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2017.05.28

たべる

ホッピーを飲んだことがない人を集めて筆下ろし飲み会を開いてみたら……

知人ルートを当たって5人の参加者を集めた

早いもので、当連載も最終回。これまで、ホッピーの歴史を学び、美味しい飲み方を知り、意外なトリビアに驚き、そして「ホッピー仙人」によるカクテルにホッピーの無限の可能性を見出した。
しかし、ひとつ疑問がある。果たしてホッピー未経験の人々は、この連載に触発されてホッピーを飲んでくれただろうか。さらに、「美味しい」と思ってくれただろうか。
そこで、ひらめいた。ホッピーを飲んだことがない人を集めて、筆下ろし飲み会を開けばよいのだ。
会場は高円寺の居酒屋「ちょろりや金魚」
この店は白黒2種類のホッピーを置いている。
値段は安いほうだと思う
少々苦労したものの、知人ルートを当たってなんとか5人の参加者を集めた。

興味はありつつも飲む機会をずっと逃し続けてきた

やや緊張気味の皆さん
左から、長橋くん(ライター)、橋本さん(ライター)、佐久間くん (ウェブデザイナー)、村山くん(レコード会社勤務)、松本さん(飲食店勤務)。
ちなみに、カウンターで飲んでいたお客さん全員にホッピーを飲んだことがあるか聞いてみたところ……。
このような結果に
3分の1が「飲んだことがない」と回答。毎晩のように飲んでいる者としては少々意外だった。
「私もホッピーに興味はありつつも飲む機会をずっと逃し続けてきたので、今日はとても楽しみです」(松本さん)

「ハイボールとは違う?」「ホッピーだけで飲むことも?」

皆さんのお酒事情を聞くと、「クラブとかでジーマやスミノフを飲む」(佐久間くん)、「麦焼酎のロックが好き」(松本さん)、「ビールかレモンサワーばかりで冒険はしない」(村山くん)、「梅酒のソーダ割りかレモンサワーが多い」(橋本さん)。
つまり、ホッピー未経験者は身に付いたルーティンを崩さない傾向にあるのかもしれない。
ぎこちなく「ソト」を注ぐ長橋くん
「『ナカ』『ソト』っていう言葉は聞いたことがあるけど、いまだにどっちがどっちなのかわからない」(佐久間くん)
「ナカ」が焼酎で「ソト」がホッピーですね。
さらに、「ハイボールとは違う?」「ビールの親戚みたいなもの?」「ホッピーだけで飲むことも?」というフレッシュな質問に、「ハイボールはおもにウイスキーを割る」「戦後にビールの代用品として開発されたもの」「ホッピーだけでは飲まない」と答える。
満を持して乾杯!
 
飲んでみた感想は、「たしかにビールみたい」「イメージより飲みやすい」「もっと濃いかと思ってた」。おおむね好評だ。

メンバーが辞めるたびに「ナカ」を追加できる

ここで長橋くんが言う。
「ホッピー1本で『ナカ』3杯ぐらいいけるかんじですかね」
飲み込みが早い。その通りだ。この時、村山くんが「『ナカ』お代わり」デビューを果たした。
少々照れながらマスターに告げる
村山くんと佐久間くんはヲタ仲間らしい。
「『リリカルスクール』っていう女性ヒップホップアイドルグループが好きで。現場に行くとなんかハッピーになれるんです」(村山くん)
存じ上げないが、ずばりホッピーとの共通点は?
「リリスクはしょっちゅうメンバーが辞めるんですが、そのたびに『ナカ』が追加されるところでしょうか」(佐久間くん)
無茶振りに対して100点満点の切り返しである。
こちらも「すみません、『ナカ』ください!」
松本さんは「BBG(分倍河原)48」という謎のアイドルユニットのメンバーで、「6月23日に三軒茶屋のHEAVEN’S DOORでライブがあるので、ぜひ来てください」という告知を絡めてきた。

スマホでずっとツムツムやってて「自由かよ」と

余談だが5人とも恋人募集中だと聞いて驚いた。皆さん、それぞれモテそうなのに。
「やっぱ、ホッピー飲んでなかったからかなあ…」(佐久間くん)
「こないだ若い女子と浅草の花やしきでデートしたんですけど、スマホでずっとツムツムやってて『自由かよ』と思いました」(佐久間くん)
佐久間くんをなぐさめる参加者たち
初対面同士が多いなか、トークは大いに盛り上がっている。
「ホッピーいいっすね。でも、なんかサチモスのファンとか飲まなそう。でも、俺としては『ホッピー飲まないやつ、もうGood night』って気分です」(村山くん)
皆さん、いいかんじに酔いが回ってきたようだ。このあたりでお開きにしましょうか。

ホッピーにまさかの縁結びのご利益も!?

数日後、佐久間くんから吉報が届いた。
「25歳の管理栄養士さんとデートしたんですが、帰りの電車の中で『楽しかったです。また会いましょうね』というLINEが。今回はスマホもノータッチで、完全に自信を取り戻しました」
ホッピーにまさかの縁結びのご利益も……!? 全6回にわたる連載は、かくしてホッピー&ハッピーな形で終了したのであった。お付き合いいただき、ありがとうございました。
取材・文/石原たきび
取材協力/ちょろりや金魚


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