37.5歳から旅立つ、マネークエスト Vol.10
2018.07.22
LIFE STYLE

不動産投資ビギナーが知るべき、物件選びのチェックポイント

37.5歳から旅立つ、マネークエスト Vol.10
不動産投資の前提知識はGetした我々。今回は、初心者が身につけておくべき心得を、さくら事務所の創業者・長嶋 修さんから伝授してもらう。必要な予算、基本的な物件の選び方など、はじめる時に気をつけたいコツを身につけていこう。

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いよいよ、不動産投資という大ボスの具体的な攻略のはじまりだ。倒すための武器ともいえる初期費用だが、いったいどの程度、必要なのだろうか。前回も話したとおり、不動産投資は、1000万円弱で購入できる中古のワンルームマンションから、数千万単位の中古アパート一棟買い、億単位の新築マンション一棟買いなど、規模はさまざま。

「初心者なら3桁万円後半〜1000万円前半台のワンルーム物件から始めるといいでしょう。頭金は3割といわれているので、200〜400万円くらいを頭金にして、残りはローンを組むのが一般的です。注意したいのは、不動産物件は株などと違いすぐに売れるものではありません。そのため、万が一の事態に備えた貯蓄分まで頭金につぎ込まないようにしてください」。

ちなみに、住宅ローンは35年なども珍しくないが、不動産投資では7〜15年が一般的だという。これは、不動産投資は住宅購入と違い、収益が発生する事業としての側面が大きいから。金利やローンの期間は、事業融資と同じく、物件の収益性や個人の使用情報などを加味して、個別に決まるという。

「例えば、頭金が多ければ信用度が高くなるので、金利は低くなることが多い。私が知っているなかでは、0.49%で借りた人もいました。もし、ローン金利が運用利回りを上回ると、常に赤字です。運用利回りをみるときには、管理費や税金、ローンの金利なども含むことを忘れないで下さい」。

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物件選びの第1条件は「駅からの距離」

では、実際にどのようにして物件を選べばいいのか。ポイントのひとつが、前回も話に出た「駅からの距離」である。徒歩8分以上の物件になると、急激に人気がなくなるという。

年々、駅から距離が遠くなると価格の下落も大きくなっている。

「ある賃貸サイトの検索条件ですが、5年前は駅から徒歩10分を選ぶ人が過半数でした。しかし、最近は徒歩7分以内で検索する人が過半数です。特に、働き盛りの独身者が借りるワンルームは、寝に帰るだけで友人も呼ばないというケースも多い。築年数の古さや広さよりも、駅に近い利便性のほうが優先される傾向にあります」。

また、都心部は築年数が古くても、ある程度は賃料が見込めるという。つまり、選ぶべきワンルーム物件は、駅から遠い築浅物件よりも、築20年を超えて売り出し価格が安くなっている、駅近の物件ということだ。

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頑丈さはどこまで必要? 把握しておきたい災害リスク

古い物件の場合、必ず確認しておかなければいけないこともある。それが、耐震性。日本は地震大国。不動産投資にとって、震災は大きなリスクのひとつだ。

長嶋さんは「ポイントとなるのは、物件の建築確認を受けたのが1981年6月以前か以降か。1981年6月以降なら新耐震基準で、基本的には現在と同じです。また、建物形も重要です。凹凸が多い、コの字型やL字型の物件は、見た目は格好いいのですが、直方体の建物に比べると地震に弱い。築年数が古いなら、そのあたりも考慮しましょう」と語る。

「もうひとつ、確認しておきたいのが地盤です。例えば、渋谷などは同じ地域内に岩盤と砂地の地盤が混在しているのですが、揺れには岩盤のほうが圧倒的に強い。新耐震基準に適応していないけれど固い地盤に建っている物件と新耐震基準に適応しているけれど柔らかい地盤に建っている物件では、前者のほうが地震に強いことも多い」とのこと。

地盤の硬さは、国土地理院のホームページに細かく記載されているので、購入を検討している物件があれば、必ず確認したい。

また、購入を検討している物件は、必ず自分の目で確認することも重要だ。長嶋さんは「まず、物件を借りるターゲットを思い浮かべます。その人の気持ちになり、駅から物件までを歩いて街の様子を確認したり、エントランスやゴミ置き場から住民の雰囲気を感じたりして、総合的に借りたくなる物件かどうかを判断しなくてはいけません」と教えてくれた。

慎重な人は半年ほどかけて物件を探して購入するというが、不動産投資は購入したからといって終わりではない。RPGをクリアしたと思ったら、「そして、この瞬間から新たな旅が始まる……」といったあれだ。不動産投資の場合は、ズバリ“管理”である。次回は、物件購入後になにが発生するのか、注意すべきポイントはなにかに迫る。

【今回のマネー賢者】
長嶋 修
業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『さくら事務所』を設立。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”の第一人者としての地位を築く。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。

コージー林田=取材・文

# マネークエスト# 不動産# 投資
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