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2018.05.12

かぞく

データで紐解く“消極的”オトーチャン。半数は「接し方に自信なし」


【特集】オレが楽しいと、家族も楽しい!ーO父CHANS特別篇ー
自分と家族、双方が楽しむためのヒントを提供する本特集。今回はオトーチャンたちの育児参加の実態についてリサーチ。すると、なんとも世知辛い社会の現実が見えてきた!?

ひと昔前よりも父親の育児参加が一般的になってきた今日このごろ。子供との時間は何より大切!と胸を張るオトーチャンも周囲に多い。いよいよイクメン時代に突入かと思いきや、データを紐解いてみると日本のオトーチャンたちはお世辞にも育児にはまだまだ積極的とはいえない状態のよう……。
 

父親が家事・育児に費やす時間は世界最低レベル

内閣府の発表によると6歳未満の子供を持つ男性の家事・育児に関連する時間は1日当たり67分。これは先進国の中でも最低水準。他国の状況を見てみると、アメリカは178分、イギリスは166分、スウェーデンに至っては201分。海外のオトーチャンたちはこれだけ家事・育児に費やしているのだ。
なお、日本の数値は、「家事」「介護・看護」「育児」および「買い物」の合計時間(週全体平均)。週末も含んだ平均であること、また「買い物」が含まれていることを考えると、育児に費やしている時間は推して知るべし、といったところ(実際、育児に関していえば、1日平均39分)。グローバルで比較するとちょっとまずい状態だったりする……。
内閣府「さんきゅうパパ準備BOOK」p.4より引用一部改変
ちなみに、夫が休日に行う家事や育児の時間と、第2子以降の出生割合には大きな関係性があるという。同資料では、男性が家事・育児にまったく協力しないとふたり目以降の子供が生まれる確率は14%しかないとのデータも。逆に6時間以上の場合は76.5%にもおよぶ。余計なお世話と思いつつ、ふたり目が欲しいという方には、特に警鐘を鳴らしたいところだ。
けれど、なぜ世の中のオトーチャンたちはこんなに家事・育児に消極的なのだろう?
 

40%以上の父親が子供との接し方に自信なし

仕事が忙しすぎ? それともまだまだ亭主関白的な考え方が根強い? そんなことを考えつつ探っていると、その答えのひとつともいえるデータにいきついた。ベネッセ教育総合研究所が2015年に発表した「第3回 乳幼児の父親についての調査」である。
これによれば、「家事・育児に今まで以上にかかわりたいと思う」と回答した父親は58.2%に及び、年々増加しているという。その反面、父親の家事・育児へのかかわりは大きく変化しておらず、さらに「子供がかわいくてたまらない」「子供と遊ぶのはとてもおもしろい」などの子育てに関する肯定的な意見は年々減少。加えて「子供との接し方に自信がもてない」と回答した人は44.3%にものぼっている。
このデータから推察するに、オトーチャンたちは育児への使命感にかられているものの、現実的には時間が取れず、あまり育児にかかわれない。そしていざ意気込んでかかわれば、慣れない育児に空回り……その結果、子供を遠巻きに眺め微笑む“なんちゃってイクメン”の出来上がり、というところかもしれない。
しかし、こうした背景には個人ではどうしようもできない根深い問題もありそうだ。
 

社会が変わらないと、父親が家事・育児に積極的になる日は来ない?

同調査では、20 時台までに帰宅をする男性のほうが 21 時台以降に帰宅をする男性よりも生活満足度が高く、さらに子育ての満足度も高いという結果が出ている。つまり家にいる時間が多くなると、自然と家事・育児と向き合える。
では、21時以降に帰宅するオトーチャンはそれまで何をしているのかというと、その40%が「仕事」と回答。さらに、2016年度の男性の育児休業取得率は3.16%と超少数。よくある話になってしまうが、日本の労働環境が男性の家事・子育てを後押しできていないのだ。
働き方改革も含めて、男女問わず育児に参加しやすい職場環境へと今後はどんどん進むはず。けれど、現在子供のいるオトーチャンにしてみれば、遅すぎた改革に過ぎない、トホホな状態である。
なんとも世知辛い結論になってしまったが、子供の健やかな成長と楽しい家庭生活のため、できることからやるしかあるまい。まずは子供と触れ合う機会を増やして、“なんちゃってイクメン”を脱出すべし!
村上広大(EditReal)=取材・文
[参考データ]
内閣府「さんきゅうパパ準備BOOK」
ベネッセ教育総合研究所「第3回乳幼児の父親についての調査」
厚生労働省「『平成 28 年度雇用均等基本調査』の結果概要」


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