37.5歳から旅立つ、マネークエスト Vol.7
2018.06.30
LIFE STYLE

株式投資ビギナーこそ、短期売買&集中投資をするべき理由

37.5歳から旅立つ、マネークエスト Vol.7
貯蓄の大切さと投資信託をメインとした投資入門のコツを知った我々。さらに、防御のために保険の選びかも身につけ、かなりレベルアップしたはずだ。次なるは、さらなる攻めの冒険。そう、個別株への投資だ。とはいえ、数多ある会社の中から投資する個別株は、初心者にとって難しい印象もある。RPGでいえば、強い敵が多い新世界へ踏み出すようなものだ。いったい、心得ておくべきことはなんなのか? マネー賢者に話を聞いた。

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投資といって一番に思い浮かべるもの、多くの人にとってそれが個別株投資だろう。上手くいけば、投資した会社の業績が上がって一攫千金。一方で、思わぬ悪い材料が顕在化して大損なんてことも。

過去にはJALが会社更生法を申請して株の価値がゼロになったり、東芝が上場廃止の危機に瀕したりと、大会社だからといって安心できないのだ。すでに、ちょっと腰が引けそうだが……。というわけで、今回のミッションは「初心者の個別株投資での戦い方を知る!」である。

そこで、株のマネー賢者、相場の福の神こと藤本誠之さんに、初めての個別株投資のスタンスについて聞いてみた。すると、意外な一言が発せられた。

曰く「大会社の株は購入するな!」。えーと、いくらJALや東芝の事例があるとはいえ、やっぱり大企業のほうが安心感あるんですけど……。

「大会社の多くは東証一部に上場しています。株を売買しているのは、投資を生業とするいわゆる機関投資家が大多数。資金も情報も豊富なプロと個人投資家が戦っても勝てるわけがない。一方、東証マザーズは個人投資家が7〜8割。表現は悪いが、ここで弱い個人投資家相手と戦った方が勝率は上がります」と藤本さん。

なるほど。となると、初心者をはじめとした個人投資家は、やや低めの知名度の企業が集まる、東証一部以外の市場が狙い目ということ。ただし、そのためには「勉強が必要」だという。

「じつは、ほとんどの個人投資家は本気で株式投資の勉強をしていません。だからこそ、しっかりと勉強すれば、強い個人投資家になれるんです。勉強とはチャートの見方や企業の研究。成長性のある企業を見極めることは、勝つためには重要な勉強です。仕事で給料をアップさせようと思えば勉強や努力をするはず。株だってお金を得るという意味では、仕事と同じ。勉強なしで収益を上げられるわけがありません」。

確かに、成長性のある企業の株を中長期で持っていれば、いずれは資産も増えそうだ。教科書的には、これで分散投資をすれば完璧……と思っていると、藤本さんから、またもや驚きの一言。

「個別株初心者が資産を増やす段階では、短期売買がオススメ。それも、一点集中でいきましょう!」。

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初心者こそ、短期売買で勝負すべき理由

コマンドで言えば「ガンガンいこうぜ!」を選ぶような投資方法だが、本当に大丈夫なのだろうか……。

「中長期投資や分散投資は、ある程度、資産ができて守りながら増やすときに有効な手段。分散投資はAの株が下がったときのために、反対の動きをするBの債券を買ったりします。しかし、これだと大きな損をしないかわりに、大きく収益を上げることもできません。初心者が資産を一気に増やす段階では、成長が望める企業に集中投資するしかありません」。

藤本さんによると「1000万円まで増やしていく過程では、短期集中でいい。1000万円を超えたら、分散投資と中長期投資で資産を守りながら増やすといいでしょう」とのこと。

では、短期売買の理由はなんでしょうか? 投資信託の回で勉強した限り、長期的に保有していれば、経済成長に比例して利益も上がるはずだったような。

「仰るとおりです。私が短期売買をすすめるのは、特に初心者です。理由は、場数を踏むことで勉強することができるから。中長期投資は3〜4年、場合によっては10年間も保有することもがあります。逆にいえば、それだけの年数が経過しなければ、自分の投資が正しかったかどうかを検証できない。一方、短期売買はその都度、トレードの内容を検証することができます。どんな物事にも共通しますが、場数を踏めばスキルは上がります」。

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賢者のおすすめは、ウィークリー・トレード

短期売買といえば、たくさんのモニターを見つめながら、秒単位で取引をするイメージがあるかもしれないが、それは「デイトレード」と呼ばれる手法。これは、1日の間に利益も損失も確定させてしまう。藤本さんが初心者にオススメする短期売買はデイトレードではなく、「ウィークリートレード」だという。

「ウィークリートレードは、名前の通り1週間単位で利益と損失を確定させるトレードです。単純計算でも、1年間に50回超の取引になり、経験値も上がります。経験値を積めば、相性が良い業界や売買のタイミングなど、得意なパターンが見えてきます。得意なパターンで売買をすれば勝率も上がるはず」と藤本さん。

「20万円とか30万円とか、負担にならない額でとりあえずやってみて、向いているか向いていないかを判断するのもオススメ」だという。「もし、負け続けるようなら個別株は向いていないから辞めたほうがいい。向き不向きも、試してみないと分からないですからね」と語る。


個別株投資に向いている人、向いていない人

では、どんな人が個別株投資に向いていないのだろうか。

「確実に言えるのは、勉強する意欲がない人は向いていないということ。性格的には1円でも損したらイヤとか、値動きが気になって仕事が手につかないという人も、向いていないですね。あとは、継続してトレードができない人。例えば、調子が悪くて“含み損”が増えると、戻るまで売れないとトレードをやめてしまう。ひどい人は口座を見ることさえしなくなります。逆に、利益が出してやめる人もいます。利益が出るということは、高値で株を売却したということ。高値だから、売ったあと次の購入に踏み切れないんですね。いずれも、チャンスを逃す行動です」。

今回、藤本さんが語った「資金を成長しそうな会社の株に一点集して、短期売買でスキルを上げる」というのは、個別株の初心者が一定額まで資産を増やすための心得のようなもの。RPGでいえば、とにかくレベルを上げるため、得られる経験値が高いモンスターに集中して何度も何度も闘いを挑んでいくようなものかもしれない。

では、具体的な戦い方はどうすればいいのか。次回は、成長する会社の選び方や購入した株の運用方法、効果的な勉強方法などについて、より詳しく話を聞くぞ。


コージー林田=取材・文

【今回のマネー賢者】
藤本誠之
年間300社を超える上場企業経営者とのミーティングを行う、証券アナリスト。日興證券、マネックス証券、カブドットコム証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジスト。著書に『週55分で、毎週5万円儲ける株 』(明日香出版社)など。

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