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2021.07.10

あそぶ

「ランニングが苦手」と言うトライアスリートが語る、走り続けるコツとは?

菊池朋明
「Running Up-Date」とは……
ランニングを始めて、腕試しにと大会に出場し、手応えのある結果を出す。じゃあ次は? となったときに、トライアスロンへと興味が向く人も多い。
そりゃあマラソンよりお金も時間もかかるし、費やすべき労力もハンパないけれど、達成感たるや段違いなはず。また、トライアスリートには、管理職や自営業など、多忙ながらも自分で時間を組み立て、パワフルに働く人が多いポジティブなイメージもある。
今回お話を聞いた菊池朋明さんもそんな職種のひとり。職業はフリーランスのWEBデザイナーだ。しかもアイアンマン世界選手権への出場経験もある、ツワモノ中のツワモノだ。
いったい、どんなランニングライフを送っているのだろう。

アプリ開発のスタートアップを経て、トライアスロンにハマる

菊池さんがエンデュランススポーツにハマったのは2013年の頃。なんと、直接のきっかけはダイエットだった。
学生時代は陸上競技部で、通っていた高校までそれなりに距離があり、その道を毎日自転車で通学していたこともあって、大学ではトライアスロンサークルに所属していた。
そのときはそこまで熱心に取り組んでいなかったのだが、社会人になってお腹に肉を溜め込んでしまい、ダイエットの必要性を感じて大学時代の友人たちとリレートライアスロンに参加することに。担当はスイムだった。
菊池朋明
それにしても、今やプロ顔負けのリザルトを残すアマチュアトップのトライアスリートが肥満体だったとは、意外といえば意外。どうしてぜい肉を溜めこむハメになったかを聞いてみると、それは走る理由も微妙に関係している。
「大学生の頃に、友人たちとアプリ開発のビジネスを手掛けていたことがありました。新規でアプリを開発するのは手間も時間もかかるので、その友人たちと一緒に物件を借りて、住み込みの共同生活をすることになったんです。
そこではよくあるように、公私の境目も昼夜の区別もあいまいで、大学を途中で辞めざるをえないほど忙しく、精神的にもタフな日々でした。自然と体もナマってくる。そこでまずはフィジカルを整えるために、リレートライアスロンへの参加を決め、スポーツジムに通って泳ぐことにしたんです」。
すると、猪突猛進型だったトキワ荘的な生活にも自然と区切りが生まれていく。さしずめ、サードプレイスとしてのジムといったところか。
「ジムで体を動かすことによって、体だけでなくメンタル面でも“最悪”を脱することができ、生活に良いリズムが生まれました。そこからですね、意識的に泳いだり走ったりするようになったのは」。
菊池朋明
さらにもう一歩先に進み、競技としてのトライアスリートにハマったきっかけは、世界一過酷な競技とも言われているアイアンマンのゴールシーンをYouTubeで目にしたからだそう。
「ゴール前の沿道に、まるでトンネルのような人だかりができていて、その中を年配の男性が這うようにゴールへと向かっていました。その場の全員が大盛り上がりで彼を励まし、ゴールを称えていて、『いいな、こんなレースに挑んでみたいな』と」。
蛇足ながら説明させていただくと、アイアンマンとはスイム3.8km、バイク180km、ラン42.195kmの順にこなす、超ロングディスタンスのトライアスロン競技。
菊池朋明
「いざアイアンマンに出てみると、思いのほか良い結果が出ました。あとひとつ順位が高ければ、コナ大会のスロット(出場権)が獲得できていたんですよ。もう少し真面目に頑張れば手が届くかもしれないと、ハマりました」。
アイアンマン発祥の地に近いハワイ島コナにて開かれる大会は、世界各地で開かれているアイアンマンの姉妹大会で上位入賞を果たさないと出場が叶わない、いわば夢の大会だ。
トライアスロンにハマり、心を燃やした菊池さんは、なんと既にコナへの参加経験があるため、2021年の10月には2度目のコナを駆け抜ける予定だという。お見事!


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