連載「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
自分だけの船を所有することは男のロマンだろう。船があれば誰もいない場所まで行き、ひとり静かに釣り糸を垂れることだって、愛犬と共に川をのんびりと下ることだってできる。想像は膨らむばかりだ。
とはいえ、現実は厳しい。船といえばそれなりに値段が張るし、そもそもうちに船を置いておける場所なんてないのは明白だ……。
しかし、あるところにはあるのだ。お手頃な価格で、しかも小さく畳めて、背負えるほど軽い船が。アメリカ・デンバー発のブランド、ココペリが作る「パックラフト」と呼ばれる超軽量の船こそが、あなたの夢を叶えてくれるかもしれない。
アラスカの大自然を自由に旅するために生まれた
ココペリを語る前に、まずパックラフトとはどのような船なのかを知る必要があるだろう。
そもそも、パックラフトとは名前の通り、パック(収納)できるラフトボート(船)のこと。折りたためて、背負って移動できるように設計された超軽量なボートで、2000年代になって登場した新しいアウトドア道具だ。
もともとはアラスカの奥地を旅するような人たちが、川や湖を渡ったり、下ったりするための移動手段として生まれた。
パックラフトの船としてのポテンシャルに着目した耳の早いアウトドア好きたちが、フィールドに持ち出し始めたのが2010年代。彼らは登山や自転車と組み合わせることで、新たなフィールドと楽しみ方を次々と開発していった。以降、さまざまなブランドが参入し、世界中に愛好者を増やし続けている注目のギアなのである。
まあ、細々と説明するよりも、まずは動画を見てもらうのがパックラフトの世界観を理解してもらう近道だろう。
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