FUN! the TOKYO 2020 Vol.41
2020.01.29
LEISURE

ひたすら美しく格好いいパラアスリートのグラビア誌、制作の舞台裏

FUN! the TOKYO 2020
いよいよ今年開催される東京オリンピック・パラリンピック。何かと “遊びざかり”な37.5歳は、 この一大イベントを思い切り楽しむべき。 競技を観るのもするのも、主な拠点となる東京を遊ぶのも、 存分に。2020年の東京を……Let’s have FUN!

いよいよ東京オリンピック・パラリンピックを半年後に控え、オリパラの競技を伝えるスポーツメディアは数多い。だが、これほどまでにアートを感じさせ、グラフィックにこだわったスポーツ誌は珍しい。

それが、蜷川実花氏がクリエイティブ・ディレクションを手掛けるフリーマガジン『GO Journal(ゴージャーナル)』だ。

コンセプトは「アート、カルチャー、ファッションを切り口にパラスポーツとパラアスリートの魅力に迫る」。大胆なビジュアルと率直な言葉で語るアスリートのインタビューが話題を呼んでいる。

『GO Journal』のバックナンバー。
『GO Journal』のバックナンバー。表紙と裏表紙それぞれに蜷川氏が撮り下ろした写真が載る。

最も目を引くのは、やはり蜷川氏が撮ったアスリートの写真だ。大判のサイズに印刷された誌面には、今までに見たことがないパラアスリートの姿がある。

NEXT PAGE /

ただ、その人の魅力を伝える

パラスポーツやパラアスリートをビジュアルで表現しようとすると、どうしても「障がい」がある部分をフィーチャーしがちだ。当然だろう、そう撮らないと被写体がパラアスリートであることが伝わりにくいからである。

しかし、蜷川氏が撮るパラアスリートの写真からは、そんなアプローチは感じない。脚に障がいのあるパラアスリートであっても、メイン写真がバストアップのポートレート、というケースもある。もちろん結果的に“障がい”がある部分が写っていることはある。だが、それは写っているだけで“写している”わけではない。障がいの有無は関係なく、あくまで純粋にひとりのアスリート、人間として表現しようとする気概を感じる。

辻沙絵選手(陸上女子短距離)
蜷川氏が撮影したパラアスリート・辻 沙絵選手(陸上女子短距離)。

考えてみれば、ひとりの人間を写真で表現しようとするとき、その人の職業や競技の特性が表れている肉体の部位だけにフォーカスすることはあまりない。

そう、『GO Journal』で蜷川氏が撮るパラアスリートは、ある意味、この「アスリートを普通に撮る」アプローチで写されている。パラアスリートだから、障がいがあるから、といった意図は見えてこない。それは蜷川氏の被写体に対するリスペクトのようにも思える。

『GO Journal』を発刊する日本財団パラリンピックサポートセンターのスローガンは「パラリンピックで日本を変える」。そのミッションのひとつには「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)社会の実現へ向けた事業の展開」もある。

蜷川氏のパラアスリートへのアプローチは、まさにその意義を体現しているともいえるのではないだろうか。

『GO Journal』vol.4。
1月22日(水)に発刊された最新刊『GO Journal』vol.4。

1月22日(水)に発刊された『GO Journal』最新号のvol.4では、前回のリオでのパラリンピックにも出場した男子車いすバスケットボールの若き日本代表・鳥海連志選手とパラトライアスロンの秦 由加子選手、2人のパラアスリートを蜷川氏が撮り下ろしている。

また、前出した意義を示すかのように、パラスポーツ、パラアスリートの以外にも、重度障がい者向けの分身ロボットを開発した吉藤オリィ氏のインタビューといったコンテンツも掲載。ここでも単なるグラフィック誌だけにとどまらない気概を感じる。

『GO Journal』vol.4に登場している男子車いすバスケットボール・鳥海連志選手。
女子パラトライアスロン・秦 由加子選手。『GO Journal』vol.4からの1枚。

『GO Journal』vol.4は東京・銀座のキヤノンデジタルハウス銀座や全国の蔦屋書店やロフトで配布中。公式サイトでもバックナンバーを含めて読める。パラアスリートの美しく、格好いい姿を目にすれば、パラスポーツにこれまでとは違った印象を抱くはずだ。

NEXT PAGE /

渋谷スクランブルスクエアで、「GO Journal in SHIBUYA」が開催中!

1月22日(水)~2月4日(火)まで、東京・渋谷駅と直結する渋谷スクランブルスクエア7階イベントスペース「L×7」では、『GO Journal』vol.4で蜷川実花氏が撮り下ろした鳥海連志選手と秦 由加子選手の写真を展示したエキシビション「GO Journal in SHIBUYA」が開催中。

開催記念イベントで登壇した、蜷川氏のファンだったという秦選手は「普通の取材では写真に義足を入れるため全身を撮影していただくことがほとんど。でも、蜷川氏はどんどん私に寄ってきて撮影をされるので新鮮でした」と、『GO Journal』ならではの撮影風景について語ってくれた。

鳥海選手は「撮影は衝撃を受けました。できあがった写真を見て、車いすではなく、競技者としての姿を初めて心からカッコイイと思えた」と刺激を受けた様子。会場では『GO Journal』vol.4も配布しているのでぜひ足を運んでほしい。

[イベント概要]
「GO Journal in SHIBUYA」
期間:1月22日(水)~2月4日(火)
場所:東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア 7階イベントスペース「L×7」
入場:無料

田澤健一郎=文

# GO Journal# TOKYO2020# パラアスリート# パラリンピック# 蜷川実花
更に読み込む