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2020.01.18

あそぶ

会社員から独立し、父親になっても、ランニングが続いている理由

連載「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
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 田村貴之
アパレル関係のPR業務を手掛けるT-PLANNING代表の田村さんは、まだ世間にランニングブームが到来する前、ダイエットのために走り始めた。そのため、ランニング歴は15年オーバーという大ベテランだ。
といっても、熱心にレースへ出場しまくる競技志向ではなく、フルマラソンのベストタイムは2007年のホノルルで記録した4時間28分というもの。当初のきっかけだったダイエットに成功したあとも、「単純に気持ちいいから」と走り続け、常にランニングが人生に寄り添っている。それは人気ショップの店長・プレスとして活躍後、フリーランスのバイヤーを経験し、自身でPR会社を立ち上げるようになっても変わらない。
さらには結婚して子供が生まれ、父親になってもランナーであり続ける田村さんの話は、きっと多くのランナー(休眠ランナー含む)の参考になるはずだ。
田村貴之

チビ・デブ・ハゲのうち、デブは努力すればなんとかなる

「30歳になる誕生日のことです。ヨーロッパのミリタリー古着などを扱っていたナンバー44というショップで働いていたのですが、出勤してみると、机の上にとある有名フィットネス雑誌が置いてありました。特集のタイトルは“30歳からのカラダ作り”。
当時は深夜までの残業も珍しくなく、食生活が乱れ、体重増へとまっしぐらだったんです。店長・プレスとして雑誌のスナップページに取り上げていただくことも多かったため、このまま格好悪くなるわけにはいかないな、と思っていたところでした。言葉は悪いですが、チビ、デブ、ハゲの三重奏は絶対に避けたい。でも今さら身長が伸びることはないし、頭髪に関しては遺伝という要因が大きいですよね。でも、デブになるか否かは自分の努力も大きい」。
ということで、誕生日プレゼントでもらった雑誌記事を参考に、激務の合間を縫っては平日どこかで1回、土・日曜に各1回という“週3ペース”で走る生活がスタートした。するとみるみる体重が落ち始め、3カ月後にはぜい肉が消えて、体が軽くなったことを実感できたという。
田村貴之
「続いた秘訣ですか? コツというか、職場に体重計を置いていたことが良かったのかもしれません。走った日も、走らなかった日も、とにかく体重計には毎日乗りました。そしてくだんの雑誌をプレゼントしてくれた同僚たちと一緒に、数値の変化を眺めてはワイワイやっていたんです。つまり、最初はネタ的に続けていたんですね。その手前、途中で投げ出して『田村さん、挫折しちゃったんだ』と思われたくない、というのがいいモチベーションになりました。いざ体重が落ちたあとも、走ることが気持ち良くなっていたので、今日に至るまで続けています」。
まだSNSなどなかった時代なのに、すでに知人を巻き込んでモチベーションにつなげていたとは、人付き合いが上手な人柄のなせるワザ。ちなみに体重はこの頃から現在までほとんど変化していないというから、それだけでも走る価値があるというものだ。


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