Camp Gear Note Vol.56
2020.08.23
LEISURE

汚してナンボ? できるキャンパーに「グリップスワニー」が選ばれ続ける理由

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「Camp Gear Note」とは……

ここ数年のキャンプブームを経て、市場には個性的な道具が溢れるようになった。テントやタープ、焚き火台にチェア。キャンパーたちはそれぞれ独自のスタイルを主張ためにも、そのセレクトにこだわり、頭を悩ませる。

しかし、これだけさまざまな道具が普及したにも関わらず、イケてるキャンパーの手元を覗いてみると、彼らの愛用するグローブはほぼ一択と言っていい。かなりの確率で、黄色が特徴的な「グリップスワニー」のレザーグローブを使っているのだ。

「スワニーイエロー」は、必要から生まれた実用的なカラーだった

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グリップスワニーを象徴する美しいイエローレザー。じつは、この色には実用的な理由がある。

ブランドが誕生したのは、ゴールドラッシュに沸く1848年のアメリカだった。一攫千金を狙う採掘者のために、丈夫なバッファロー革で作ったグローブが始まりだ。

創業年は、のちに電球を発明するトーマス・エジソンが生まれた翌年。鉱脈の採掘作業は、当然まだ明かりの少ない環境下で行われていた。

そんな薄暗い中で落としてしまっても見つけやすくするために、革を黄色に染めるアイデアが生まれたそう。この独特な黄色は「スワニーイエロー」と呼ばれ、現行モデルにも引き継がれてブランドを象徴する特徴となっている。

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開拓者時代から始まり170年以上。これほど長い歴史を持つアウトドアブランドはほかにないだろう。

1970年代に入ると、デュポン社が開発した強靭なケブラー糸を縫製に採用し始めた。また独自のガンセット製法(立体裁断)を用いて縫い目を外に配置したことで、縫い代が手に当たらなくなり、着用時のストレスを軽減することに成功。アメリカ国内のキャンプ人気も手伝い、グリップスワニーはさらにその認知を広げていった。

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日本の職人が手掛ける日本人仕様へとシフトチェンジ

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活躍の場を鉱山からキャンプに移しても、グローブに求められるタフさは変わらない。

日本にやってきたのは1983年のこと。

世は空前の第一次キャンプブーム。当時、日本にはまだレザーのワークグローブはなく、キャンプやバイク用のグローブとして上陸したグリップスワニーは、耳の早いキャンパーを中心に愛用者を増やしていった。

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縫い目を外に配置することで、着用時のストレスを軽減。デザイン的なアクセントという副産物も生まれた。

しかし、愛用者の増加と共に、ある問題点が浮かび上がってきた。欧米人向きの造りが、体の小さな日本人には決定的に合わないのだ。

そこで2年後の1985年、日本仕様の製品を作るために国内生産が始まった。

まず、サイズを日本人の手に合わせて調整するために、すべての品番の金型をイチから作り直したそう。結果、革のなめしもより柔らかい仕様に変更された。

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現在は、カラー展開は豊富に揃う。でも、やっぱりキャンパーならイエローでしょ。

以来、現在も当時と同じ製法、同じ素材で国内の職人の手によって、一つひとつ丁寧に手縫いで仕上げられている。

アメリカ生まれのグローブではあるが、日本人の手に驚くほど馴染む抜群のフィット感。その秘密は、日本人の手で日本人のために作られているからなのだ。

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品質に対する絶対の自信を示す永久保証

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使い込むほどに味わいが増していく。使い捨ての量産品にはない、道具の楽しみ方と言えよう。

前述の通り、グローブ製品の縫製には宇宙開発時代に生まれたケブラー糸が使われている。ケブラー糸とは、538℃の耐熱性があり、同じ重さの鋼鉄と比べて5倍の強度を誇る魔法の繊維である。

グリップスワニーは、世界で初めてこの繊維をグローブの縫い糸に採用。ホツレを従来製品の0.8%にまで軽減することに成功した。

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使用後は濡れタオルで汚れを落としてから陰干ししたり、ミンクオイルを塗って革に栄養を与えてやるのが長持ちの秘訣。

この縫製に対する絶対の自信は、ホツレに対して設けられている保証からも明らか。保証書に記載された縫製の保証期間は、「グローブの皮革が破れるまで」。つまり、実質の永久保証である。

読み解けば、それだけ長く愛用できるということ。味のある黄色いグローブがキャンプ場に溢れる理由がよくわかる。

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「キャンプウェア」と「焚き火ウェア」という新提案

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2010年以前は、「キャンプウェア」、「焚き火ウェア」という概念自体がなかった。

グローブだけでなく、2010年から提案し始めた「キャンプウェア」にも注目したい。

どの製品も収納用の大型ポケットを数多く備えていることが特徴で、グローブ以外のキャンプ小物もたっぷり収納可能。街で着るならば、バッグを持たず手ぶらで出かけられる利便性も話題となり、人気ブランドの仲間入りを果たした。

「アトモス」や「バンブーシュート」など、オーシャンズ読者にもお馴染みの人気セレクトショップとのコラボにも積極的。認知度の高まりと共に年々ラインナップは拡大中で、今年の秋には約100型ほどになるそうだ。

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従来のポケットの概念を覆すような、超大容量収納が彼らの提唱する「キャンプウェア」の特徴。
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いちいち火の粉を気にしていたら、存分に焚き火を楽しむことはできない。

キャンプではアウトドア用ウェアを選びがちだが、じつは機能性を追求した化繊素材は火という弱点があり、キャンプには不向き。フリースジャケットやナイロン製のシェルジャケットを焚き火の前で着ると、火の粉が飛んであっという間に穴が開いてしまう。

そこでグリップスワニーが「キャンプウェア」と共に提案しているのが、「焚き火ウェア」なるジャンルだ。

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万が一炎に接しても溶解せず、炭化することで事故から身を守ることができる。

このシリーズは、独自に開発した難燃性素材「ファイアーシールド」を用いたもの。多少の火の粉ならばものともしない、頼もしい造りに仕上げられている。手持ちの服の上から被るだけでOKの便利なポンチョタイプもあり、焚き火の前でも安心して過ごすことができる。

グローブからウェアまで、グリップスワニー製品に共通する魅力は、細かいことを気にせず、ガンガン使えるタフさに尽きる。使い込むほどに唯一無二の表情に育ち、味わいが深まっていく。汚れることまで一緒に楽しめる、まさに愛すべき「道具」なのだ。

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[問い合わせ]
スワニー販売
03-3306-1411
www.grip-swany.co.jp

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「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る

池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真
 

# Camp Gear Note# キャンプ# グリップスワニー# グローブ# 焚き火
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