Running Up-date Vol.73
2021.05.22
LEISURE

多拠点生活ランナーに見る、オンオフ兼用できるギアの選び方

ADDress
「Running Up-Date」とは……

ADDressという定額全国住み放題のサービスの代表を務める佐別当隆志さん。

ご本人もADDressを活用して多拠点生活を実践、そのかたわら、日々のリズムを作るために朝のジョギングを取り入れる走歴10年超のランナーだ。

ただし、多拠点生活をエンジョイするためにはフットワークの軽さが不可欠。つまり、衣食住にまつわるアイテムの数は、常日頃持ち運べる量に厳選しなくてはならない。

その観点から、ランニングのためのギア選びにおいてもアップデートが重ねられているようで……。

ランナー目線でオンオフ兼用できるウェアを選ぶ

では、そのアップデートとはどのようなものなのだろう。

ひと言で表現するなら「普段使いできるかどうか」。つまり汎用性の高さを重視するようになったのだそう。

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トップスはザ・ノース・フェイス。ボトムスとキャップはルルレモン。シューズはナイキ。

「以前は、走るときには当たり前のようにスポーツメーカーのランニングウェアを手に取っていました。

でも、自宅以外で寝泊まりする機会の多い生活を送るには、何よりモノを減らさなくてはいけません。

だからあらゆるアイテムに関して、日常使いできるようなデザインのものかどうかを気にするようになりましたね。

そのうえで、持ち運びのしやすさを考慮するとなるべく軽いもので、イージーケアかどうかも重要です。

そうなってくると、必然的に増えてくるのがザ・ノース・フェイスやパタゴニアといったアウトドアブランドが作るウェア。ボトムスはルルレモンが気に入っています」。

ランニング専用のウェアではなく、ランニングもできるアクティブな素材や機能を持つ服を選ぶというわけだ。

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ザ・ノース・フェイスの「ショートスリーブエアリーポケットティー」は、コットンのような風合いながら吸汗速乾、防シワ、抗ピリングといった機能性も備える。

今日着ているTシャツはザ・ノース・フェイスのもの。ボディはコットンのような膨らみを持たせた化学繊維で、速乾性に優れており、着心地がいい。

おまけにニオイも付きにくく、ランニングには打ってつけだ。自身のニーズにぴったりと合致するため、写真の半袖に加えて長袖タイプも所有している。

ランニングと普段着との兼用はもちろん、趣味の山登りでも重宝しており、一枚三役で着回している。

「ルルレモンのボトムスもそうですが、ランニング用だけでなく寝間着にもなりますし、洗濯後にすぐ乾いてくれる点も便利ですね。

デザインに関しても、結果としてシンプルなモノを手に取るようになってきています。

カラーや柄で主張のあるアイテムより、シンプルだけどサマになるスタイリッシュなモノの方が好きですね」。

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ボトムス、キャップともルルレモン。

もしかすると、ルルレモン=ヨガウェアのイメージが強いかもしれないが、アメリカではアスレチックなテイストの日常着としても人気急上昇中。

持ち前のストレッチ性はもちろん、肌触りにも優れるため、在宅ワークなどでも重宝するのだ。

多拠点生活を実践するにあたってはクローゼットを持ち運ぶわけにもいかないので、このように兼用の利くモノ選びに移行したけれど、不自由を感じているかといえばそんなことはない。

むしろワードローブがシンプルで明瞭になるし、普段着の延長線上の着こなしで走れるから、ランニングへの向き合い方もいい感じで気負わないスタンスになってきている。

そもそも汗だくになるほど追い込むタイプではないのだから、必要にして十分なのである。

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手足を動かして手間暇をかけることが面白い

シューズはナイキのエア ズーム ストリークを愛用中。片足重量で200gを下回る、軽量かつミニマルなモデルだ。

「多拠点生活にあたってネックになりがちなのがシューズです。持ち運びのしやすさを考えれば、できるだけ軽量なモデルの方が好ましい。

ナイキのこのモデルはミッドソールが薄く、アッパーが柔らかいため、場所を取らずに携行できるのがいいですね。

タイトなフィットのモデルは走るときに窮屈さを感じてしまうため、この柔らかなアッパーはことさら快適です」。

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ちなみにこのシューズはもう一足所有していて、そちらは黒。そのためちょっとしたミーティングにも臆することなく履いていける。このようにシューズに関しても履き回せるかどうかがポイントだ。

「山登りで使えるか、ランニングできるか。普段からそのどちらかの靴しか履いていません(笑)」。

単なるファッション、見た目だけでなく、ギアとしてエッセンシャルな価値のあるものに絞られていく。

ちなみに時計はアップルウォッチで、こちらも普段使いの時計をランニングでも兼用している。

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ランナーならではのアイテムとしては、モンベルのクロスランナーポーチを愛用。走るときにiPhoneやタオルを持ち運ぶためのミニマルなバッグだ。

素材は保水せず、汗をかいてもベタつかないモノフィラメント・メッシュが使われており、体に密着した揺れにくいデザインながら、通気性に優れた快適な装着感だ。

このような生活を送っているうちに、ランニングの良さを改めて認識したという佐別当さん。

毎朝のルーティンに30分のランニングが組み込まれており、走ったあとは台所に立って朝ごはんを作るところまでがお約束だ。

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「自分の体を使って、手足を動かす作業が増えると、生きているという実感が倍増します。ランニングも山登りもそうですし、朝ごはんを料理するのも同じです。

コンビニで調理済みの総菜を買ったり、タクシーで移動したりといったことには“時間をお金で買える”というメリットもありますが、かといって実際に自分の手足を動かして何かをすること=時間の無駄とは限らないですよね。

そういう手間暇がむしろ、楽しくなってくる」。

自分の体を動かして移動する喜びや面白さは、実は何万年も前から人類のDNAに刷り込まれているという説がある。

動作としてはごくシンプルなランニングが、こんなにも多くの人を惹きつけるのには、深〜い理由があるのかもしれない。

RUNNER’S FILE 35
氏名:佐別当隆志 
年齢:43歳(1977年生まれ)
仕事:株式会社ADDress代表
走る頻度:週2〜3日、30分5km程度
記録:ハーフマラソン約2時間、フルマラソン約5時間半

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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# ADDress# Running Up-Date# ランニング# 佐別当隆志# 多拠点生活
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