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2018.08.15

ライフ

【250文字読書感想文】凄いオッサンたちの頭の中身が覗ける6冊

あっという間に過ぎ去った2018年上半期で、37.5歳が読むべき、観るべき、聴いとくべき「本、映画、CD」を一気におさらい。楽しめカルチャー! 楽しめ夏休み!
人物評伝や自己啓発書、ノンフィクションなどは自分磨きに欠かせない。2018年上半期に話題となった、人生の羅針盤になりうる6冊ピックアップ。

国民的飲料カルピスを生み出した男とは?
『カルピスをつくった男 三島海雲』

山川 徹 著/小学館 1600円
「初恋の味」はどこからきたのか? 日本初の乳酸菌飲料カルピスは、貧乏寺で生を受けた三島海雲の手により、1919年に誕生。日本語教師として中国に渡ったのちに訪れたモンゴルで遊牧民の生活に触れ、そこで味わった乳製品がヒントとなった。今や誰もが知る国民的飲料の生みの親、会社の売り上げより国民の幸せを願った三島に迫る人物評伝。

忖度社会の日本を覆う、気味の悪い“気配”の正体
『日本の気配』 

武田砂鉄 著/晶文社 1600円
“空気を読む”姿勢が深刻化し、誰もが“気配”を察知することで自縛・自爆する時代に!? 一億総忖度社会の日本を覆う“気配”の正体を、「ムカつくものにムカつくと言うのを忘れたくない」という気鋭のライター、武田砂鉄が一刀両断。世を取り巻く「なんか気持ち悪い」状況を、政治、社会的事件、流行現象からあぶり出し、独自の視点で解説していく。

誰も知らない「未来」を、明るく迎える知の集積本
『さよなら未来 エディターズ・クロニクル2010-2017』

若林 恵 著/岩波書店 2200円
「未来」の捉え方を変えることでしか新しい未来は見えてこないーテクノロジー、ビジネス、音楽、出版をはじめとする、各界の最前線に触れてきた「WIRED」元編集長による7年間にわたる思索と発信の軌跡を集成した本書。そのボリュームはなんと500ページ超! 人文知の重要性を知る著者による、未来を明るく泳いでいくためのエールといえる。

今からでも発信者になれる、YouTubeによる成功の道
『YouTube革命 メディアを変える挑戦者たち』

ロバート・キンセル、マーニー・ペイヴァン 著/渡会圭子 訳/落合陽一 解説/文藝春秋 1800円
ジャスティン・ビーバーや、全世界で2000万部を売り上げた作家など、YouTubeによって人生を大きく変えた人たちのエピソードを紹介。これからYouTubeをビジネスに活用しようとしたり、ユーチューバーとして好きなコトで生きていきたいと考えている人には必読の書。同社の動画共有サービスが世間に与える影響力の大きさにも改めて気付かされる。

初めて明かされる、息子から見た天才漫才師
『父・横山やすし伝説』

木村一八 著/宝島社 1380円
20世紀を代表する天才漫才師、故・横山やすしを、息子の木村一八が初めて綴る1冊。突然「一八、飛行機を買いにアメリカへ行くぞ」と言ったり、最後の言葉が「愛人の面倒をよろしく」だったりと、明かされるのは知られざるエピソードの数々。息子曰く「なんじゃそりゃばかりの日々」から記される横山やすし伝に、51歳で急逝した男の生き様を見る。

野球とビジネスの現場で得た人を動かす言葉の数々
『そこそこやるか、そこまでやるか
パナソニック専務から高校野球監督になった男のリーダー論』

鍛治舍 巧 著/毎日新聞出版 1300円
パナソニック専務から高校野球部監督になった男のリーダー論。「上に立つより、役に立つ」「1人では何もできない。だけど、1人が始めないと何も変わらない」といった力のある言葉は、人を動かし、組織を動かし、自ら動くきっかけにもなる。そして格言の説得力は、監督就任3年で、率いる熊本・秀岳館高校を甲子園3季連続ベスト4に導いた事実が裏付ける。
 
甘利美緒、大内ゆみ、小山内 隆=文


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