Running Up-date Vol.72
2021.05.15
LEISURE

多拠点生活する男の「ワーケーションやリモートワークにランニングがいい」論

ADDress
「Running Up-Date」とは……

ADDressという、定額全国住み放題のサービスをご存じだろうか。月額4万4000円で、全国にある約160以上の物件を好きなときに利用できるというものだ。

南房総のオーシャンフロントハウスから別府の温泉付き別荘まで。自由に使えるシェアハウスがいたるところに点在しているイメージだ。

ワーケーションとも相性のいい、この夢のようなサブスクリプション多拠点生活サービスを手掛けるのは、写真の佐別当(さべっとう)さん。彼自身もADDressのヘビーユーザーでもある。

仕事はリモートワークが中心。刺激的な日々を送る中で、毎日のリズムを整えるルーティンとして大事にしていることがある。

それは1回30分ほどのモーニングランだ。

多拠点生活だからこそ、リズムを整えるルーティンが必要

「1カ月のうち、半分ほどは全国各地にあるADDressの物件で過ごしています。

そうするとオンオフの切り替えが難しく、自分のためだけの時間というか、自分のリズムを作るためのリラックスする時間が重要になってくるんですよ。

そこで打ってつけなのがランニングなんです」。

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多拠点生活を叶えるADDressのサービスをスタートさせてからというもの、早起きをして30分ほど走り、シャワーを浴びて汗を流し、朝ご飯を作って食べ、パソコンへと向かう。このルーティンが自然と出来上がってきた。

「ランニングって心身ともにリラックスできますよね。その気持ち良さにハマってしまい、4、5年前は1時間近い通勤ランを毎日こなしていました。

出勤や帰宅のための移動とランニングを兼ねられるから時間効率がいいし、おまけに満員電車を避けることもできる。

それでついつい走りすぎてしまい、ふくらはぎがプチッといっちゃいました」。

ADDress

走りすぎによる大ケガでギプス生活を余儀なくされ、1カ月ほど満足に歩くことができなかったのだそう。そこで気がついた。

「リラックスのためのランニングとはいえ、毎日のように長距離を走ればそれなりに筋疲労が生じるのも事実です。

何のために走っているのか、これでは本末転倒ではないか? そこからは体の調子に合わせて走るように、ランニングとの向き合い方をアップデートさせました」。

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用法・用量を守って、心と体にいいランニングを!

もともと体を動かすことは大好きで、最近の趣味は休日のトレッキングという佐別当さん。

学生時代からゼーハーするのではない、リラックスしたペースのランニングを実践しており、社会人になってからも手軽に始められるフィットネスとしてランニングを習慣化させていた。

「本格的に走りはじめたのは20代の頃で、会社の仲間と10kmやハーフマラソンのロードレースに出たりもしていました。

最初はチャレンジすることが面白かったんですよね。ハーフマラソンのタイムは2時間くらい。もっとも、今から10年以上も前のことですけれど」。

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走っている間は余計なことを考えないという。反復動作による心地良いスピードに乗って風を感じ、緑を目にするリラックスした時間が過ぎていく。

「それに慣れてくると、リラックスしたニュートラルな状態で物事を考えられるようになります。

仕事モードになっていない状態といいますか。それがほかに代え難いランニングの魅力で、プライベートなことに思いを巡らせたり、アイデアを生み出す時間になる。

昔から自分にとってランニングとはそういうもので、学生時代から好きだったんです」。

ここ1、2年は、5kmくらいのランニングが自分にとって“ちょうどいい”と気がついた。

「1~2時間も運動するなら、走るのではなく自転車がいいですね。

着地衝撃がないぶん、体への負担も少ないですから。最近はちょっとした移動に、折り畳み式自転車を活用しています」。

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今はレースへ参加することもなく、パフォーマンスアップのためでもなく、ただシンプルに、自分のために走っている。

「ビジネスにおけるスタンスも一緒なのですが、勝ち負けには興味がないんです。

競争心だけでなく、向上心もあまり持ちあわせていないと思います(笑)。だからランニングにもそこは求めていません。

スピードや距離を求めたり、自分を追い込んだりすることには興味が持てません。どちらかというと、自分らしい時間や人との会話、交流のための手段ですね。

サウナや温泉にもよく足を運ぶのですが、多拠点生活を満喫するためにも、ひとりの時間を意識的に作るようにしています」。

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リモートワークとランニングは相性がいい

もう少し詳しく聞いてみよう。

「ワーケーションなどを実践して多拠点生活を送っている方であれば同意していただけると思うのですが、移動を伴う生活を送っているとテンションが上がりっぱなしになるんですよね。

新しい出会いや発見があって、他者との交流の時間が増える。好奇心が刺激され、気分がアガります。行動量も、アルコールの量も増えてしまいます」。

躁鬱でいえば躁の時間ばかり、ということだ。佐別当さんもエキサイティングな毎日を送りつつ、何だか疲れてしまうことを自覚していた。

そこで、自分と向き合う時間を作ることで、メンタルをニュートラルに持って行くのだ。

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「そのことに気がついてからは、ひと月のうち10~15日は自宅で過ごすようにしています。

リズムを整えるためのランニングも、同じような理由でスタートさせました」。

大崎にある自宅で過ごす朝は、まだ商店街が活気づく前の戸越銀座を抜けて、文庫の森公園を周回するのが定番のコース。

ADDressで過ごすときも、リズムを整える目的で無理のないランニングを楽しんでいる。

それぞれの場所でお気に入りのランニングコースが増えはじめているそうだ。

「地元の人たちにランニングコースを紹介していただくこともあります。

はじめましての地域をエンジョイするためのランニングですね。走ることはフットワーク軽くできるからいいですよね」。

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そんなこんなで、ランニング歴は軽~く10年以上になる佐別当さん。最後に続けるためのコツを教えてもらおう。

「とにかく、今の自分にとっては30分という時間がちょうどいい。これくらいの時間なら作りやすいし、負荷というか、運動量も適切です。

これが1回1時間は走らなきゃとなると、準備のための着替えやシャワーも入れると1時間半はかかってしまいます。

そうすると、なかなか時間を確保しにくいじゃないですか。そうではなくて、30分しかないならそれに合わせて20分ほど走って、10分で身支度をする。

“ねばならぬ”と考えるのでなく、まずはできる範囲で気軽に取り組むと、生活の中にランニングが根づくと思います」。

リモートワークが当たり前になって、通勤という仕事スイッチの時間がなくなり、どうにもシャンとしない……。

そんな人ほど、新しい生活様式の中でリズムを整えるために走り始めてはいかがだろうか。

ランニングは、その動作自体が一定のリズムを刻むアクティビティなのだから。

ADDress

RUNNER’S FILE 35
氏名:佐別当隆志 
年齢:43歳(1977年生まれ)
仕事:株式会社ADDress代表
走る頻度:週2〜3日、30分5km程度
記録:ハーフマラソン約2時間、フルマラソン約5時間半

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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# ADDress# Running Up-Date# ランニング# ワーケーション# 佐別当隆志
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