「例えばスポーツ競技としてのサーフィンもオリジナルのスピリットはピュアなものだったと思う。だが周囲の商業的な利益を追求する連中のおかげでそれは汚されてしまった。
なんでもかんでもパッケージし、プロモートして商売にしてしまうという世の中の一般的なスポーツの傾向から、サーフィンは離れていることが理想的だと思う」。
そんなペズマンが思うサーファーとは、どんな人をいうのだろうか。なんだかとてもハードルが高そうな気がするが……。
「サーファーという人種は、どんなレベルであるにせよ、波に乗るという経験を通して、さまざまな側面から感動を授かった人々を指す。
難しいことはない。サーフィンをシンプルに楽しめばいいだけ。そういう人がますます増えてほしいと願うよ」。
ペズマンいわく、サーフィンにおけるジャーナリズム精神とは「波に乗るという行為から授かる成果を表現すること。そして、そこに共感を生みだすこと」。
毎号1ページ目には「ピープル、カルチャー、トラベル、アート」という言葉が添えられている「ザ ・サーファーズ・ジャーナル」。サーフィンの世界を彩るそれらのテーマを切り口に、彼らは息をのむほど美しい写真と練り上げられた文章をもって、サーフィンの神髄を伝え続けている。
そうしてサーフィンの魅力を誌面に表現して30年。サーフィンのあるライフスタイルの豊かさを伝えようとしてきた我々オーシャンズも、そのマインドに共感せずにいられない。これからもますますサーフィンは楽しくなっていくはずだから。
PEDRO GOMES、熊野淳司、高橋賢勇、清水健吾、鈴木泰之、柏田テツヲ=写真 小山内 隆、高橋 淳、大関祐詞=編集・文 加瀬友重、菅 明美=文