Running Up-date Vol.69
2021.04.24
LEISURE

“オジさんランナー”のギア選びの正解。キメずにキマるポイントは?

アンルート

「Running Up-Date」とは……

「走ることは、ぶっちゃけツラい」と、前回のインタビューで忌憚のないコメントを残してくれた沼田真親さん。

飾るところ、強がるところはまるでない。それでもランニングを無理なく習慣化しているランニングライフは、かなり心強い。

この“いい感じ”なスタンスはランニングスタイルにも現れていて、さすがアパレル業界人といった風情だ。

「何気ないけど気が利いている」アンルートのアイテム

アクティビティとシティスタイルをシームレスにつなぐユナイテッドアローズのオリジナルレーベル、アンルートの立ち上げメンバーでもあった沼田さん。

現在は他レーベルであるコーエンにて企画課長を務めているが、ランニング中のウェアは相変わらずアンルートを愛用している。

アンルート
トップスとショーツはアンルート。シューズはオン。キャップはシエル。サングラスはディストリクトビジョン。各々はシンプルだが、トレンドのビッグシルエットで小洒落た雰囲気に。

自分たちなりのランニングスタイルで「あったらいいな」を形にしていたのだから当然だ。

リアルな「欲しい」に根差したそのモノ作りは、ランナーとして信頼が置ける、と言ってもよさそう。

所有しているランニングウェアはモノトーンやグレー系が中心。

「走っていないときの普段のコーディネイトでも、色をたくさん取り入れるほうではないんです。多いのはネイビーやベージュ、ブラック、グレー、オリーブあたり。

メンズファッションのスタンダード的な色がほとんどです。だから走るときも、普段着の延長にある着こなしのほうが気分がいい。オレンジなどの派手なフラッシュカラーは苦手です」。

そもそもご自身のランニングの据え方が、スポーツというよりはライフスタイル&ファッションの一部、なのである。ゆえに今のようなウェア選びになってくるのは必然だ。

アンルート
こなれたシルエットながら、速乾生地やポケットなどのディテールはしっかりとしたランニング向けのスペック。「ラン⇔シティ エステルピケ ショートスリーブTee」7700円、「ラン⇔シティ ナイロンストレッチショーツ」9900円/ともにアンルート(ユナイテッドアローズ 0120-559-652)

「かといって、どんな服でもいいかというと、そうではないんですよね。ちょっと気を遣っているモノがいい。

アンルートを企画していたときにも意識していたポイントで、走るためのTシャツでも、シルエットやデザイン面で気が利いているといいじゃないですか」。

アンルート
小銭やカード類、マスクなどに便利なポケット。斜めのカッティングに沿って設けられているため、スタイリッシュで出し入れもしやすい。

「これは今のメンバーが企画した新作のラグランスリーブTシャツなのですが、フィット感がルーズで、ゆるめのボディサイズになっています。

タイムを狙うときに着られるほどのスペックはないかもしれませんが、自分のランニングスタイルなら全然あり。『ランニングでも街着と同じ感覚の好きなモノを着ている!』という気持ちの面でのメリットが大きく上回っています。

デザインもちょうどよくシンプルなんだけど、縫い目のカットの取り方などが小洒落ていて、センスいいですよね(笑)。ボトムスだけ変えればこのTシャツで街を歩けなくもない」。

デザインが最重要とはいえ、ランニング中に汗ビショにはなりたくないので、コットンの服は着ない。それはボトムスも同じ。

「このショーツの生地はマットな質感で、張り付きがなく、絶妙なシャリ感です。手前味噌で恐縮ですが、アンルートのモノは“ちょうどいい感じ”なんです」。

NEXT PAGE /

より足に優しくなったオンの“スウィフト”を愛用

では、シューズは何をセレクトしているのか。

「最近はオンを履くことが多いですね。クラウドスウィフトを愛用していて、このあいだアップデートがありました。

これもカラーリングが派手でなく、オジさんでも気恥ずかしくならないんです。ファンラン系のクッショニングモデルなのですが、ホースを輪切りにしたようなアウトソールであるクラウドテックの衝撃吸収がよりソフトになりました。

もしかするとミッドソール素材の配合を変えているのか、中足部のクッショニングが増している。新しいモデルのほうが気持ち良く走れるんです。今までのタイプのソールは自分にとってハードだったのかも」。

アンルート
愛用するオンのクラウドスウィフト。

オンがヨーロッパブランドである点もポイント。

「デザインが洗練されていて、とくにカラーリングがいいですよね。アメリカ系ではあまり見ないような、スモーキーな中間色の使い方がウマい。

かつ、新しいテクノロジーも感じさせます。初めて見たときに、スイスらしいプロダクトだなと感じました。機械式時計のように、テクノロジーとデザインが巧みに融合されていますよね」。

アンルート
スポーツキャップブランド、シエルを愛用。こちらもブラック・グレー系が中心。

アンルート時代に使っていたものは、今でも思い入れのあるアイテムが多いという。

ジッパーで2分割できるつくりで、シューズを片足ずつ収納できるバッグもそのひとつ。

アンルート

「例えば、出張先にランニングシューズを持って行きたいとき。シューズバッグってタテヨコにコロンとしてしまうので、意外と場所を取るじゃないですか。

これは半分にセパレートできるんで、トロリーケースの中のちょっとした隙間にしまえるんですよね。ちょっとした工夫かもしれませんが、かさばりがあまり気にならなくなります」。

世界各地のランニングチームのロゴTを作ったこともあって、これもいまだに着続けていいる。

アンルート

「NYのブリッジランナーズ、コペンハーゲンのNBRO、ロンドンのランデムクルー、香港のハーバーランナーズ、東京のAFE、それからアンルート(笑)。

ランニングチームのオリジナルアイテムって、各クルーがそれぞれ好きに作っているものですが、アンルートもそれと同じボディの規格でやらせてもらいました。

この肉厚ボディがまたよく出来ていて、冬でもそれなりに暖かいんです」。

アンルート
右は沼田さんが影響をうけたランニングムック「CORNER」。左がグリーンレーベル リラクシングのときに企画したイベントで配布したZINE。カルチャーとしてのランニングを知ったことが、走るようになったきっかけだ。

ひとつひとつ、こだわりを持って丁寧に選んだアイテムはどこか品が良く、絶妙にリラックスした大人の雰囲気でまとめたスタイルはさすがのひと言。

シリアスなギアは気恥ずかしい。でもシンプルなだけでは野暮ったくなってしまう。

そんな年齢&体型が気になるファンランナー諸君、ここはひとつ、リラックス派の先輩ランナーの知見に耳を傾けてみよう。

アンルート

RUNNER’S FILE 33
氏名:沼田真親 
年齢:50歳(1970年生まれ)
仕事:アパレルメーカー 企画課長
走る頻度:週末に1時間弱
記録:サブ4.5時間(2017年、湘南国際マラソン)

連載「Running Up-Date」一覧へ

「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# アンルート# ランニング# 沼田真親
更に読み込む