2021.01.16
LEISURE

オン・ジャパン田中さんが一番よく履く“ランシュー”と役立つ“服とギア”

田中利栄

「Running Up-Date」とは……

ファッション業界人やギアにこだわるランナーを中心にファンを広げるスイス生まれの新進ランニングシューズ「オン」に勤める田中さんは、前編でお話ししたとおり、最初はアパレルショップのバイヤーとしてオンのシューズに出合った。

オンの可能性にイチ早く着目し、転職するまでになった審美眼の高さは、業界でも一目置かれている。

 

走るときでもオシャレにこだわりたい

「雲の上の走り」と形容される独特の履き心地のオン。ホースを何本も連ねて輪切りにしたような、オリジナリティ溢れる中空構造のソールを持つシューズで知られているが、今ではアパレルも扱っている。

田中利栄
シューズとウェアはオン。グローブはアイスブレーカー、ソックスはスタンス。

「ランニングウェアに関してはダークな色が好みで、その点オンのウェアはカラーリングが絶妙です。シューズに合わせたシンプルデザインなので気に入っています。

例えばオンのアパレルがスタートしたときから定番として展開されているハイブリッドショーツ。インナータイツが2in1で付属していて、それぞれ単体でも使えるのですが、タイツにはサイドにスマートフォンサイズの収納用ポケットがあります。

かたやショーツは街着のように手を突っ込めるタイプのサイドポケットが装備され、これがカギやジェルなどちょっとしたモノを入れるのにとっても便利なんですよね」。

デザインと機能性のマッチング。しかもそれがさりげなく、というのが田中さんの琴線に触れている。スイスエンジニアリングを掲げるだけはある。

田中利栄
右から「ウェザーベスト」1万4000円、「ウェザーシャツ」1万3000円、「ハイブリッドショーツ」1万円/すべてオン(オン・ジャパン 050-3196-4189)

ハーフジップの「ウェザーシャツ」は、手首部分にサムループが設けられ、手首まで覆ってグローブ代わりにも使えるデザイン。

そのうえで時計を確認するウォッチウィンドウ用のスリットが隠されているため、タイムの確認でいちいち腕まくりをする必要がない。

「ランニングウェアとしては珍しいかもしれませんが、ベストが用意されているところも気に入っています。

袖がない分コンパクトに丸まり、持ち運びしやすいのですが、前身ごろが撥水&耐風性の高い素材なので、冬場でもそこそこの保温力が期待できます。ベストだから腕振りにもあまり干渉しない点も良いんですよ」。

さすが元アパレルバイヤー、ベストをレイヤードするという視点がひと味違う。

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オンの社員が今、一番気に入っているシューズは

田中さんが所有するオンのシューズのなかで、ここのところ登板率が高くなっているのが「クラウドスタラトス」だ。

オンのシューズを履いたことがない人にとっては、中空構造のソール・クラウドテックにクニャッと沈み込むようなクッショニングを想像させるかもしれないが、いざ着地してみると想像以上に反発力も備えた安定感のあるソールだ。

体育で跳び箱の授業のときに使ったロイター板を思い出してみてほしい。クラウドストラトスはそのクラウドテックが二層構造になり、ひと際ボリュームがある。

「最近、脚を痛めてしまっているのでウルトラクッショニングのこのモデルを選んでいるところもありますが、ボリューム感を活かして普段のファッションにも合わせやすい点が気に入っています。

仕事終わりにサクッと走ろうかなという日には最適。接地時の安定感が高いので、歩くのにもラクなんですよ。移動の多い出張時にも、ついついこのモデルを履いてしまいます」。

田中利栄
全ラインナップのなかで最もクッショニング性能に秀でる「クラウドストラトス」1万6800円/オン(オン・ジャパン 050-3196-4189)。

シューレースを通す穴の位置の先端、つま先部分が左右非対称になっており、締め付けの圧をたくみに分散させている。長時間の着用でも快適だ。

「ソックスはスタンスというアメリカのブランドのものなのですが、パフォーマンス用でありながら丈の長さやデザインが良いので、カジュアルっぽく履けます。

もちろんオンのソックスもよく履きますが、シンプルなシューズに対してソックスの色で遊ぶコーディネイトも好きなので、こういうファッション性の高いソックスを合わせることも多いんです」。

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40代になってから気がついた、肌に優しい素材選び

「この冬はメリノウール素材で知られるブランド、アイスブレーカーのグローブを使っています。今まではフリースなど化繊のグローブを使っていたのですが、年齢のせいか年々カサカサが気になるようになってきて。

とくに指先の乾燥がひどいので、保湿性と吸湿性のバランスのいい天然繊維のウールがブレンドされたこのグローブにしました。直で肌に触れるアンダーウェアも、化繊のものが苦手なんですよ。

今のところ化繊特有のイヤなカサカサ感がないですし、薄手なのに暖かい。かといって汗がこもって蒸れることもありません」。

田中利栄

「サングラスはNYのディストリクト ヴィジョンというブランドのもので、このティアドロップ型のほかに3つほど所有して使い回しています。

世界的なメガネの名産地である福井県の鯖江市で作られていて、とても軽く、かけ心地が良いんですよ。サイズ的にも自分の頭にフィットしています。

走ってる途中にズレたり、キツくて痛みが出るようだとサングラスをしている意味が半減してしまいますから」。

いわゆるアビエータータイプのフレームは、スポーツサングラスとしては貴重な存在。サングラスは一般的にその人の顔に似合う型、似合いにくい型があると言われるけれど、その点もよく心得た元アパレルバイヤーらしいチョイスだ。

田中利栄

時間を決めずにのんびりジョグするときには音楽を聴く。

「イヤホンはオンとバング&オルフセンがコラボレーションしたモデルで、低音がそれなりに鳴ってくれるのが良い。まるでヘッドフォンをしているような聴こえ方です。ポッドキャストの声もちゃんと聞こえます」。

とまあ、いろいろ参考になるギア選びだが、最後に、自分なりのお気に入りに出合うために心がけているポイントを聞いてみた。

「そうですね、どんなギアだろうとオンラインで買えてしまう便利な世の中ですが、なるべく現物を見て購入するようにしています。

良い靴下はないかなと探しに行って見つけることもあれば、ぶらぶらしているときに偶然見かけて、店員さんに教わって出合うということもあります。

特定のブランドが気になっているのであればそのブランドのサイトを見ればいいのかもしれませんが、リアル店舗ではライバルメーカーのアイテムと比較検討しやすいですからね。その方が選び方としてしっくりくるんです」。

当たり前っちゃあ当たり前だけど、それをちゃんと実践している好奇心とフットワークの軽さが良い!

そんな田中さんが惚れたオンのシューズ&ウェア。もし少しでも気になったのなら、そのカンを大事にして一度試してみてはいかが?

田中利栄

RUNNER’S FILE 26
氏名:田中利栄 
年齢:42歳(1977年生まれ)
仕事:オン・ジャパン キーアカウントマネージャー
走る頻度:故障のため最近は週1回ほど
記録:フルマラソン3時間9分50秒(2018年、湘南国際マラソン)

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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# オン# Running Up-Date# スタンス# バング&オルフセン# ランニング
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