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2018.02.25

ライフ

リラックスを阻むリビングの悪臭……実は気づけていないかも?


WEB特集「男の癒し方」
ひとりの男として、あるいは、夫として、父として、37.5歳の悩みと疲れは募っていくばかり。そう、男には男ならではのストレスがあるもんだ。ふだんは、スマートに生きてるつもりでも、俺たちだって癒されたい! 疲れて鈍くなっていく感覚を呼び覚まし、カラダもココロもすっきりさせる“俺たちの癒しレシピ”をご覧あれ。

リラックスと香りには、密接な関係があることはいわずもがな。好みの香りでリビングを満たして、優雅な時間を満喫……のハズが、他人からするとヘンなニオイだったりすることがあるかも!?
たしかに他人の家って、ビミョーなニオイがすることってよくあります。ゲストが鼻を曲げそうになっているかもしれないだなんて、おちおちリラックスもできやしない。なぜ人は自宅のニオイには気がつけないのか、「におい刑事(デカ)」としても活躍されている共生エアテクノ代表・松林宏治さんに聞きました。
 
どんなに臭いニオイでも1時間あれば慣れてしまう!?
「嗅覚には“慣れ”という機能があり、同じニオイをずっと嗅いでいると、感度が低くなってしまうんです。自宅のニオイは、普段から慣れてしまっていて、住人は気がつきにくいんだと思いますよ」。(松林さん、以下同)
たしかに、否が応でも毎日嗅いでいるもの。多少くさかったとしても、感覚がマヒしてしまうことはうなずけます。ちなみに、松林さんたち臭気判定士でも、この嗅覚の“慣れ”には抗えないのだそう。
「弊社では、喫煙者の臭気判定士がたばこ臭の調査を受け持たない、というルールがあります。それは、普段たばこを吸っていると、たばこに対する嗅覚の感度が落ちるからなんです」。
ちなみに嗅覚は順応が早く、ほとんどのニオイは1時間ほどあれば慣れてしまうといいます。
「私の経験では、よっぽど変なニオイだったり、身に危険を感じるようなニオイだったりでなければ、5分程度で順応することもありますし、30分~1時間ほど同じ環境にいればたいがいのニオイは分からなくなってしまいます。ただ、それは環境に順応しているだけなので、別の部屋に行って1回リセットすると、またニオイは感じられます。ただし、ニオイは1度嗅ぐと記憶として蓄積されていくので、2回目以降の順応スピードが速くなることもあります」。
“気にし過ぎ”なことも……部屋のニオイに気づくには?
よく「“慣れ”が一番怖い」などと言いますが、自宅のニオイもまさにそれ。慣れて感じられないとなると、ますます「ニオイで誰かに迷惑をかけていないだろうか」と心配になります。そんなときは、どんな方法で自宅のニオイに気がつけばいいのでしょうか。
「しばらく留守にして帰宅したりすると、自宅のニオイに気がつくことがありますよね。ただしニオイを気にしすぎてしまい、実際にしないニオイを感じてしまうという場合もあります。本当に気になる場合は、信頼できる友人などに率直に聞いてみるのも良い方法だと思います」。
なお、ニオイに気付いた場合、むやみにフレグランスに頼るのは禁物。その香りに慣れたとき、逆にその背後に隠された“ニオイ”を強く感じ取ってしまうといいます。
「ニオイを消したい場合は、そのニオイが菌由来のものであれば、その菌を絶つのが大前提になります。それには、菌を洗い流してしまうのが最も効果的。むやみやたらにフレグランスに頼るのではなく、ファブリック類の洗濯や部屋の掃除など基本的なことがニオイ対策の近道になるでしょう」。
気持ちをリラックスさせてくれるフレグランスですが、悪臭に“プラス”してしまうと逆効果になってしまうこともあるみたい。フレグランスを効果的に使うためにも、まずは普段から部屋やファブリックを清潔に保つことがポイント。もちろん、きちんとケアしたうえでフレグランスを楽しむのは大いにアリ。順番を間違えないことが大切といえそうです。
取材・文/周東淑子(やじろべえ)
【取材協力】
臭気判定士・松林宏治さん
1976年、愛知県名古屋市出身。1999年、南山大学経済学部卒業後、一般企業を経て2003年、消臭専門会社である共生エアテクノを設立。脱臭装置の設置、悪臭調査と対策提案・設計などを行っている。「クサイに挑むプロフェッショナル」として、“におい刑事(デカ)”の異名で、数々のメディアでも活躍中。2016年、電子書籍『臭気判定士・におい刑事(デカ)が教える!ニオイで女性に嫌われない方法』を上梓。
共生エアテクノ
臭気判定士/におい刑事(デカ) におい110番~深呼吸空間を創造します~
 


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