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2018.10.22

ライフ

仕事の虫だったアートディレクターが、海の近くに移住したワケ

連載「37.5歳の人生スナップ」
人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。
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「辻堂は、ちょうどいいんです」。
都内の大手デザイン事務所で働く佐伯英範さん(41歳)は、辻堂の魅力についてそう話す。
辻堂海浜公園で開催された「THE GREEN GARDEN FESTIVAL 2018」。10月にしては強く照りつける日差しのもと、佐伯さんは「ブッシュクラフト教室」の先生役を務めていた。

「ブッシュクラフト」とは、最低限のギアだけで自然を楽しむアウドドアだ。この日は、着火剤や新聞紙を使わず、ナイフに薪、麻ひも、ファイヤースチールによる火起こしを、子供たちにレクチャー。ブッシュクラフトに参加するメンバーのほとんどは、ここ辻堂に居を構える。
「辻堂は人と人との繋がりが強くて、どんどん輪が広がっていくのが魅力なんです」。
「20代、30代は仕事しかしてこなかった」と話す佐伯さんが、辻堂へ移住したのは38歳のときだ。アートディレクターとして、大手メーカー製品やカフェなどのデザインプロデュースを手掛けるなど、忙しい日々を過ごすことは変わらないが、現在は辻堂から職場のある都内を往復している。30代後半で新天地での生活を決めた理由を聞いた。


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