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2018.02.05

ニュース

100年後の海のため、「ルイ13世」がファレルと作ったタイムカプセルの中身

大気汚染やオゾン層破壊、そこからくる地球温暖化に海面上昇……。今を生きる一人ひとりの意識や行動によって変わる地球の将来、海の姿。言うまでもなく、全人類にとって避けては通れない問題だ。
それとどう向き合うか。コニャックの最高峰ブランド「ルイ13世」が起こしたユニークな取り組みに注目が集まっている。
えっ? なんでコニャック? なんで「ルイ13世」? そう思った人も多いだろうが、実は「ルイ13世」はこの度、100年後に健全な地球を残すべく、音楽プロデューサーにしてファッションデザイナーでもあるファレル・ウィリアムスとスペシャルコラボレーションを行った。

それが「100 YEARS:THE SONG WE’LL ONLY HEAR IF WE CARE」。温暖化による海面上昇に対する警鐘と啓蒙を目的としたプロジェクトだ。
 

「ルイ13世」が環境問題・海面上昇に警鐘を鳴らすワケ


今回の取り組みの理由を紹介するには、まず「ルイ13世」がどういうものかを説明しておかなければならない。
コニャックはブランデーの一種で、葡萄を原料とした蒸留酒のこと。シャンパンのように、フランスのコニャック地方で定められた製法で造られたものしか“コニャック”と名乗ることはできない。
「ルイ13世」は、コニャック地方の中でも最上級区域であるグランド・シャンパーニュ地区の葡萄のみを使用し、熟成が最長で100年にも及ぶ約1200種類の原酒からセラーマスターによってブレンドされて造られる。その膨大な手間と時間から、“世界で最も高価なアルコール”と称されることもある存在だ。
そんな「ルイ13世」を生み出すコニャック地方は、大西洋沿岸から近いフランス中西部にあり、このまま地球温暖化が進めば「100年後には海の下に沈む」とも言われている。そう、100年をかけて生み出す「ルイ13世」にとって地球温暖化問題は、まさに今、目の前に迫った問題なのである。
そこで、「ルイ13世」を展開するレミーコアントローグループは2003年、国連が提唱する企業や団体の責任ある行動によって、より良い社会や環境作りを目指す取り組み「国連グローバル・コンパクト」に参加。コニャック造りにおいて、農薬の削減やグリーンエネルギーの活用などを積極的に行ってきた。
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今始まった、“100年後のためのプロジェクト”が伝えたいこと


今回のプロジェクトは、ファレル・ウィリアムスが環境をテーマにした楽曲を制作するというものだが、その作品を聴けるのはなんと100年後。つまり、ブランドの本拠があるコニャック地方が100年後も海底に沈まず、今抱える環境問題を解決できていれば、それが聴けるということなのだ。

仕組みはこう。ファレルが制作した楽曲をコニャック地方の土を固めて作ったレコード盤に収録し、セラー(貯蔵庫)に設置した防水機能を持たない金庫に保管。もし海面上昇によってコニャック地方が水に沈むようなことになれば、セラーはもとよりレコードも溶けて消えてしまうというわけだ。

昨年11月に、上海でファレル・ウィリアムスを招いて行われたレコードの完成披露と金庫への封印式。金庫には鍵がなく、タイマー式で100年後まで開かないようセットされている。
ちなみに会場では1度だけそのレコードに針が落とされ、わずか100名のゲストに特別に披露された。
たった1枚だけ制作された実際のレコード盤。“豊かな自然があってこそ、良質なコニャックが造られる”との想いを込めて、100年後まで金庫に封印されている。
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