──垣根さんは犯罪者を主人公にすることが多いですよね。
平山「そう。やってることは法的には悪いことでもあるんだけど、それまでの経緯を考えると『こうするしかないよな』って応援したくなっちゃう。弱者への暴力じゃなくて、体制に向かって自分の意思を発したい、筋を通したいっていうことだったりするから」。
──ユースケさんはよく「色気」とか「艶っぽさ」に触れますけど、それらの魅力ってどうすれば生まれるものなんでしょう?
平山「生まれつき兼ね備えている人もいると思うし、生い立ちが関係している人もいると思う。けど、そうじゃない人もいると思う。生きていくなかで、色々と疑問を感じて物事を考えたり、何かを吸収したりすることで人間に『厚み』が出てきます。そこで『色気』が生まれてきたりするのかもしれない。のほほんと生きているとそのまま、何も変わらない。それも幸せの一つだとは思うんですけどね。
『色気って何だろう』って聞かれても、僕も正直分からないです。でもそれが、いつか知らず知らずのうちにでも、自分がまとえられたらいいですね。『色気はこうすれば出る』っていうのが分からないからこそ、欲しいし、悔しい。
だから、『ワイルド・ソウル』の主人公に憧れるんですよ。彼らは色気のある男になろうとなんかしてないから。どういう男が艶っぽいかなんて、きっと考えたこともない人たち。結果、そうなってるから色っぽいんですよね。そうなりたいって思ってるうちはきっとなれないでしょうね(笑)」。
ふむ。ユースケさん自身が自らの艶っぽさに無自覚だった、というのも貴重な発見。次回は同じく、ユースケさんが人生で強く影響を受けた本のひとつ、百田尚樹著『永遠の0』(講談社)について熱く語る。