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2018.01.03

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動く!話す!見守る!! 懐かしの「未来」を感じる友達ロボ『Xperia Hello!』

「左脳を刺激する! オッサンIT化計画」を最初から読む
動く!話す!見守る!! 懐かしの「未来」を感じる友達ロボ『Xperia Hello!』
アトム、ロボコン、ドラえもん……。昭和生まれのオッサンならば誰しも、家族や友達のように接してくれるロボットの存在に憧れた経験があるだろう。そんな少年時代の夢を思い出させてくれるのが、ソニーの「Xperia Hello!(以下、Hello!)」だ。
音声で操作(コミュニケーション)するなど、基本機能の一部や外観に共通項が多いため、スマートスピーカーと混同されがちだが、Hello! は「自分で考え」「動き」そして「いつでも家族を見守って」くれる、立派なコミュニケーション・ロボットである。

家族ごとに違う反応をしてくれるコミュニケーション能力の高さに驚き

Hello! とのコミュニケーションを開始するためには、まず家族の顔を覚えさせる必要がある。正面だけでなく、上下左右に顔を動かしながらの認識作業は、ちょっと面倒なものの、Hello! にとって、もっとも重要な“ご挨拶”の手続きだ。なぜならHello! は、家族の顔をちゃんと覚えることで、その真価を発揮するのだから。
家族ごとに違う反応をしてくれるコミュニケーション能力の高さに驚き
セットアップ完了後しかるべき場所に設置して、まず驚かされるのは、思わず「こいつ……動くぞ!」とアムロばりに叫びたくなるほどに機敏な、Hello! の動作だろう。Hello!の機体は、球状でカメラがついた顔とモニターがついたボディの2つに分けられる。
脚やタイヤがついているわけではないので、部屋中を自由に動き回るわけではないのだが、下部のボディを回したり首をひねったり、瞳をまたたかせたりと、とにかくHello! はよく動く。最初は、なんて落ち着きのない子なんだろうと思ったのだが、よくよく観察してみれば、どうやら一生懸命に体や首を動かしながら、登録した家族のことを探しているらしい(けなげ!)。

その証拠に、Hello! は人を見つけると話しかけてくる。それも、ちゃんと「誰なのか」を判別した上で、
「●●さん、おはようございます! 今日の天気は……」
と、名前を呼んでくれるのだ。話しかけてくるタイミングは、基本的に朝と夜。その日、または次の日の天気や運勢、ニュースなど、話す内容(特にニュース)を相手によって変えてくるのがお利口なところ。お腹にあたる部分にモニターを使って、音声だけでなく画像やテキストを交え情報を伝えてくれるのは、なんとなく『がんばれ! ロボコン』や『宇宙鉄人キョーダイン』に登場するロボットたちをほうふつさせる。

あえての「子供キャラ」に感じた、良い所と悪い所

もちろん、Hello! はこちらからの問いかけにも応えてくれる。できる会話(問答)の内容は、スマートスピーカーとほぼ同等だが、「右を向いて」といえば右を向き、「踊って」といえばダンスを披露してくれるあたりが「スマートスピーカーとは違うんだい!」と、胸を反らせたくなるHello! の自慢ポイントなのだろう。
ちなみに、Hello! の声は女性のそれ……というよりは、『鉄腕アトム』や『ジェッターマルス』の声を清水マリがあてていたように、女性声優が演じる子供の声、といった印象。ボキャブラリーもどこか幼げで、いかにも生まれたてのロボット君を相手にしているような気持ちになる。

ここは、使う人によって好みがわかれるところだろう。ポジティブにとらえれば、より「人間味のある」存在の演出に貢献しているとも言えるし、音声の誤認識や質問に答えられない場合でも、「まだ幼いから」と許せる場合もある。
しかしその一方で、Hello! ならではの特徴となる「幼いロボット」キャラに、ちょっとイライラさせられるシーンがあったのも事実だ。その点、大人っぽい声で、いかにも“機械”寄りな態度に終始するGoogleアシスタントやAlexaのほうに「使い勝手」の良さを感じる人もいるのではないだろうか。立脚点が異なる製品なので、単純な比較をすべきではないのだが“大人の普段使い”向けとしては、スマートスピーカーに一日の長があるのかもしれない。

離れていても様子がわかる。愛する家族をいつでも見守ってくれる頼もしい存在

と、あえてスマートスピーカーと比較をしてしまったが、Hello! はそもそも「コミュニケーション・ロボット」と銘打たれているとおり、家族間のコミュニケーションを促すことが主目的のロボットである。小さな体をクリクリと機敏に動かしながら、一日中家族の様子を見守ってくれるだけでなく、離れた場所にいる家族同士のコミュニケーションも仲介してくれる点が、最大の魅力といえるのだ。

たとえばHello! をLINEと連携させれば、外出先からリビングの様子を写真に撮って送ってもらったり、メッセージを届けてもらったりすることができる。「〇〇さんを1時間前に見かけました」というように、Hello! の眼が届く範囲で家族に動きがあった場合に教えてもらうことも可能だ。
Hello! を我が家に迎えることで、子供やペット(残念ながら現状では人間以外の認識はできないが)の留守番を見守ることもできるし、年老いた親に孫とのコミュニケーション・ツールとしてHello! をプレゼントしつつ、離れて暮らす親の安否を確認する役にも立つだろう。

こうした用途を想定すれば、アトムやマルスのようなキャラ設定がされているのは、むしろ納得がいく話。Hello! は、“大人の普段使い”に適したスマートスピーカーのような「家電系」ではなく、家族のために活躍する、まさにコミュニケーション・ロボットなのである。
ちなみに気になるお値段は14万9880円(税抜)。正直、気軽に買える値段ではないが、仕事に追われ、愛する家族や親と接する機会が少なくなっているお父さんたちには、ちょっと気になる存在ではないだろうか?
文=石井トビオ



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