2018.11.21
LIFE STYLE

平山祐介の推薦図書① 俺の憧れる男の姿はここにある『ワイルド・ソウル』

オーシャンズゆかりのモデルたちはどんな余暇を過ごしてる? 彼らの普段見えない部分を取材する企画の一人目は、俳優としても引っ張りだこの平山祐介さん。“本の虫”としても知られる彼に聞いた、オーシャンズ読者が絶対にハマる推薦図書とは?

数あるジャンルのなかでも“ハードボイルド”を特に好む平山祐介さんだが、曰く、垣根涼介の描く『ワイルド・ソウル』がその頂点。「色気」や「艶っぽさ」。インタビュー中に何度も強調されたこのワードのなかに、ユースケさんが目指す男の理想像を垣間見た。

ということで、今回はユースケさんの「人生に強く影響を与えた本」のひとつ、『ワイルド・ソウル』の魅力について聞いた。

『ワイルド・ソウル 上・下』
垣根涼介・著/幻冬舎
ブラジルの土地を開墾すれば豊かになれるという政府の謳い文句で南米に渡った4万人以上の日本人。彼らが目にしたあまりに壮絶で過酷な現実とは? 日本政府に裏切られて死んでいった同胞たちへのレクイエム。今、彼らの息子たちによる政府への復讐劇が始まる。

──さっそくですが『ワイルド・ソウル』の魅力を教えてください。

平山「これはもうむちゃくちゃカッコいい本なんですよ。ブラジルに移民した日系人の話を、僕はこの本を通して初めて知りました。初めて読んだときは本当にショッキングだったし、フィクションとしてだけど、日系2世が日本政府に仕返しするというストーリーがすごい。

日系2世が日本政府へ仕返しをしに帰ってくるという話を軸にしながらも、クルマだの武器だの女だのっていう描写がすごくセクシーで。単純に憧れです、この小説の世界観は」。

──ユースケさんが憧れる「世界観」ですか。

平山「主人公たちが乗るクルマの性能や選ぶ武器の性能。『こういう理由でコレを選ぶんだ』というのが、しっかりバックグラウンドとして書かれているからすごく説得力があります。ちなみに、今『誰か好きな作家を一人挙げろ』って言われたら、僕は垣根涼介を選びますね。この人はハードボイルドを書かせたら本当にピカイチだと思います」。

──実際に影響を受けたのはどういうところ?

平山「『男としてこうありたい』っていうのを教えてくれた本ですね。目的意識を明確に持った生き方というのかな。男として、こうやって人生を全うする生き方もあるんだなって。同じようには生きられないけど、こんなふうに生きられたら本望だなって思わせてくれる本ですね。

やってることは日本政府への復讐なんだけど、ブラジル育ちの主人公たちのラテン気質が小説全体を明るくしてるし、テーマは重いのに辛気臭くないんですよね。それが羨ましい。いつか、この登場人物みたいな男を演じられたらいいなと思ってます」。

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──垣根さんは犯罪者を主人公にすることが多いですよね。

平山「そう。やってることは法的には悪いことでもあるんだけど、それまでの経緯を考えると『こうするしかないよな』って応援したくなっちゃう。弱者への暴力じゃなくて、体制に向かって自分の意思を発したい、筋を通したいっていうことだったりするから」。

 

──ユースケさんはよく「色気」とか「艶っぽさ」に触れますけど、それらの魅力ってどうすれば生まれるものなんでしょう?

平山「生まれつき兼ね備えている人もいると思うし、生い立ちが関係している人もいると思う。けど、そうじゃない人もいると思う。生きていくなかで、色々と疑問を感じて物事を考えたり、何かを吸収したりすることで人間に『厚み』が出てきます。そこで『色気』が生まれてきたりするのかもしれない。のほほんと生きているとそのまま、何も変わらない。それも幸せの一つだとは思うんですけどね。

『色気って何だろう』って聞かれても、僕も正直分からないです。でもそれが、いつか知らず知らずのうちにでも、自分がまとえられたらいいですね。『色気はこうすれば出る』っていうのが分からないからこそ、欲しいし、悔しい。

だから、『ワイルド・ソウル』の主人公に憧れるんですよ。彼らは色気のある男になろうとなんかしてないから。どういう男が艶っぽいかなんて、きっと考えたこともない人たち。結果、そうなってるから色っぽいんですよね。そうなりたいって思ってるうちはきっとなれないでしょうね(笑)」。

 

ふむ。ユースケさん自身が自らの艶っぽさに無自覚だった、というのも貴重な発見。次回は同じく、ユースケさんが人生で強く影響を受けた本のひとつ、百田尚樹著『永遠の0』(講談社)について熱く語る。

清水健吾=写真 TAKAI=ヘアメイク ぎぎまき=取材・文

# ワイルドソウル# 小説# 平山祐介
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