37.5歳からの愉悦 Vol.66
2018.11.01
FOOD&DRINK

中野のカラオケバーで、ハロウィン仕様の看板娘にお菓子をあげた

看板娘という名の愉悦 Vol.38
好きな酒を置いている。食事がことごとく美味しい。雰囲気が良くて落ち着く。行きつけの飲み屋を決める理由はさまざま。しかし、なかには店で働く「看板娘」目当てに通い詰めるパターンもある。もともと、当連載は酒を通して人を探求するドキュメンタリー。店主のセンスも色濃く反映される「看板娘」は、探求対象としてピッタリかもしれない。

今年もハロウィンが終わった。積極的に参加したことはないが、たまたま入った店がハロウィン仕様だと多少はお祭り気分が味わえる。

中野駅北口の昭和新道。

渋谷が大騒ぎになった土日明けの10月29日。こちらの細い路地に浮かれた雰囲気はなく、腰が据わったいつもの飲み屋の風景が続く。

今回の舞台はこちら。

3ヶ月前にオープンしたばかりのカラオケバー、「座・Rocket」。「スタッフはほとんどが役者・歌い手」とある。飲み放題、歌い放題で90分3000円はかなり安いほうだろう。

中を覗くと看板娘の姿。

カウンター席に座ってメニューを見る。

なるほど、ショットでもいけるのか。

例によって、看板娘の好きなお酒を注文した。

「お待たせしました〜」

おっと、ハロウィン仕様だ。

黒霧島のソーダ割りもハロウィン仕様で。

「本当はコスプレとか苦手なんですけど、お店がハロウィンウィークなので」

Trick or Treatが6日間も続く。

こちら、古川結衣さん(22歳)。舞台をメインに活動する役者だ。

「高校1年の時に『南総里見八犬伝』の舞台を見て感動したんです。これをきっかけに、精肉店のバイト代を全部つぎ込んでいろんな舞台を見まくりました。卒業後は市村正親さんとかを輩出した舞台芸術学院に進学して、今に至ります」

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カラオケ好きで十八番は「木綿のハンカチーフ」だというので、さっそく歌ってもらった。

時代と国境を越えて混沌としてきた。
2番はお客さんが引き継ぐ。

歌い終わると、結衣さんは本来の姿に戻った。

「あー、恥ずかしかった……」
中野は演劇の街でもある。
9月に終わった舞台の共演者たちと。

さらに話を聞くと、結衣さんはかなりの酒豪だとわかった。

「こないだは、女友達3人で井の頭公園に行って昼間からチューハイのロング缶を何本か飲んで、夜は吉祥寺のラーメン屋さんでビールの中瓶を13本空けました」

家族もみんな酒飲みで、「最強はお母さん」とのこと。

「鏡月をグラスになみなみ注いで、炭酸水をちょっとだけ足したやつを延々と飲んでいます。風邪薬もそれで飲むんですよ。『このほうが効く気がする』って言って」

お母さん、看板娘のためにも長生きしてください。さて、お代わりはこれも結衣さんが好きだというハイボール。

「どうぞ〜」

あれ、さっきのお客さんがいつの間にかカウンターに入っている。

店のスタッフでした。

この男性は村田わたるさん(27歳)。東京よしもとの芸人さんでもある。結衣さんのいいところを聞くと「20個ぐらいありますよ」。

「気が利くし、やさしいし。あと古い歌をよく知ってるから、おじさんたちにかわいがられてますね」

こんどは、舞台役者の結衣さんに好きな女優を聞いてみた。

「たくさんいますけど、例えば沢尻エリカさんとか。周りに流されずに自分を持っているところが素敵です。私は波風が立たないよう、民意に従うタイプなので」

民意。沢尻並みの卑弥呼感を出してきた。

スマホの待ち受けは誰ですか?

「『東海オンエア』っていう人気の6人組YouTuberです。中学生の男子が休み時間にふざけてる感じのことをずっとやってて面白い」

バッキバキの画面ときれいなネイルが気になって、YouTuberの名前が頭に入ってこない。

「酔って飲み屋を出たときに、スマホを持ったまま『イエーイ!』って腕を振ったらスポッと抜けて地面に落ちちゃったんです」

ネイルのテーマは?

「ずばり、『一番安いコース』です。ネイリストの見習いみたいな人がいるサロンが六本木にあって、これは1000円でした」

ネイリスト見習いを「ジュニアネイリスト」と呼ぶそうで、1000円とはいえ施術には1時間ぐらいかかったという。

「でも、そのお姉さんもお酒好きで、新宿の美味しい飲み屋さんを教えてもらいました。新宿だと私はチェーン店しか知らないのでうれしかったです」

ちなみに、お酒以外の趣味はないのだろうか。

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「あ、趣味はディズニーです。9万円ぐらいする年パスを買って、月に2、3回ペースでランドかシーに行きます」

年パスを持っていない友達が毎回付き合ってくれる。

とにかくディズニー作品が好きで、その世界観をたっぷりと味わえるのが最高なんだそうだ。

「一番好きな作品は3周回って『シンデレラ』。性格がいい子は最終的に幸せになるんだなって。私は全然ピュアじゃないから、がんばろうと思います」

結衣さんに「ありがとうございます、取材終了です」と告げると、「いただいていいですか?」と言って差し入れの「東京ばな奈」に手を伸ばした。

秋冬限定版のコーヒー牛乳味。

取材が終わるまで食べるのを遠慮していたそうだ。結衣さん、十分ピュアだし、ガラスの靴も似合いそうですよ。さて、お会計をお願いします。

お見送りしてくれた。

では、最後に結衣さんからのメッセージを。

所属事務所のサイト(http://ym2agency.jp/yui.html)も要チェック。

 

【取材協力】
座・Rocket
住所:東京都中野区中野5-53-10 エイトゥリービル202
電話番号:03-5942-4922
https://twitter.com/The_Rocket0704

石原たきび=取材

# ハロウィン# 中野# 看板娘
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