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2019.04.02

あそぶ

第2のブルックリンとなるか。「日本のワイナリー」が深川で生まれた納得理由

当記事は、「東洋経済ONLINE」の提供記事です。元記事はこちらから。
2016年6月、門前仲町駅から徒歩約6分の街中にオープンした深川ワイナリー
2016年6月、門前仲町駅から徒歩約6分の街中にオープンした深川ワイナリー。(筆者撮影)

都内でも珍しいワイナリーが深川という地に2つもある

深川といえば、その名称から江戸情緒の残る水辺の街というイメージがおのずとあるだろう。おしゃれなカフェや、ギャラリーの街という新しいイメージも浸透しつつある。
そして新たに加わった知られざるキーワードが「ワイン」だ。ワイナリーというものは一般的に、ブドウ畑のそばにあるもの。そんな常識に反して、最近、都内にワイナリーがちらほらとできてきている。23区内で果実酒の酒類製造免許を取得した事業者の件数を数えてみると、2014年からの5年間で5件ほどあった。
実はそのうちの2つが「深川」と呼ばれる地域に存在する。今回ご紹介する深川ワイナリーと、残念ながら取材がかなわなかったフジマル醸造所だ。両者はお互い距離にして2km、駅としては1駅という近さ。しかし直接の関係はなく、偶然、同じ地域に時期を接してオープンしたということのようだ。なぜ、都内でも珍しいワイナリーが深川という地に2つもあるのだろうか。
1つには、深川はもともと水運の街で、小工場や倉庫が多い。事業者の移転や廃業で使われていない倉庫などを利用しようということで、飲食店やギャラリーができているということもある。ブルーボトルコーヒーの日本1号店、清澄白河店も倉庫を改装した店舗だ。
2つ目に、土地が比較的安いこと。隅田川を挟んで東西の深川と日本橋では家賃が大きく異なる。
スイミージャパン代表取締役社長の中本 徹氏。ワインに関しては素人からのスタートだったという。(筆者撮影)
小規模とはいえワイナリーとなると、ワインの醸造タンクや倉庫のスペースが必要だ。コスト面でのメリットが高い江東区に集まったのも頷ける。では実際に、深川ワイナリーが深川の地を選んだ理由を聞いてみよう。ワイナリーを運営するのは、ワイン醸造業・飲食店運営のほかに輸入業も営むスイミージャパンだ。
「大きな理由は、私の自宅がある街と、本社がある日本橋に近いということです。それから、難しいことを言わず、気軽にワインを楽しんでもらいたいという思いがありました。そんなわけで東京の下町、というイメージが強い深川を選びました」。(スイミージャパン 代表取締役社長の中本 徹氏)


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