から遊歩道で展望台を目指す。この遊歩道が、まさに熱帯雨林。野生のシダ類やバナナ、ラン、そして竹林が道の間近まで生い茂り、ちょっとしたジャングルトレッキングを味わえる。

遊歩道からの長めはまさにジャングル。
遊歩道からの眺めはまさにジャングル。道は舗装されているので歩きやすい。

遊歩道を約600m歩くとアカカ滝の展望台に到着。130m以上の落差と雨が多い気候が生み出す豊富な水量は大迫力だ。

滝を凝視すること20〜30秒。視線を外すと周りの風景が動いて見える。
落差130m以上の滝を凝視すること20〜30秒。視線を外すと周りの崖がゆっくり動いているように見える。実はこれ、滝の動きに慣れたことによる目の錯覚なのだとか。なかなか面白い体験だ。

日中、光の量や当たり方によっては滝壺に虹が現れるので、ぜひ目をこらして見てほしい。

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■キラウエア火山
世界自然遺産に登録された火山で感じる、地球の“呼吸”

アカカ滝から車で約1時間。ハワイ島の大自然のなかでも、最も地球を感じられるスポットが「ハワイ火山国立公園」。世界最大のマウナロア火山と、世界一活発なキラウエア火山を含む国立公園だ。面積はオアフ島に匹敵するほど広大なので、マウナロア側、キラウエア側のどちらかに絞って見学するのが良いだろう。

オススメは、世界自然遺産に登録されているキラウエアだ。キラウエア火山は2018年5月初旬に噴火し、その影響でハワイ火山国立公園は閉鎖。被害は住宅街にまで及び、日本でも大きく報道された。その印象が強く「危険では?」と敬遠するかもしれないが、現在は安全が確認され、2018年9月22日から4カ月ぶりに再オープンしている。

見所は、キラウエア火山の巨大なカルデラに存在するハレマウマウ火口だ。5月の噴火前は「オーバールック・クレーター」と呼ばれる溶岩湖があり、マグマも目視できたが現在は噴火の影響で溶岩湖は枯れ、黒々とした溶岩に覆われた火口を見ることができる。巨大カルデラと至る所から噴出される水蒸気は、地球の“呼吸”を感じさせる。まさに、ここでしか見られない地球の姿だ。

巨大なハレマウマウ火口。ここには火の女神「ペレ」が住むと言われている。
巨大なハレマウマウ火口。ここには火の女神「ペレ」が住むと言われている。

この水蒸気は「スチームベント」と呼ばれ、キラウエアの観光名物。岩石に染みこむ地下水が溶岩によって熱せられ水蒸気となり、噴気孔から地表に吹き出す現象だ。駐車場には近くまで近寄れる噴気孔もあるのだが、周囲を見回すと、それ以外にもさまざまな場所から白煙が立ち昇っている。

「ペレの吐息」とも呼ばれるスチームベント。
「ペレの吐息」とも呼ばれるスチームベント。至る所から噴出しているが、ビジターセンターからキラウエア火山の研究と紹介を行うジャガー博物館に行く途中のものが特に圧巻だ。

キラウエアの観光は多岐にわたるが、車好きのオーシャンズ世代なら、「チェーン・オブ・クレーターズ・ロード」でのドライブを楽しんでほしい。公園から海へと続く約30kmの道路で終点は溶岩によってせき止められている。車窓に映る延々と続く溶岩台地には圧倒されるはずだ。

火山大地にも植物は根付く。それが、オヒアの木でレフアという赤い花をつける。
火山大地にも植物は根付く。写真に映るグリーンはオヒアという木で、レフアという赤い花をつける。

その荒涼とした光景は、アカカ滝で見た緑豊かな地球の慈悲深さとは打って変わり、すべてを焼き尽くす無慈悲さを感じさせる。1人佇んでいると、まるで、人類が滅亡したあと、地球にひとりぼっちになったような気分に。

余談だが、この火山岩をお土産で持ち帰るのだけは辞めて欲しい。なぜなら、ここに住む女神、ペレの怒りを買ってしまい、その身に不幸が訪れると言われているからだ。実際、ハワイ火山国立公園のビジターセンターには、持ち帰った人がその石を送り返してくるケースが多いという。


■マウナケア山
人生観を変える、世界で最も宇宙に近い場所

地球そのものの姿を思わせるハワイ島のさまざまな自然。その集大成は、地球に住む我々が宇宙の一部であると感じさせてくれる体験だろう。

標高4205mのマウナケアは、ハワイ諸島の最高峰。晴天率が高く空気も澄んでおり、人工の明かりの影響も受けにくいなど、世界で最も天体観測に適した場所とされている。日本を始め世界11カ国の研究機関が天文台を設置していることからも、条件の良さがうかがえる。

もし、新月に天体観測ができたら、その光景は一生忘れられないものになるはずだ。文章表現ではよく使われるが、まさに「見渡す限り満点の星空」なのである。正直、プラネタリウムよりも星が多いと感じた。特に、肉眼で見る天の川には、息を呑むという表現がピッタリ。

真ん中に移る帯状の白いモヤが天の川。山頂でなくても圧巻の星空だ。
真ん中に移る帯状の白いモヤが天の川。山頂でなくても圧巻の星空だ。

星が集まり帯状の白いモヤのように見える。美しいのもさることながら、そのモヤが星一つひとつであることに、宇宙の広さを感じずにはいられない。

マウナケア自体はレンタカーで訪れることもできるが、ある地点以上から山頂までは、舗装もされておらず、レンタカー会社の多くは走行を許可していない。ベストの状態で星空観測をするなら、ホテルや旅行会社のツアーを利用したほうが無難だ。


ハワイ島の人智を超えた大自然で、自らをリセットして振り返る

ハワイ諸島は、もっとも近い陸地から3000km以上離れている。いわば、大陸から隔絶された絶海の孤島群だった。なかでも面積が最大のハワイ島は、オアフ島などに比べると大規模な開発が行われていない。

地球の力強さや宇宙の広さを体感することは、自らの小ささを実感することにもつながる。日々、仕事にプラベートに忙しい毎日を過ごしているオーシャンズ世代。人智を越えた存在に触れることで、これまでの自分をリセットしてみてはいかがだろうか。

[取材協力]
ビッグアイランドクレスト
https://hawaiicrest.com


山本佳代子=撮影 笹林 司=取材・文

# ハワイ# ハワイ島# ビッグアイランド# 自然
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