2018.09.19
LIFE STYLE

エルメスによって生まれた、職人とアーティストの“芸術的冒険”の形

東京の銀座メゾンエルメス フォーラムにて、『「眠らない手」エルメスのアーティスト・レジデンシー展』が開催中だ。

アーティストと職人の技が出合う、エルメスの「アーティスト・レジデンシー」

『「眠らない手」エルメスのアーティスト・レジデンシー展』のDH・マクナブのクリスタル作品
DH・マクナブのクリスタル作品 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

エルメス財団が2010年から実施している「アーティスト・レジデンシー」というプログラム。エルメスのさまざまな工房に若手アーティストが長期間滞在し、エルメスの職人たちの卓越した技に触れ、さらにエルメスが製品に使うシルク、皮革、銀、クリスタルといった素材を扱うことで、新しい芸術作品を生み出すというものだ。

職人やアーティストの「動き」「しぐさ」に注目した「眠らない手」展

2017年のパリに続く開催となる東京・銀座でのアーティスト・レジデンシー展では、2014年から2017年の間にプログラムに参加した9人のアーティストたちの作品を紹介する。会期を二期に分けて、レジデンシー・プログラム中に制作された作品のみならず、過去の作品もあわせて展示し、アーティストたちとエルメスとの出会いを多角的に紹介している。

『「眠らない手」エルメスのアーティスト・レジデンシー展』のセリア・ゴンドルのテキスタイル作品
セリア・ゴンドルのテキスタイル作品 Célia Gondol, installation view ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

展覧会開催に先立って行われたギャラリートークには、キュレーターのガエル・シャルボーが登場し、今回の展覧会タイトルにある「眠らない手」について説明をした。職人やアーティストの「動き」や「しぐさ」に注目すると、その手は独立性を持っていると実感し、手が自由に動いて、そこに意識がついていっている印象を受けたとのこと。その次元を超えた手技へのオマージュが「眠らない手」に込められている。

第一期は扱う素材が異なる4人のアーティストが登場

11月4日(日)までの第一期で作品を紹介するアーティストは、セリア・ゴンドル、DH・マクナブ、クラリッサ・ボウマン、ルシア・ブルの4人。

フランス出身のセリア・ゴンドルは、原子力研究所の研究者の協力のもと宇宙地図の製図の手法を取り入れ、長さ40mのシルクにプリント。銀座メゾンエルメス フォーラムの会場中央に一部天井から吊り下げる形で大胆に展示している。サンルイのクリスタル工房に滞在したアメリカ出身のDH・マクナブは、滞在した環境が作品に大きく影響を与えている。サンルイ村の夜明けと夕暮れの地平線のヴィジョンをガラスに表現したものや、工房でクリスタルを扱う時に必要な煙突を象った作品を生み出した。

『「眠らない手」エルメスのアーティスト・レジデンシー展』のクラリッサ・ボウマンの作品とルシア・ブルの作品
(左)クラリッサ・ボウマンの作品 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès(右)ルシア・ブルの作品 ©Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

ブラジル出身のクラリッサ・ボウマンは、銀のスプーンを1本のワイヤーになるまで引き延ばした作品を展示している。地道なこの作業は、彼女のひとつの挑戦となった。ベルギー出身のルシア・ブルは、クリスタルを棒状にしたものを小さなキューブへと切断した作品のほか、鉛筆とボールペンのみで描いた巨大なドローイングで、反復運動を探求した、まさに「眠らない手」を体現した作品を展示している。

エルメスとアーティストによって生まれた、芸術的な冒険の形をぜひ会場で体感してほしい。

【開催概要】
『「眠らない手」エルメスのアーティスト・レジデンシー展』
会期:第一期=2018年9月13日(木)~11月4日(日) 第二期=2018年11月15日(木)~2019年1月13日(日)
時間:月~土曜日11:00〜20:00(入場は19:30まで) 日曜日11:00〜19:00(入場は18:30まで)
定休日:不定休(年末年始は「エルメス」銀座店の営業時間に準ずる)
場 所:東京都中央区銀座5−4−1 8階 銀座メゾンエルメス フォーラム
入場料:無料

# アート# エルメス# 展覧会
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