「Tシャツは男の快楽だ」特集 Vol.24
2021.06.12
LEISURE

「シンプルに楽しめばいいだけ」ザ ・サーファーズ・ジャーナル創刊者に聞くサーフィンの神髄

サーファーはいつの時代もユニークな存在で、サーフィンはただのスポーツとしてはくくれない不思議な魅力を持つ。そしてそこには文化的な深さを伝えるジャーナリズムが存在する。

30年という長きにわたってその役割を担ってきた雑誌が「ザ ・サーファーズ・ジャーナル」だ。それはどんな役割を果たしてきたのか。そして、サーフィン、サーファー、サーフカルチャーとは。創刊者であるスティーブ・ペズマンに話を聞いてみた。

創刊者、元編集長(1992〜’98年)
スティーブ・ペズマンさん
カリフォルニア州生まれ。世界初のサーフィン雑誌「サーファー」の2代目編集長を務める。その後1992年に「ザ ・サーファーズ・ジャーナル(TSJ)」を創刊。サーフィンが持つ本質的な豊かさを人々に伝えるために生涯をかけて尽力している。

 

サーフィンと「ジャーナリズム」

「THE SURFER’S JOURNAL」創刊者が考えるサーフィンと“ジャーナリズム”の関係

「サーフィンをしたいという衝動とそこで得られる感動や喜びは、経済的な概念から完全にかけ離れているべきだというのが私の意見」。

そう語ってくれたのは、1992年に創刊した「ザ ・サーファーズ・ジャーナル」の初代編集長スティーブ・ペズマン。’62年に創刊した世界で最初のサーフィン雑誌、「サーファー」でも編集長を務めた人物だ。

「21年間働いた『サーファー』を退いたあと、私はサーフィンに対して今までとは異なるアプローチを持つメディアを作り、再出発を飾りたいと思った。

それには他誌を超える新しい視座に立ってコンテンツを発見し、新しい読者層を開拓する必要があった。しかもそれは限られた経済的条件の中で行わなければならない。

以前から波に乗るという行為を洗練されたアングルで、アートとして捉えたいと思っていた。だから私は、誌面において広告主をサポートするプラットフォームを最小限にし、できる限りコンテンツのためにスペースを割くようにした。

そして控えめなギャラでも寄稿者たちが刺激され、誌面が活性化するような形を作った」。

なるほど、サーフィンは海にパドルアウトすれば、陸上の価値観からは解放される。そんな中で人々は楽しさを感じるからこそ、経済と距離を置き、「楽しさ」について本質的に考えるジャーナリズムがサーフィンには必要だったわけだ。

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「例えばスポーツ競技としてのサーフィンもオリジナルのスピリットはピュアなものだったと思う。だが周囲の商業的な利益を追求する連中のおかげでそれは汚されてしまった。

なんでもかんでもパッケージし、プロモートして商売にしてしまうという世の中の一般的なスポーツの傾向から、サーフィンは離れていることが理想的だと思う」。

そんなペズマンが思うサーファーとは、どんな人をいうのだろうか。なんだかとてもハードルが高そうな気がするが……。

「サーファーという人種は、どんなレベルであるにせよ、波に乗るという経験を通して、さまざまな側面から感動を授かった人々を指す。

難しいことはない。サーフィンをシンプルに楽しめばいいだけ。そういう人がますます増えてほしいと願うよ」。

創刊30周年最新号の表紙はこれ!

ペズマンいわく、サーフィンにおけるジャーナリズム精神とは「波に乗るという行為から授かる成果を表現すること。そして、そこに共感を生みだすこと」。

毎号1ページ目には「ピープル、カルチャー、トラベル、アート」という言葉が添えられている「ザ ・サーファーズ・ジャーナル」。サーフィンの世界を彩るそれらのテーマを切り口に、彼らは息をのむほど美しい写真と練り上げられた文章をもって、サーフィンの神髄を伝え続けている。

そうしてサーフィンの魅力を誌面に表現して30年。サーフィンのあるライフスタイルの豊かさを伝えようとしてきた我々オーシャンズも、そのマインドに共感せずにいられない。これからもますますサーフィンは楽しくなっていくはずだから。

 

PEDRO GOMES、熊野淳司、高橋賢勇、清水健吾、鈴木泰之、柏田テツヲ=写真 小山内 隆、高橋 淳、大関祐詞=編集・文 加瀬友重、菅 明美=文

# ザ ・サーファーズ・ジャーナル# サーフィン
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