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2018.04.29

ライフ

破格に安い中古マンション、「掘り出し物」かどうかの見極め方


「不動産の噂の真相」を最初から読む
不動産の噂の真相Vol.18
オーシャンズ世代にとって“避けては通れない未来”のひとつに、「住まいをどうするのか」というテーマがある。結婚し、子供が生まれ、やがて巣立っていく――そんな人生の物語をつむぐ舞台=住まいについて、実は私たちはそこまで深い知識を持っていない。なんとなく周りの意見やメディアの見出しやウワサ話に踊らされてはいないだろうか。この連載では、元SUUMO新築マンション編集長が、世の中に出回っている“不動産のウワサ”について徹底検証。信じるも信じないも、あなた次第です。

 

事故物件でなくとも、「掘り出し物」が市場に出ることがある

ここ数年、新築マンションの価格が高騰していることは周知の事実だが、実はそれにつられて中古マンションの価格相場も上がっているのをご存じだろうか。一般に中古物件の価格は同地域の新築価格より若干安めに設定して、その地域に住みたいが新築にはギリギリ手が届かない層のニーズを取り込もうとする。だから新築価格が上がると追随して中古価格も上がるのだ。そして、すでに中古といえど、絶対額では一般サラリーマンには手が届きにくい相場になっている地域も、都内では珍しくない。
ただ、中古マンションは根気強く探していると、類似条件の物件の価格相場に対して破格に安いと思える物件が見つかることがある。例えば、同じマンション内で他の売り住戸と比べて広さや向き、階数などの条件に大差はないのに価格は明らかに安い、というケースもあるし、なかには「ひょっとして事故物件では?」と疑ってしまうような値付けの物件に出くわすこともある。なぜ、そういうことが起こるのだろうか?
新築マンションは事業主の企業が綿密に市場調査をして価格を決定するので、地域の相場から大きく乖離した値付けがなされることはまずない。一方、中古マンションの場合は、個人が売主の物件が多く、それぞれの事情が売値設定に反映されやすい側面がある。売却を急ぎたい売主なら、同じマンション内や同地域の競合となる売り住戸の中で、目立って割安な価格設定をするかもしれないし、逆に急ぐ必要がなければ強気の値付けにこだわる売主もいるだろう。そんなわけで、中古マンションでは時に「掘り出し物」と思えるような物件が市場に出ることがありうるのだ。


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