度々、旅。 Vol.14
2019.12.22
LEISURE

死ぬまでに行きたい島④ 朽ちた難破船が佇む「ザキントス島」のビーチ

死ぬまでに行きたい島の旅●旅先(=非日常)で得るインプットは、男の日常のアウトプットに大きな影響を与える。1981年生まれ、一児の父、オーシャンズ世代ど真ん中のトラベルエディター伊澤慶一さんは、だから今日も旅に出る。連載「度々、旅。」の4シリーズ目は、死ぬまでに一度は行きたい、ヨーロッパの島の旅。

プローチダ、ファヴィニャーナ、前回のケファロニアと、なんだかドラクエの呪文のような名前の島を紹介してきましたが、今回はなかでもいちばん強力そうな「ザキントス島」です。

ザキントス島はケファロニア島の南に位置し、同じイオニア諸島の主な7島のひとつになります。ギリシャの首都アテネから国内線でのアクセスが一般的ですが、今回はケファロニア島からフェリーにレンタカーごと(あのパンダです!)乗り込みます。

明け方のイオニア海。
明け方のイオニア海。
フェリーにどんどんデカい車が乗せられてきます。
フェリーにどんどんデカい車が乗せられてきます。
今までいろいろなチケットオフィスを見てきたけど、こんな簡易なのは初めて。
今までいろいろなチケットオフィスを見てきたけど、こんな簡易なのは初めて。

ザキントス島は、前回のケファロニア島のおよそ半分の広さで、鹿児島県の種子島よりも少し小さい程度。唯一にして最大の見どころは「ナヴァイオ・ビーチツアー」。

「ナヴァイオ」とはギリシャ語で難破船の意味。つまり、難破船が打ち上げられたビーチへ行くツアーのことです。英語で同じ意味の「シップレック・ビーチツアー」でも通じます。

こちらがナヴァイオ・ビーチ。ザキントス島のパンフレットには必ず登場。
こちらがナヴァイオ・ビーチ。ザキントス島のパンフレットには必ず登場。

ケファロニア島のペサダ港からザキントス島のアギオス・ニコラオス港までは約1時間。この航路は5月〜10月限定なのでご注意を。アギオス・ニコラオス港に着くと、目の前にツアーカウンターがあるので、そちらでナヴァイオ・ビーチ行きツアーを申し込みます。10名ほどが乗れる小型ボートで、いざ出発!

ケファロニア島のペサダ港からザキントス島のアギオス・ニコラオス港までは約1時間。

いろんなツアーがありますね。
「ブルーケーブ」と呼ばれる、自然のトンネルにも入り込める小型のツアー用ボート。
「ブルーケーブ」と呼ばれる、自然のトンネルにも入り込める小型のツアー用ボート。
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目の前に姿を見せた「密輸者の入り江」

出港すると早々、左手には切り立った崖が現れ、ダイナミックな光景が続きます。まだ目的地ではないのに、思わず見入ってしまうほどの大迫力。この先にナヴァイオ・ビーチが姿を現わすのだろうなと、なんとなく予想がつきます。目的地はまもなくです。

船上はみんな水着です。気持ちいい!

そして、いよいよナヴァイオ・ビーチに到着。三方が崖に囲まれ、完全に孤立した入り江。そこに、一隻の難破船が佇む、世界でも類を見ないフォトジェニックな光景。陸路でのアクセスは不可能で、船でしか辿り着けないというロケーションもまた、ここの特別感を演出してくれています。

そして、いよいよナヴァイオ・ビーチに到着。三方が崖に囲まれ、完全に孤立した入り江。
切り立った崖に囲まれた不思議な環境。
これがその難破船。

ただバカンスシーズン本番ということもあり、観光パンフレットで見た、ビーチの上に船がひっそりと佇む様子とは少し違い、難破船のまわりは多くの観光客でごった返していました。ただ、その景観はやはり圧巻。入り江も、石灰質の海底が広がっているため、陽が差し込むとブルーキュラソーのように輝き、とても美しい姿を見せてくれます。

エメラルドグリーンの美しい海。
そして、いよいよナヴァイオ・ビーチに到着。三方が崖に囲まれ、完全に孤立した入り江。
クルーズしに来た人も、海水浴しに来た人も、ごった返して楽しんでます。
異様な光景ではありますが、どこかで見たような記憶があるのは、ここが映画『紅の豚』でポルコが秘密基地としていたビーチのモデルだからかもしれません。
ドーン! これが打ち上げられたままになっているのがスゴくないですか?

