左脳を刺激する! オッサンIT化計画 Vol.45
2018.09.18
LIFE STYLE

気分はマジで’80s!昭和×ハイテクが合体したタイムリープ・ラジカセ

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気分はマジで’80s!昭和×ハイテクが合体したタイムリープ・ラジカセ

深夜放送のエアチェックや、好きな曲を集めたマイテープの作成など、あの頃のヤングたちに欠かせないアイテムだった「ラジカセ」。今も実家の押し入れに、せっせと録音したカセットテープが残っている人も多いことだろう。そんなテープたちに収められた懐かしの音源を、簡単にデジタル化してくれるのがCICONIA(チコニア)のラジオ/カセットプレイヤー「TY-1710」(希望小売価格:税込1万2960円)。外観から機能まで、笑えるほど“昭和”にこだわった注目のガジェットである。

素材から操作感まで、すべてにおいて懐かしいチープさを追求

アナログレコード復活に続き、カセットテープまで復活の兆しをみせている今日この頃。カセットのデザインや、チープな音質が「逆に」若い世代の間で面白がられているという。そんな風潮に応え発売されたのが、この「TY-1710」だ。

ラジカセに限らず、いわゆる「レトロ調デザイン」のガジェットは今や定番ジャンルだが、TY-1710は、その中でもかなりマニアック。とにかく細部へのこだわりがハンパない。

もっとも象徴的なのは、その質感だ。ケースはもちろん、スイッチやツマミ類に至るまで、むしろ「今どきどうやって製造するの?」と首をひねりたくなるほど、チープな仕上がりとなっている。

なめらかさに欠けるボリュームつまみや、ちょっと引っ掛かりのある切替スイッチが、良い意味でリアルに「昭和」を再現。“高級感”を演出するため、プラスチックに施された本革っぽいエンボス加工も「よくぞここまで!」と手を叩きたくなってしまう芸の細かさである。

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モノラル再生&オートリバース非対応が醸す、感涙のトリップ体験

機能面の“追求”にもぬかりはない。筐体を見ればわかるとおり、TY-1710は21世紀の音響機器とは思えないモノラルスピーカーを搭載している。冗談ではなく、本当にステレオ再生ができないのである。さらに、驚かされるのがカセットプレイヤー部の仕様。なんと、オートリバースに対応していないため、A面からB面への切り替えは手動で行わなければならないのだ。

実際のところ、現在30代後半から40代の男性がヤングだった1980年代当時のラジカセは、オートリバースはもちろん、すでにステレオ&多機能が主流だったはず。なので、TY-1710の仕様はオッサンから見ても「古すぎ」の感は否めないのだが、ビビッドな“懐かしさ”を演出するためには、これくらい時代を巻き戻す必要があるのだろう。

余談ながら取扱説明書に、鉛筆やボールペンを使った「テープがたるんでいた場合の直しかた」が紹介されていたのには、思わず笑ってしまいました(byビートたけし)。

それだけに、“懐かしさ”ではオーシャンズ世代のオッサンたちとっても、十分以上の満足度があるはず。押し入れに眠っていたカセットテープ(神田正輝『予感』)をセットし、モノラルスピーカーから流れるお世辞にもハイファイとは言えないサウンドを聴けば、気分はマジでエイティーズ。部活帰りに寄ったカヤマ君の家で観た「夕ニャン」や、初デートで食べた「山田うどん」の味などが、鮮やかに脳裏によみがえる。このトリップ体験だけでも、TY-1710を買う価値はあるな、と思いましたね。

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テープからデジタルへのダビングも「アナログ」感覚でGood!

……と、ここまでの紹介では、単なる復刻版ラジカセでしかないTY-1710だが、その真骨頂は21世紀の最新機能にもバッチリ対応している点にある。こう見えて、USBメモリやSDカードを使ったデジタル音源の再生/録音にも対応しているのだ。

もちろん、カセットテープのデジタル録音にも対応。再生や録音はMP3形式のみ対応で、デジタル録音時の音質も固定(録音データをPCで確認したところ128kbpsだった)されているが、それでも埋もれていたカセットテープの音源が、PCやスマートフォンで聴けるようになるのは、涙がちょちょぎれるほどうれしいはずだ。

まずカセットテープの録音開始部を頭出ししてから「ポーズ」で一時停止。そしてUSB側の「録音」ボタンを押し、さらにカセットのポーズを解除すると録音開始という、まさにラジカセ感覚の “ダビング”手順も、かなりのこだわり。オートリバースではないため、手動操作でA面とB面で2ふたつのファイルを作成する必要があるのも、デジタルとアナログが渾然とした感覚で、むしろ好感が持てる。

カセットテープをデジタル変換するための機器は当然ほかにも存在し、TY-1710よりも高性能で使い勝手が良いものも当然ある。音質にこだわる人なら、そちらを購入したほうが良いだろう。

一方、TY-1710の魅力は、デジタル変換の操作にまでこだわった、 “懐かしさ”の追求にあるといって良い。とんねるずのANNをエアチェックした「That’s」の120分テープ、レンタル店で借りたデュラン・デュランの新譜を録音するため思い切って買ったマクセルのメタルテープ……なんてフレーズに胸キュンしてしまう新人類なら、迷わずこちらを選ぶべきなのではないか、と軽い提言で本文を〆る筆者なのでR。

文=石C光三

# IT# オッサンIT化計画# ガジェット# ラジカセ
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