Running Up-date Vol.50
2020.12.12
LEISURE

「走りたいときだけ走る」男の、スパイスやサウナに通じる体を整えるランニング術

ブランデッド

「Running Up-Date」とは……

「スパイスって一般的にはカレーや刺激物のイメージが強いと思うのですが、実際はむしろその逆で、とても健康的なものなんです」。

えっ、そうなんですか?

「ハーブに似ていると言えばイメージしていただきやすいでしょうか。体調を整える働きがあって、例えばガラムマサラには整腸作用があるので、お腹を壊したときに。固形のシナモンは湿気を取ってくれるのでジメジメしたときに良い」。

って、スパイスとランニングって何かしら繋がっているの? 一見まったく関係がないようでいて、宮本哲明さん的には少しばかり関係があるようだ。まずもって、ファッションのPRなどを手掛ける自身の会社を「宮本スパイス」と名乗っているのだから。

「走るモード」が訪れた時期にだけ、ランナーになる

「昔から“走るモード”が断続的に訪れていまして、最初に習慣的に走っていたのは学生の頃です。中学、高校とバスケットボール部だったのですが、走ることが得意で、校内マラソンで良い成績を残していたんですよね。

そこで駅伝大会の助っ人メンバーとして声がかかり、陸上部にまじって走り込んでいました。体を動かすことが好きで、長距離を走ることも楽しかったです」。

ブランデッド

その後ユナイテッドアローズに就職し、クロージングの店舗で販売を3年、メンズプレスを8年ほど務めることになる。

「そのときも走ってましたね。といっても自分の場合は週1回などと決めて走るのではなく、ある一定の期間、走るモードが高まるときがふいに訪れるんです。

そのときどきで走るモチベーションも異なっていて、例えばユナイテッドアローズでアンルートというスポーツミックスのショップをやっていたときは、グループで走るのが楽しくて走っていました。一方で走るモードになっていないときは本当に一歩も走りません。だからランナーと呼んでいただくのはおこがましいのですが……」。

シリアスランナーにしばしば見受けられる求道者然としたイメージは、宮本さんにはまったく当てはまらない。

好奇心のストライクゾーンが広く、ファッションはもとより食や料理にも活動の幅を広げている。

プレス在任中から飲食店の厨房で和食の勉強をしていたほどで、独立してからはケータリングの仕事をすることもある。そしてここ何年かはスパイス料理の魅力にハマりこんでしまった。

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サウナとランニングには共通点がある

「スパイス料理は本当に奥が深くって、まだまだ師匠に教わりながら学びを深めているとこです。ヨーロッパや中華、オリエンタルなどさまざまな料理に使えますし、ブレンドで国が表現できるんですよ。

例えばほら、カレーひとつとってもインド風、ヨーロッパ風とありますよね。そのブレンド具合にはこうしなきゃいけないというルールはなくって、強いて言えば自分がピンときたブレンドはどれも正解なんです。

ちなみにブレンドって単に混ぜる(ミックス)のとは違って、各々の個性を引き立てながら新たな価値あるものを作り出すことなんですね」。

ブランデッド

走るモードが訪れるのは、決まって“忙しいとき”だという。

「疲れているとき、と言い換えてもいいかもしれません。走るとモヤモヤから解放され、頭の中のごちゃごちゃしたものが吹き飛ぶんですよ。

それに通ずるかもしれませんが、銭湯に行くのが好きで、多いときは週3回ペースで通うこともあります。サウナに入って、汗をかいたあとに水風呂でプアーッと流す。ランニングの解放感もそれに近いです。

リラックスしたときは良いアイデアがひらめきやすいので、深夜に銭湯へと駆けつけ、2時ごろまで浸かってタクシーで帰宅するというときもありますよ」。

ブランデッド

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スパイスアップ アワー ライフがテーマ

宮本さんの会社「宮本スパイス」では、2020年の12月から「ブランデット」という新しいショールームをスタートさせる。

さまざまなブランドから委託を受けたファッションアイテムのPRが業務の柱となるが、メディア関係者やスタイリストだけが見ることのできたPRショールームの形態に加え、小売店向けの展示会、一般消費者に向けてのショップとしての機能など、さまざまな顔を兼ね備えた場を思い描いている。

ブランデッド

「バイヤーも、スタイリストも、雑誌編集者も、お客さんも、先輩・後輩や友達も、ショールーム機能も販売も、とにかくそういった既存の垣根をとっぱらってみたいなと。

『ブランデット』という名前には、デンマーク語で混ざった、ブレンドされたという意があります」。

学生時代にはいろいろなスポーツに挑戦したというだけあって、フットワークはやっぱり、抜群に軽い。

「こうして振り返ってみると、今の生活も走ることと共通するところがあって、そのときやりたいと思ったことをやるっていうスタイルになっていますね。

仕事も大手セレクトショップで働いたり、食の世界に飛び込んだり、独立してPR業をしたり、新しいショールームを立ち上げたりといろいろやっていますが、根本にあるのは“スパイスアップしたい”というところ。

関わっているあれやこれやをどうやったら楽しくできるか、というのを常に考えています」。

ブランデッド

直近ではコロナ禍のタイミングで走るモードが訪れたのだそう。走りたくなる時間帯は夜で、自宅から近い多摩川沿いのコースなどを走っていた。

「最近は“無になりたい”というのが走るモチベーションになっています。余計な小物などは持たず、アプリでログを取ることもなく、身ひとつになって無になる。あるいは考えを巡らせる。

考えごとをするのにはいい時間ですよね。そういうときは早めに帰宅して走ります。時間にすると20~40分くらいが多いでしょうか。体の欲するままに、リラックスしたジョグペースで。これは確実に昔とは違う走り方なんです」。

そのときどきの自分のフィジカル、メンタル的なコンディションに合わせて走り方をアップデートさせる。だから結果的に、学生時代から一度も“卒業”することなくランニングと付き合っている。

走ることは自由なこと。宮本さん、十分立派な「ランナー」ですよ!!

ブランデッド

RUNNER’S FILE 24
氏名:宮本哲明 
年齢:37歳(1983年生まれ)
仕事:ブランデッド ディレクター
走る頻度:とくに決まっておらず、気ままに
記録:レースへの参加はとくになし

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「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る

礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真

# Running Up-Date# サウナ# スパイス# ブランデッド# ランニング# 宮本哲明
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