クリアなブルー、真っ白な砂浜、その舞台の中央に鎮座する難破船。異様な光景ではありますが、どこかで見たような記憶があるのは、ここが映画『紅の豚』でポルコが秘密基地としていたビーチのモデルだからかもしれません。

セキュリティではありません。観光客です。
船体は落書きだらけ。観光客の格好のおもちゃになっています。

この難破船、1980年代にタバコの密輸を行っていた船で、嵐に巻き込まれたか、警備隊に追われたとかで、この入り江に座礁してしまったそう。以来、ここは別名「密輸者の入り江」とも呼ばれているらしく、まさに隠れ家にするには最高のロケーション。あまりおすすめはできませんが、ボロボロの難破船は内部に侵入可能。海賊船、ではないけれど冒険気分を味わいたい方はぜひ。
 
次から次へツアー客がやってくるナヴァイオ・ビーチ。300人は乗っていそうなフェリーが来たところで、タイミングよく帰ることにしました。

ナヴァイオ・ビーチがいかに人気なのかがわかりますね。
海底土壌が石灰質のため、光があたるとまるでプールのような色合いに。
海底土壌が石灰質のため、光があたるとまるでプールのような色合いに。

こちらのツアー、アギオス・ニコラオス港に戻る途中、波で浸食されて自然にできたアーチ状のトンネルを潜ってみたり、ちょっとした洞窟にも立ち寄ったりしてくれます。

プカプカ至福の時間。

このあたりもとても綺麗な海の色をしていて、ボートが少しだけ停泊してくれるので、泳ぎたい人はみんな飛び込んでいました。ボートに日よけが少ないので、陽射しで火照った体を冷やすのにちょうどいいタイミングでした。

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展望台にも行ってみた!

アギオス・ニコラオス港に戻ってツアーは終了。ザキントス島には、先ほどのナヴァイオ・ビーチを上から見おろす展望台があるので、もし車と時間があるようであればそちらにも立ち寄ってみてください。

ザキントス島には、先ほどのナヴァイオ・ビーチを上から見おろす展望台があるので、もし車と時間があるようであればそちらにも立ち寄ってみてください。
足を掛けているここは……。
展望台。
ザキントス島には、先ほどのナヴァイオ・ビーチを上から見おろす展望台があるので、もし車と時間があるようであればそちらにも立ち寄ってみてください。
眼下に先程のビーチが広がっています。

展望台までは、港から車で片道30分ほど。ただ高所恐怖症の人にはおすすめしません(笑)。

ケファロニア島に戻るフェリーがまだ来ていなかったので、港にあるレストランでシーフード・バーベキューを食べながら待つことに。

ロケーション抜群のレストラン。
ロケーション抜群のレストラン。
白身魚やタコを豪快に焼いていく。

早朝ケファロニア島を出て、濃厚な時間を過ごすことができた1日を振り返り、素敵な旅に感謝をする瞬間。島旅の魅力は、こんなに近い島同士でもまったく違う体験ができるところ。ぜひいろいろとアイランドホッピングして、その違いを楽しんでみてください。

サンセットとともに1日を締めくくる。
サンセットとともに1日を締めくくる。

次はイオニア海の北、クロアチアのアドリア海に浮かぶ島々を回ります!

僕も難破船に乗り込んでみました。

 

伊澤慶一●1981年生まれ、子持ち。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。

伊澤慶一●1981年生まれ、一児の父。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。60カ国以上の渡航歴を持つが、いちばんのお気に入りはハワイ。

 

# ザキンストス島# ナヴァイオ・ビーチ# 度々、旅。# 難破船
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