Camp Gear Note Vol.46
2020.06.07
LEISURE

人道支援と自給自足の現場から生まれる「ベアボーンズ」の機能美

camp gear note

「Camp Gear Note」とは……

このところの自粛生活をはじめ、台風や地震、洪水など、昨今は我々の想像を超越する災害が起きることもしばしば。その度に、万が一の備えとしてアウトドアギアに脚光が当てられる。

もしもの状況で役立つアウトドアギアは数多い。しかし、避難生活で使うことを想定して開発されるものは決して多くない。

そんななか、2年前に日本に本格上陸したばかりの「ベアボーンズ(BAREBONES)」は、世界各地での人道支援活動を通して、現場で必要とされる道具を形にしてきた稀有な存在である。

 

創業者は話題のブランド「GOAL ZERO」と同一人物

camp gear note
笑顔が素敵なロバート。十数人の孫がいるグレートおじいちゃんだ。自身もボーイスカウトでの最高位「イーグルスカウト」を取得している。

創業者のロバート・ワークマンが、アメリカのユタ州でブランドをスタートしたのは2012年のこと。彼は革新的なソーラーパワーシステム製品のリーディングブランド「ゴールゼロ(GOAL ZERO)」を成功に導いた創始者としても、その名を知られている。

camp gear note
ネパールやアフリカなど、世界各地にシェルターテントや電源システムの供給支援を行っている。

世界中で人道支援に携わっていたロバートは、その活動を通じて、人間が生きていくうえで必要なものとは何かを考えた。

思いついたのは、生活を支える電気と安心して眠れる住居の必要性だった。そこで、まずは持ち運び可能なソーラーシステムを手掛ける会社「ゴールゼロ」をスタート。その成功をステップに、丈夫な居住スペースを提供するために「ベアボーンズ」も創設した。

日本ではLEDランプが人気を集めているが、元々ベアボーンズはテントからスタートしたブランドなのである。

camp gear note
自宅の庭には、さまざまな大きさ、形のプロトタイプが建てられ、テストが行われている。

考案されたテントは、骨組みが非常に丈夫なことが特徴で、数年間張りっぱなしでも大丈夫なほどの耐久性を誇る。

彼らは、このシェルターテントをネパールやアフリカの被災地など、世界各地に送り届けてきた。現地では住居としてはもちろん、医療センターや出産クリニックとしても活用されていることからも、その信頼性の高さが窺い知れる。

NEXT PAGE /

自給自足の生活から、本当に必要な製品が見えてくる

camp gear note
広大な敷地内で自給自足生活を実践し、必要なギアのブラッシュアップを行っている。

現在、製品開発はロバートの自宅をフィールドに行われている。テントがいくつも立ち並ぶ彼のランチ(自宅)では、電力はすべて太陽光、水力、風力発電により賄われる。

彼は電気、住居に続き、生きていくうえで必要な「食」にも焦点を当てた。そこを突き詰めた結果、牛、豚、鶏、蜂を飼育し、野菜や果物も育てるなど、自給自足可能なシステムを自宅に構築。その過程で必要だった畑を耕すためのガーデニングツール、収穫物を調理するためのクッキングツールにも、製品ラインナップは自然と広がっていった。

camp gear note
焚き火やアウトドアで使える、タフなクッキングツールのラインナップも増え続けている。

製品開発の基本コンセプトは、実用性と風合いを大事にすること。

生活に必要なギアを実際に使いつつ、テストを繰り返し、じっくりと時間をかけて新製品のアイデアが練られていく。テント類に至っては、数カ月~数年も張り続けられるそう。

こうして、ロバート自身が本当に使いたいもの、必要なものがこの環境の中で磨き上げられて形になる仕組みだ。

NEXT PAGE /

長く付き合うには機能性だけでなく、見た目も重要

camp gear note
ライト、クッキングツール、ガーデンニングツール、テーブルウェアなど、生活を送るために必要な道具が揃っている。

テントは常設型で高価なものなので、じつは市場にはほとんど出回っていない。では何が主力製品かというと、本国、日本ともライト類がとにかく人気を集めている。

本国では、ガーデニング用品も好調だとのこと。さらに、今後はワイルドな「カウボーイクッキングシリーズ」がリリースされる予定。製品はどれも使いやすさはもちろんのこと、デザインにもこだわり、長く愛用できる道具に仕上げられている。

camp gear note
気の利いたデザインのガーデニングツールもおすすめ。後編にて詳しく紹介する。

「新しいブランドで、アウトドアっぽくないおしゃれなLEDランタンが出たぞ」とネット界隈で話題となったが、それもそのはず。

日常生活に本当に必要な道具とは何か。そこを突き詰めた結果として、彼らの道具は外でも使える丈夫さも兼ね備えているに過ぎない。だからこそ、他ブランドとは一線を画す存在なのだ。その活躍の場をアウトドアだけに絞ってしまってはもったいない。

camp gear note

[問い合わせ]
エイアンドエフ
03-3209-7575
http://barebonesliving.jp/

連載「Camp Gear Note」一覧へ

「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る

池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真

# Camp Gear Note# LEDランプ# キャンプ# ベアボーンズ
更に読み込む