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30代なら回り道も楽しい。育児休業をきっかけに大学院進学まで挑戦した男

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連載「37.5歳の人生スナップ」
もうすぐ人生の折り返し地点、自分なりに踠いて生き抜いてきた。しかし、このままでいいのかと立ち止まりたくなることもある。この連載は、ユニークなライフスタイルを選んだ、男たちを描くルポルタージュ。鬱屈した思いを抱えているなら、彼らの生活・考えを覗いてみてほしい。生き方のヒントが見つかるはずだ。

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「主夫」という生き方を選んだ男たち。主夫をテーマとした3回目の最後を飾るのは、勤務先で育児休業を取得する男性社員第一号となった兼業主夫。育休をきっかけに彼の世界はどんどん広がり、家事・育児に仕事、学び直しにまで挑戦したという。


「イクメン」という言葉もない時代に育児休業を取得

小学校6年生の長男と2年生の長女の子供ふたりを育てる鈴木祐之さん(39歳)が「兼業主夫」となったのは、今から11年前に育児休業を取得したことがきっかけだった。

まだ「イクメン」という言葉すら認知されていなかった時代。若者言葉のイクメンが国会で取り上げられ、一般的に普及し始めたのは2010年以降とされる。鈴木さんは、その何年も前から積極的に家事・育児をする主夫だった。

当然、育休を取る男性もいなかった。厚生労働省の調査によると、2006年に育休を取った男性はわずか0.57%。そんななかで、無謀にも好奇心旺盛な鈴木さんは、長男が生まれたときに「面白そうだから」という理由で勤務先に育休を申し出る。ほとんど前例のない挑戦だ。

「システムエンジニアとして製造業系の会社に勤めていて、子供が生まれるまでは毎日のように終電で帰るような仕事中心の生活でした。だから、会社に育休を申請すると、上司はすごくとまどっていましたね。『本当に取るの?』と。反対するというよりはポカンとしている印象でした」(鈴木さん、以下同)。

そこには、大学教員として研究職をしている4歳年上の妻のアドバイスも大きかった。

「その頃の妻は、ちょうど男性の育休の研究をスタートしようとしているところでした。そんな妻に『やってみたら』と背中を押され、今思えば本当に気楽に、それでも自らが率先して妻の研究のモデルとして、これからの育児世代のファーストペンギンとなるような気持ちで育休を取ったんです。でも、それによって人生がここまで大きく変わるとは、想像もしていませんでした」。

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