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2021.04.10

あそぶ

シブいランナー、イールプロダクツ・澁谷さんが愛用するランニング・ワードローブ

イールプロダクツ
「Running Up-Date」とは……
人気のドメスティックブランド「イールプロダクツ」で、企画とデザインを担当する澁谷文伸さん。
ブランドイメージからすると意外に思うかもしれないが、毎日10kmのランニングをルーティンにしている“シリアス寄り”のランナーだ。
昔からシリアスランナーにとって、アシックスのシューズは絶対的な人気を誇る。
澁谷さんも、走り始めた頃から硬派なイメージが強いアシックスに憧れ、それなりに走れるようになってからは実際に愛用していた。
けれど最近は、とある理由で他ブランドのシューズも履くようになったという。
 

レースのない今、新しいシューズで新しい走法にチャレンジ

「日本ブランドならではのストイックな佇まいと機能に惹かれて、これまでずっと、大事な局面ではアシックスをファーストチョイスにしていました。
フルマラソンで自己ベストを出したときも、アシックスのターサーシリーズ。でも、ここ最近のナイキの記録ラッシュを目にしていると、さすがに『一度は試してみないとな』と、まずはズームフライを履いてみました。
なるほど評判通りのライド感が味わえたのですが、個人的にシューズのクセが強い印象で、このシューズに向いている走り方のスイートスポットが見つけにくいなと感じたんです」。
そこで手にしたのが、1983年に発売され、今日まで37代続くナイキの金字塔「エア ズーム ペガサス37」。
レーシングシューズのヴェイパーフライやアルファフライといったシューズを決戦用として履くアスリートにとっての、デイリートレーナーとして位置付けられているモデルだ。
イールプロダクツ
[左]「エア ズーム ペガサス 37」は汚れが目立ちにくい色をチョイス。[右]夏場に芝生の上を走るときに履く「ルナサンダル」も、フォアフット走法をつかむヒントに。
「ズームフライほどつま先が反り上がっていませんし、接地の感覚もよりダイレクトに感じられるので、反発のリターンをきちんと体感しやすかったんですよね」。
シューズに加え、もうひとつ変えたことがある。ランニング中に音楽を聴くことをやめたのだ。それには走り方をヒールストライクから、フォアフット走法へと変えたことが関係している。
「前足部から着地してパンパン、パンパンと音が出てると、いい具合にフォアフット走法でスピードに乗れている感覚があるんですよ。
一方でかかと部のクッションをもろに使うような走り方だと、スピードを殺してしまううえに“いい音”もあまり出ないんですよね。自分なりに良いフィーリングで走れているかのバロメーターとして足音を聞いているんです」。
イールプロダクツ
前編で話してくれたように、ここ最近はレースへの参加を見合わせている。そんな中で記録の更新とはまた別のテーマで、新しい挑戦をしているのだ。
「定番のランニングコースを走るときは、往路と復路とで風の音の違いだったり、河川敷から聞こえてくる少年野球の喧騒なんかが、ちょうどいいBGMになっています。音楽を聴かずに走るのもなかなかいいんですよ」。


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