度々、旅。 Vol.11
2019.12.14
LEISURE

死ぬまでに行きたい島① 絶景と絶品レモンソルベに言葉を失う「プローチダ島」

死ぬまでに行きたい島の旅●旅先(=非日常)で得るインプットは、男の日常のアウトプットに大きな影響を与える。1981年生まれ、一児の父、オーシャンズ世代ど真ん中のトラベルエディター伊澤慶一さんは、だから今日も旅に出る。連載「度々、旅。」の4シリーズ目は、死ぬまでに一度は行きたい、ヨーロッパの島の旅。

四方を海に囲まれた島は、その閉鎖性ゆえに人間の心を掻き立てる空間。大人の男にとっては子供心や遊び心を取り戻す場所であり、息子にとっては冒険心を育む新世界。ここで妻は自分に“恋心”を取り戻して……くれるかはわかりませんが、今回はそんな情緒をたっぷり感じられる「島旅」へ出発したいと思います。

舞台は夏のイタリア、まずは地中海に浮かぶプローチダ島を目指します。

プローチダ島まで連れて行ってくれるのはポール&シャーク号。

南イタリアにあるプローチダ島は、世界三大美港のひとつ、ナポリから、高速船で約1時間のところにあります。

ブーツの形をしたイタリアの脛のあたり。詳細な地図はこちら。

乗り込むのは、地元のナポリっ子も利用する定期船「ポール&シャーク」号。ローカル感を味わいながら、いざ出発!

みんなデッキで気持ちよさそうに過ごしている。
海上から眺めるナポリ港。丘の上にあるのはサンテルモ城。世界三大美港の名に恥じない見事な景色!
海上から眺めるナポリ港。丘の上にあるのはサンテルモ城。世界三大美港の名に恥じない見事な景色!

アマルフィやチンクエ・テッレなどカラフルな町並みが多いイタリア。プローチダ島もそのひとつで、広さは4㎢ほど。1日あれば歩いて観光できてしまう小さな島です。

世界遺産のアマルフィと比較するとまだまだ観光地化はされていませんが、島いちばんの見どころのひとつ「コッリチェッラ地区」を見渡せる丘は、それに勝るとも劣らない絶景との噂。ならば見ないわけにはいかないと、そちらを目指します。

アマルフィやチンクエ・テッレなどカラフルな町並みが多いイタリア。プローチダ島もそのひとつで、広さは4㎢ほど。
到着したプローチダ島の港。色鮮やかで美しい。
上半身は裸でも、ヘルメットは忘れずに。

島の人々のようにバイクにまたがって颯爽と向かいたいところですが、レンタルバイク屋を見つけられず、泣く泣く徒歩で。夏の強い日射しの下、石畳の坂道は結構キツいです。
 
しかも迷路のように入り組んだ道に迷いながら、おそらく30分で着く距離を1時間ほどかけて到着。そんな苦労も疲れも一瞬で吹っ飛んだ丘の上からの景色がこちら。

島いちばんの見どころのひとつ「コッリチェッラ地区」を見渡せる丘は、それに勝るとも劣らない絶景との噂。
丘の上から見たコッリチェッラ地区。プローチダ島で最も有名な景色です。
ボートの影が海底に写るほどの透明度。

思わず言葉を失うほどの絶景とはこのことです。道にも迷い、苦労して坂道を登って汗だくになったからというのもあるかもしれませんが、前日に見たアマルフィの景色よりも感動しました。海の透明度も抜群なのに、ほとんど海水浴客の姿がない。アマルフィのビーチはどこも人でごった返していたので、そこも好印象。水着を持って来れば良かったと後悔しました。

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ボーノ! グラッツェ! レモンソルベ!

実はこのプローチダ島、映画『イル・ポスティーノ』の舞台にもなった島で、眼下に見下すコッリチェッラ地区に、主人公の郵便配達員が恋に落ちたカフェも実在しているとのこと。せっかく登ってきたところですが、港まで降りていくことに。

イタリア語で、ここが『イル・ポスティーノ』のロケ地であることを示す看板を発見。

イタリア語で、ここが『イル・ポスティーノ』のロケ地であることを示す看板を発見。ただ、それほど思い入れのある映画でもなかったので、写真だけ撮って隣のカフェ「Felice Mare」へ。ここで食べた名物レモンソルベは、人生でベスト3に入るほど美味でした。隣のカプリ島と比べたら料金も良心的です。感激して、店員さんに「ボーノ! グラッツェ! 」と連呼してしまいました。

これがそのレモンソルベ。清涼感ある器もカワイイ。

パステルカラーの建物が可愛らしく、ただ散歩するだけでも楽しい島。イタリアの人はのんびりしていて、カフェに入ってもなかなかオーダーを取りに来てくれないことがままありますが、プローチダ島ではいくら待てども一向に来ず(笑)。しびれを切らしてこちらから呼びに行ったほどでしたが、そこは島時間ということでご愛嬌。今まで訪れたイタリアの町の中でも、特にイタリアらしさを感じる町でした。

地中海の島というと、イビサ島やカプリ島みたいに、セレブがバカンスを過ごしに来るイメージがありますが、ここはそんな喧騒とは無縁。静けさや素朴さに、きっと居心地の良さを感じてもらえると思います。

今回は日帰りの旅だったので、すぐにナポリへ戻ることに。もっとゆっくりすれば良かったなぁと、せっかちだった旅程を後悔。

島旅はのんびり予定を組むに限ります。名残惜しさを覚えながらも、そういうときに限って、帰り道はまったく迷うことなく、フェリー乗り場へ着いてしまいました。

ナポリに戻るフェリーの小窓から眺めたプローチダ島の景色は、額縁におさまった絵画のよう。「いつかまた訪れたいなぁ」。景色を眺めながらそんなことを考えると、急に心が締め付けられるようにノスタルジックな感情に。

名残惜しそうに、いつまでも島を眺めていた子供たちもまた、同じ気持ちだったに違いありません。
 

そんな切なさもまた島旅の魅力。新たな出会いに期待して、次の島に向かいます!

 

伊澤慶一●1981年生まれ、子持ち。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。

伊澤慶一●1981年生まれ、一児の父。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。60カ国以上の渡航歴を持つが、いちばんのお気に入りはハワイ。

 

# イル・ポスティーノ# プローチダ島# 南イタリア# 度々、旅。
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