筋金入りのキャンパーである俳優・水上剣星さんと1泊2日のキャンプ取材!
3人分のテント設営をわずか45分で完了させた水上さんは、瓶ビールを片手に楽しそうに言う。「そろそろ“焼いて”いきますか」。
百均のスプレーで日本酒を吹く焼き鳥マスターの手さばき
今日の夕食は焼き鳥だ。そう、七輪を楽しむキャンパーは結構多いと思う。炭火で焼けば何でもうまい。
だが剣星さんがアーミーバッグから取り出した七輪は、丸ではなく四角かった。円柱形ではなく横長の直方体だった。まんま焼き鳥の屋台やん。
「ヤバいですよね(笑)。合羽橋の釜浅商店で買いました。このコンパクトな横幅が絶妙なんですよ」。
バーナーで十分に熾した備長炭を七輪に敷き詰めていく。串が焦げ付かないよう焼き台にごま油を薄く塗り付け、十分に熱する。焼く前直前、仕込んだ串にスプレーでプシュッと何かをひと吹き。
「日本酒です。これをやるとやらないとでは、ひと味違いますよ」。
炭火の強さを見ながら、ちょこちょこと串を入れ替えては裏返し、裏返しては入れ替える。まさに屋台のオヤジである。
正肉は塩で。ぼんじりには自家製のタレを、日本酒と同じ百均のスプレーでプシュッと。
「焼けましたよ。熱いうちに」。そのうまさを文字に書き起こすのは野暮というものだろう。
「昔からなぜか食べ物屋さんに憧れていました。だからキャンプで食事担当を買って出たのかも。こんなふうに焼き鳥屋にもなりますし、プレートを出してもんじゃ屋にもなります。
究極の“ごっこ”を楽しみたいから、その道具にはとことんこだわっちゃいますね」。
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