より足に優しくなったオンの“スウィフト”を愛用
では、シューズは何をセレクトしているのか。
「最近はオンを履くことが多いですね。クラウドスウィフトを愛用していて、このあいだアップデートがありました。
これもカラーリングが派手でなく、オジさんでも気恥ずかしくならないんです。ファンラン系のクッショニングモデルなのですが、ホースを輪切りにしたようなアウトソールであるクラウドテックの衝撃吸収がよりソフトになりました。
もしかするとミッドソール素材の配合を変えているのか、中足部のクッショニングが増している。新しいモデルのほうが気持ち良く走れるんです。今までのタイプのソールは自分にとってハードだったのかも」。
オンがヨーロッパブランドである点もポイント。
「デザインが洗練されていて、とくにカラーリングがいいですよね。アメリカ系ではあまり見ないような、スモーキーな中間色の使い方がウマい。
かつ、新しいテクノロジーも感じさせます。初めて見たときに、スイスらしいプロダクトだなと感じました。機械式時計のように、テクノロジーとデザインが巧みに融合されていますよね」。
アンルート時代に使っていたものは、今でも思い入れのあるアイテムが多いという。
ジッパーで2分割できるつくりで、シューズを片足ずつ収納できるバッグもそのひとつ。
「例えば、出張先にランニングシューズを持って行きたいとき。シューズバッグってタテヨコにコロンとしてしまうので、意外と場所を取るじゃないですか。
これは半分にセパレートできるんで、トロリーケースの中のちょっとした隙間にしまえるんですよね。ちょっとした工夫かもしれませんが、かさばりがあまり気にならなくなります」。
世界各地のランニングチームのロゴTを作ったこともあって、これもいまだに着続けていいる。
「NYのブリッジランナーズ、コペンハーゲンのNBRO、ロンドンのランデムクルー、香港のハーバーランナーズ、東京のAFE、それからアンルート(笑)。
ランニングチームのオリジナルアイテムって、各クルーがそれぞれ好きに作っているものですが、アンルートもそれと同じボディの規格でやらせてもらいました。
この肉厚ボディがまたよく出来ていて、冬でもそれなりに暖かいんです」。
ひとつひとつ、こだわりを持って丁寧に選んだアイテムはどこか品が良く、絶妙にリラックスした大人の雰囲気でまとめたスタイルはさすがのひと言。
シリアスなギアは気恥ずかしい。でもシンプルなだけでは野暮ったくなってしまう。
そんな年齢&体型が気になるファンランナー諸君、ここはひとつ、リラックス派の先輩ランナーの知見に耳を傾けてみよう。
RUNNER’S FILE 33 氏名:沼田真親 年齢:50歳(1970年生まれ) 仕事:アパレルメーカー 企画課長 走る頻度:週末に1時間弱 記録:サブ4.5時間(2017年、湘南国際マラソン) |
連載「Running Up-Date」一覧へ「Running Up-Date」ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真