Camp Gear Note Vol.59
2020.09.13
LEISURE

世の中には2種類のクーラーボックスしかない。“AOCoolersか、それ以外か”

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「Camp Gear Note」とは……

大自然の中で飲む冷たいビールが、キャンプに出かける主な目的のひとつになっている方は少なくないだろう。快適なキャンプを目指すなら、キッチンギアの中でもクーラーボックスが重要であることは、ベテランキャンパーには周知の事実だ。

前回述べたようにクーラーボックスは、ハードタイプとソフトタイプ、それぞれ長所の異なる2種類に分けられる。購入時には、誰もがどちらを選ぶべきかで悩むはず。

そんなときは、アメリカ生まれのブランド「エーオークーラーズ(AOCoolers)」を選んでおけば間違いない。彼らが手掛けるのはハードとソフト、両者の長所を兼ね備えたクーラーボックスなのだから。

 

食肉産業や水産業向けに誕生したプロユース

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高次元の保冷力と耐久性が求められる業務用として生まれたことからも、その実力のほどがわかる。

エーオークーラーズは、1990年に食肉産業や水産業の業者向け、つまりプロ仕様のクーラーを専門に手掛けるブランドとしてスタートした。

開発時に求められたのは、「食品をしっかりと保冷した状態で、いかに負荷をかけずに運搬できるか」。

ハードタイプのクーラーボックスを作る技術やノウハウはあったものの、プロの要望を満たすためには軽さも不可欠。そこで生み出されたのが、ハードタイプ並みの高い保冷力を備えつつ、ソフトタイプの利点である軽さと取り扱いやすさを併せ持った製品だった。

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断熱フォームを中心に5層構造に仕上げることで、高い保冷力と耐久性を実現した。

現在の市場には、数日経っても板氷が解けないほどの高い保冷力を売りにしたハードタイプの大きなクーラーボックスが少なくない。

しかし、私たちが1泊2日のファミリーキャンプに出かけるのに、そこまでの保冷力やサイズは本当に必要だろうか。実用性を考えると、じつは2、3日食材をキープできる保冷力があれば十分なのだ。さらに、巨大なピックアップトラックにでも乗っていない限り、車載時や保管時のスペースが少なくて済むほうが現実的だ。

そんな理由から、エーオークーラーズの手掛けるクーラーボックスは、日本上陸から数年で急速にキャンパーの間で市民権を得ていった。

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ハードタイプ並みの保冷力を発揮できる理由

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19mmという極厚の断熱材を採用している。他のソフトクーラーと触り比べてみると、その差は歴然。

同社の特徴は、なんといってもソフトタイプとは思えないほどの高い保冷力にある。

プロユースに耐え得るよう、開発初期からさまざまな試行錯誤や探究を重ねてたどり着いた答えが、従来製品の約3倍も厚みがある高密度のポリエチレンフォームを断熱材に採用することだった。結果、断熱効果は約2倍にまで高まり、外からの衝撃を和らげる役割も果たしている。

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環境に優しいTPUライナーは、引き出して洗うこともできるので手入れも楽々。

さらに、それぞれに役割を持たせた5層構造で仕上げ、軽量かつ耐久性も高い造りに仕上げている。

実物を触ってみると、フォーム材のしっかりとした厚みの違いは明らか。さらにインナーのビニールライナーにまったく縫い目がないことにも気がつく。縫い目がないので冷気が逃げず、保冷力を高めるだけでなく、結露や水漏れも防ぐ。これは贅沢な構造だ。

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[写真左上から時計回りに]ジッパーとサイドのバックルを止めることで、きっちりと冷気を閉じ込める構造。

さらに、ジッパーを閉めて終わりではなく、冷気の逃げやすい出入口の両端を折り返して、サイドのバックルで止める独自構造を採用している。

これにより、コンパクトに収まり、内部の機密性も高まるため、さらに保冷力を高めているのである。

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ソフトタイプならではの扱いやすさ

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女性でも使いやすいことは、開発時に意識しているポイントのひとつだそう。

性能はもちろんのこと、スマートなデザインや、持ち運びやすく軽量なことも、このブランドが支持を集める大きな理由のひとつとなっている。

女性キャンパーが増加中のなか、扱いやすいスペックである点も見逃せない。

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保冷剤と中身をパンパンに詰めて6kgほど。これなら子供でもお手伝いできる重さだ。

同社のサイズ展開は、持ち運べる350ml缶の本数を基準に設定されている。例えば、上の写真のモデルはコンパクトな12パックサイズ(約11L)で12本の350ml缶を収納可能。

本体の重さは1361gと軽量で、肩がけできるショルダーストラップも付属しているので、女性や子供でも持ち運びやすい。

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左が12パックサイズ。右がいちばん人気の24パックサイズ。

ソフトタイプの利点であるコンパクトさを活かすためにも、飲み物、食材用に小さめサイズの2つ使いが人気を集めているそうだ。

いちばん人気のサイズは、写真右の24パックサイズ(約23L)。1泊2日のファミリーキャンプなら、12パックと2つあれば十二分。

サイズ違いで揃えておくと、使用後は小さい方を内部に収納することもできる。これもソフトタイプならではの利点だろう。

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24パックサイズ内に、畳まなくても12パックサイズのクーラーがすっぽり収まる。
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エーオークーラーズか、それ以外か

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モッシーオーク(ブレイクアップ柄)がプリントされたラインも、発売以来人気を集めるシリーズのひとつ。

ほかにはない柄やカラー展開も人気を博している。

2020年には、オレンジとサンドトープが新色として登場。1200デニールと抜群の耐摩耗性を誇る表生地を採用した「バリスティックシリーズ」も発売になった。

次なる新製品は、来年の春先にリリースされる予定とのことなので、首を長くして待ちたい。

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左2つが2020年からラインナップに加わった新色。右端のバリスティックシリーズは次回詳しく解説する。

日本での取引を開始するにあたり、現地の担当者に「他社のソフトクーラーと比べてどう違うの?」と尋ねたところ、「ほかのソフトクーラーと比べられても困る。比べるならハードクーラーと比べて欲しい」との返事が届いたそうだ。

彼らにはハードクーラーかソフトクーラーかという既成の概念はなく、純粋に「最高のクーラーボックス」を作っている。

あなたが持っているのは、エーオークーラーズ? それともそれ以外?

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[問い合わせ]
ビッグウイング
06-6167-3005
www.bigwing.co.jp

「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る

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池田 圭=取材・文 宇佐美博之=写真

# AOCoolers# Camp Gear Note# キャンプ# クーラーボックス
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