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2018.02.04

ライフ

マンションはグロス単価より坪単価のほうが重要、は本当か?


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不動産の噂の真相Vol.12
オーシャンズ世代にとって“避けては通れない未来”のひとつに、「住まいをどうするのか」というテーマがある。結婚し、子どもが生まれ、やがて巣立っていく――そんな人生の物語をつむぐ舞台=住まいについて、実は私たちはそこまで深い知識を持っていない。なんとなく周りの意見やメディアの見出しやウワサ話に踊らされてはいないだろうか。この連載では、元SUUMO新築マンション編集長が、世の中に出回っている“不動産のウワサ”について徹底検証。信じるも信じないも、あなた次第です。

業界関係者でなくても、坪単価で検討するのが有益な理由

一般にマンションの価格は、広告などで「3LDKが●●万円~」「70㎡台が●●万円~」といった形で目にすることが多いだろう。こうした表示価格は、不動産業界では「グロス価格」と呼ばれるが、実は業界で価格面でより多く語られるのは「坪単価」である。
これは、文字通り1坪(約3.3㎡)あたりの価格を表す。単位面積あたりの価格という意味では「㎡単価」のほうがわかりやすそうだが、不動産業界ではなぜか単位面積を「坪」で考える慣習が今も続いている。
坪であれ、㎡であれ、単位面積あたりの価格=単価は、消費財メーカーが商品1個あたりの原価を計算するのと同じように、不動産会社にとって事業運営に不可欠な考え方だ。ただ、不動産の価格を坪単価でとらえる考え方は、マンション購入を検討する人にとっても実は有益な面がある。それについて、今回は紹介してみたい。
たとえばグロス価格が6000万円のマンションAと5000万円のマンションBがあるとしよう。情報がこれだけなら「6000万円のマンションのほうが高い」となるが、では、マンションAは90㎡、マンションBは70㎡の広さだったらどうだろうか。この場合、マンションAの坪単価は約220万円、マンションBの坪単価は約236万円となり、実はBのほうが割高ということができる。
マンションの購入にあたり、90㎡と70㎡の住戸を比較検討する人は少ないかもしれないが、価格も広さも微妙に違う候補物件を比べなければならない状況はよくあるものだ。
そんなときに、価格を面積で割った㎡単価や坪単価を計算すれば、どの候補物件が割高、割安なのかが一目瞭然となる。同じマンションの中でも住戸の位置によって価格や広さが違うのが当たり前なだけに、坪単価を比べることによって、より好条件の住戸を見分けることも可能になるわけだ。


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