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2018.08.05

ライフ

1000万円で古民家暮らしを実現。移住先としての”熱海”を考える


海の街<熱海編> Vol.6
新幹線を使えば、都心から1時間弱でアクセス可能という“近場”でありながら、豊富な自然と温泉に恵まれていることから“サードプレイス”としての人気が高まる熱海。その魅力にひかれ、家族ぐるみでの移住を検討する男性も多いという。そこで気になるのが、熱海の住宅事情である。地元で行われている「空き家ツアー」を通じ、“熱海の住処”のリアルを探った。
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意外と高めな賃貸よりも、狙い目は古い“空き家”物件

都会の感覚で引っ越しを考えるなら、まず検討するのが賃貸だろう。移住先として注目される熱海市とはいえ、地理的な条件を考慮すれば、都心に比べ格安の賃貸物件があるはず、と思う人が大半のはずだ。
しかし、例えば住宅情報サイト「SUUMO東海版」に掲載された賃貸の相場価格を見ると、驚くことに1Kマンションでも7.5万円と、都心並みの高値となっている。観光地であるため、旅館や商店が軒を並べる市街地に、そもそも住居用の土地が少ないのが、家賃高騰の理由だ。

「ですから、移住を検討しているなら、一足飛びに物件の購入を検討したほうが、トータルでは安上がりになる場合も多いんですよ」。
そう教えてくれたのは、地元でリノベーションを軸とするエリア再生活動を行う会社machimoriの三好さん。“サードプレイス”として熱海が注目されるきっかけをつくった会社のメンバーだ。移住の住処として特にオススメなのが、いわゆる“古民家”だという。

「全住宅に対する熱海市の空き家率は50.7%、全国トップクラスで空き家の多い街なんですよ。中には築60年を超えるような木造の“古民家”もあり、賃貸物件にもなりにくく、通常の戸建て物件としても、これまでは買い手がつきにくかった。しかし、リノベーションという考え方が広まったことで、古民家物件も再注目されるようになっているんです」。
エリア再生活動の一環として、三好さんたちは移住を検討している人々を対象とする「空き家ツアー」を開催しているとのこと。熱海の古民家を知るため、ツアーに参加した。


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