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2020.11.28

あそぶ

「結果にこだわらずに楽しめるのがランニング」サーファーランナーの気付き

郡山総平 
「Running Up-Date」とは……
鎌倉からひと山こえた場所にある逗子市は、鎌倉やその西側の湘南エリアと比べると、どこかとなくのんびりとした空気が漂っている。海にも山にも近く、マイペースでアウトドアスポーツを楽しむ人たちが多い。
そんな街の駅前で、ヘルシーかつ食べ応えのあるメニューで地元のランナーから愛されるデリがある。その名もエイドキッチン。マラソン大会の給水所にあたる「エイドステーション」が名前の由来だ。

トレイルランの下りは、まるでサーフィンのような疾走感!

エイドキッチンでオーナーシェフを務める郡山総平 さんは、自分の店にこんな名前をつけるくらいなので、もちろんランナーだ。
しかも、ウルトラマラソンやトレイルランを走ってしまうラン歴10年超のベテランで、休日になれば夫婦でいい波を求めて出かけるサーファーでもある。
郡山総平 
「走り始めたきっかけは、葉山の海のそばにあるアウトドアフィットネスクラブ『BEACH葉山』を見つけたこと。海をのぞむ芝生の上でヨガをしている写真が目にとまって、ビビッときちゃったんです。当時はまだ東京で会社員をしていたのですが、週末になるたび逗子・葉山界隈まで通っていました」。
BEACH葉山ではヨガなどのスタジオプログラムのほかに、マリンスポーツやマウンテンスポーツプログラムも提供していた。
「そのうちのひとつにトレイルランがあって『何だこれは』と。今でも覚えているのですが、ビギナ―向けのプログラムとして鎌倉のトレイルを10kmほど走ったんですね。それまでの人生の最長走行距離が、学校のマラソン大会で走った3kmだったのに。
ところがいざ走ってみたら、あれよあれよと走れてしまったんです。トレイルの下りの凹凸にあわせて走るのはサーフィンのような疾走感があって、目的地に辿り着いたときの達成感たるや。もちろんラン後の疲労は尋常じゃなかったんですけど、一発でトレイルランにハマりました」。
郡山総平 
トレイルランは舗装路を走るマラソンと違って、上り坂で歩くのはごく当たり前のことだし、ペースが速くなくても十二分に楽しめる。郡山さんも初めての鎌倉ランの1カ月後には、富士山の20kmランのプログラムに参加し、3カ月後には仲間と50kmのレースに挑戦するまでに。
「振り返ってみると、ずいぶんとムチャなことしたよなと感じますが、福島県の安達太良山で行われたアップダウンの激しいコースだったんですよね。もちろんコテンパにされました(笑)。でも、それでなおさら火がつきましたね」。
走力アップのためにマラソン的なトレーニングにも取り組むようになり、ますます走ることハマっていった。そしてある日、ランニングには180度振れ幅の違う2種類の楽しみ方があることに気づく。


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