「Running Up-Date」とは……全国の販売員が接客のスキルを競う「SC接客ロールプレイングコンテスト全国大会」が毎年開催されていることをご存じだろうか? この手の大会でもっとも規模の大きく、参加者は1万人以上。ファッション販売のみならず、飲食やサービス業までを含め、ショッピングセンター等に出店しているすべての業種のショップスタッフが接客のスキルを競うコンテストだ。
シップス銀座店のメンズカジュアルフロアに勤務する椛澤 翔さんは、2018年1月に開かれた第23回大会で見事、大賞に輝いた。すなわち、接客日本一のショップスタッフなのだ。
やればやるほど進歩が望める、それがランニング
現在は銀座店での接客だけでなく、全国のシップス販売員へのアドバイスや教育も務める椛澤さん。いずれも相手ありきの現場仕事で、常に相手の気持ちに寄り添うことが求められる。こうして仕事の責任や分量が増えていった一方で、プライベートでも半ば無意識に増やしていった大事な作業の時間がある。
ランニングだ。
「35歳という、人生のひとつの峠を越える頃、体つきが徐々に変化して体力の低下を感じ始めました。学生時代はバスケットボールをしていたのですが、社会人になってからは特に運動の習慣はなし。小さい頃水泳をやっていたこともあって、同じエンデュランス系アクティビティであるランニングは嫌いじゃなかった。じゃあ走ってみようかな、というのがきっかけです」。
もうひとつの要因は生活環境の変化。結婚を機に奥さんと2人暮らしをするようになったことだ。荒川が近い環境へと住まいを移し、その結果、身近なホームコースとして土手沿いのランニングコースを手に入れた。
「街中を走るのも面白いけれど、開放的で緑の多いシチュエーションが気持ち良くって、走る頻度が高くなっていきました。空が広く感じられるところを走ると、何も考えず無心になれるんです。逆に言えば何も考えたくないんだよな、というときにするのがランニングで、完全にリフレッシュ目的。走り始めた頃は多少はしんどかったですよ。それはもう、全然走れなかったので。
でも、回を重ねていくたびに走る距離を伸ばせるのがランニングのいいところ。一歩一歩、着実に目標をクリアして、ゲインしていけますから。これが球技だとそう上手く運びません。ですから、走ることのほうが向いていたのだと思います」。
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