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手足を動かして手間暇をかけることが面白い

シューズはナイキのエア ズーム ストリークを愛用中。片足重量で200gを下回る、軽量かつミニマルなモデルだ。
「多拠点生活にあたってネックになりがちなのがシューズです。持ち運びのしやすさを考えれば、できるだけ軽量なモデルの方が好ましい。
ナイキのこのモデルはミッドソールが薄く、アッパーが柔らかいため、場所を取らずに携行できるのがいいですね。
タイトなフィットのモデルは走るときに窮屈さを感じてしまうため、この柔らかなアッパーはことさら快適です」。
ADDress
ちなみにこのシューズはもう一足所有していて、そちらは黒。そのためちょっとしたミーティングにも臆することなく履いていける。このようにシューズに関しても履き回せるかどうかがポイントだ。
「山登りで使えるか、ランニングできるか。普段からそのどちらかの靴しか履いていません(笑)」。
単なるファッション、見た目だけでなく、ギアとしてエッセンシャルな価値のあるものに絞られていく。
ちなみに時計はアップルウォッチで、こちらも普段使いの時計をランニングでも兼用している。
ADDress
ランナーならではのアイテムとしては、モンベルのクロスランナーポーチを愛用。走るときにiPhoneやタオルを持ち運ぶためのミニマルなバッグだ。
素材は保水せず、汗をかいてもベタつかないモノフィラメント・メッシュが使われており、体に密着した揺れにくいデザインながら、通気性に優れた快適な装着感だ。
このような生活を送っているうちに、ランニングの良さを改めて認識したという佐別当さん。
毎朝のルーティンに30分のランニングが組み込まれており、走ったあとは台所に立って朝ごはんを作るところまでがお約束だ。
ADDress
「自分の体を使って、手足を動かす作業が増えると、生きているという実感が倍増します。ランニングも山登りもそうですし、朝ごはんを料理するのも同じです。
コンビニで調理済みの総菜を買ったり、タクシーで移動したりといったことには“時間をお金で買える”というメリットもありますが、かといって実際に自分の手足を動かして何かをすること=時間の無駄とは限らないですよね。
そういう手間暇がむしろ、楽しくなってくる」。
自分の体を動かして移動する喜びや面白さは、実は何万年も前から人類のDNAに刷り込まれているという説がある。
動作としてはごくシンプルなランニングが、こんなにも多くの人を惹きつけるのには、深〜い理由があるのかもしれない。
RUNNER’S FILE 35
氏名:佐別当隆志 
年齢:43歳(1977年生まれ)
仕事:株式会社ADDress代表
走る頻度:週2〜3日、30分5km程度
記録:ハーフマラソン約2時間、フルマラソン約5時間半
連載「Running Up-Date」一覧へ
「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る
礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真


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